メールマーケティングとは?BtoBでの効果・手法・進め方を基礎から解説
メールマーケティングとは、メールを通じて顧客や見込み客と継続的にコミュニケーションを行い、関係構築や購買行動を促すマーケティング手法です。古くから使われている手法ではありますが、現在もBtoBを中心に、集客やナーチャリングに欠かせない施策として活用されています。

メールマーケティングは、単に商品やサービスを告知するだけでなく、ブランド認知の向上や顧客エンゲージメントの促進、コンバージョン獲得など、さまざまな目的に対応できる点が特徴です。特にBtoBでは、検討期間が長い購買プロセスにおいて、見込み客と継続的に接点を持てる有効な手段といえます。

本記事では、BtoBにおけるメールマーケティングの目的や手法、進め方といった基本から、成果につながる具体的な施策・事例までを分かりやすく解説します。

リードが長らく商談化しない

目次

メールマーケティングとは

メールマーケティングとは、メールを通じて見込み客や顧客と継続的にコミュニケーションを行い、関係構築や購買意欲の向上を図るマーケティング手法です。単なる一斉配信のメルマガとは異なり、顧客の属性や行動に応じたメール配信を行うことで、成果につなげる点が特徴です。

メールマーケティングでは、メルマガ配信に加えて、ステップメールやセグメント配信、行動をきっかけに自動配信するトリガーメールなど、複数の施策を組み合わせて活用します。これにより、顧客一人ひとりの状況や関心に合わせた情報提供が可能になります。

特にBtoBビジネスでは、商材の検討期間が長く、すぐに購買や商談につながらないケースが一般的です。そのため、検討期間中に継続して接点を持ち、段階的に理解や興味を深めてもらう手段として、メールマーケティングが有効とされています。

BtoBにおけるメールマーケティングの特徴

BtoBビジネスの特徴

BtoBにおけるメールマーケティングとは、検討期間が長いBtoBの購買プロセスにおいて、メールを活用して見込み客と継続的に接点を持ち、商談や受注につなげていくマーケティング手法です。BtoB商材は取引単価が高く、意思決定に複数の関係者が関わるため、比較・検討に時間がかかります。近年では、営業担当者に接触する前に、Web上で情報収集を行うケースが一般的です。

そのため企業側は、情報収集フェーズの見込み客に対して適切な情報を継続的に届ける必要があり、その手段としてメールマーケティングが有効とされています。

メルマガとメールマーケティングの違い

メールマーケティングとメルマガの違い

メルマガ メールマーケティング
位置づけ メールを配信する一施策 メルマガを含む各種メール施策を活用するマーケティング手法
目的 告知、購入促進、コンテンツマーケティング 見込み客の購買意欲を引き上げる

メルマガとは、収集したメールアドレスに定期的にメールを配信することです。一方、メールマーケティングとは、メルマガのほか、ステップメール、ターゲティングメールなどの施策を組み合わせるマーケティング手法のことです。

メルマガは、メールマーケティングの施策の一つです。メルマガの目的には告知、購入促進などがあり、定期的に顧客に有用なコンテンツを提供するコンテンツマーケティングの手段としても有効です。

たとえば、BtoCでは「期間限定!今だけ××を20%引きで販売」といったメルマガから顧客の購入を促す施策が可能ですが、BtoBではメルマガのみで購入を決めることはほぼありません。一方、メールマーケティングは、見込み客の購買意欲を引き上げることが目的です。

参考:メルマガの開封率を上げる7つの具体的な方法を解説!実例でタイトル、差出人、曜日も紹介

メールマーケティングが注目される理由

1. ビジネスでは今もメールが主流

近年、個人間のコミュニケーションではSNSやチャットツールの利用が一般的になっていますが、ビジネスにおける主要なコミュニケーション手段は現在もメールです。総務省の調査では、電子メールの利用率は78.5%と高い水準を維持しており、日本ビジネスメール協会の調査でも、仕事で最も使われている手段はメール(98.6%)とされています。

企業間コミュニケーションにおいて、メールは今も欠かせない存在であり、マーケティング施策としても有効性が高い手段といえます。

参照:総務省「令和4年通信利用動向調査の結果」

2. BtoBの購買プロセスと相性が良い

BtoBビジネスでは、商材の検討期間が長く、複数の関係者が意思決定に関わるため、短期間で購買に至るケースは多くありません。そのため、検討段階に応じて継続的に情報提供を行い、信頼関係を構築することが重要です。メールマーケティングは、見込み客の検討フェーズに合わせて情報を届けられるため、長期的な購買プロセスを支援できる手法として、BtoBと高い親和性があります。

3. MA普及によって活用の幅が広がった

近年は、マーケティングオートメーション(MA)の普及により、メールマーケティングの活用方法が大きく進化しています。顧客の属性や行動履歴をもとに配信内容を出し分けることで、従来の一斉配信よりも精度の高いコミュニケーションが可能になりました。

見込み客一人ひとりの関心や検討状況に応じた情報提供ができるようになったことで、メールマーケティングは成果につながる施策として再評価されています。

メールマーケティングの主な手法

BtoBのメールマーケティングで使う主な手法として、以下があります。
メールマーケティングの種類

メールマガジン
(メルマガ)
定期的に配信する。主にコンテンツマーケティングが目的だが、他の目的にも利用できる自由度が高い
ステップメール 見込み客の何らかのアクションを起点に、あらかじめ用意された複数のメールを順番に自動配信する
セグメントメール
(ターゲティングメール)
役職、地域、行動履歴などの属性で絞り込んだ対象にメールを配信する
リターゲティングメール 何らかの行動履歴がある見込み客に対して、次の行動を促すメールを配信する
休眠発掘メール 休眠状態の見込み客、過去の顧客などに向けて近況を尋ね、関係を維持する

メールマガジン(メルマガ)

資料請求時のメールアドレス登録、名刺交換などによって収集したメールアドレスを対象として、定期的にメールを配信する施策です。メルマガの内容として、以下があります。

  • お役立ち情報
  • イベントの告知
  • 商品の紹介
  • お得なキャンペーンの情報

このように、メルマガは多様な目的に使うことができます。

参考:メルマガとは?基本のメルマガの作り方と配信方法、ツール、施策、成果を出すポイントを紹介!

ステップメール

ステップメールとは、顧客や見込み客の特定のアクションを起点に、あらかじめ設計した複数のメールを段階的に配信する手法です。たとえば、新規登録を行った見込み客に対して、登録直後から順番に関連情報を届けることで、理解促進や関係構築を効率的に進めることができます。

参考:ステップメールとは?仕組み・効果的な作り方・事例までを徹底解説

セグメント(ターゲティング)メール

役職、地域、業種などの属性で絞り込んだターゲットに対して、最も適した内容のメールを配信する手法です。顧客にとって不要な情報を届けず、役立つ情報のみをタイミングよく配信することで、メールの効果を高められます。セグメントメールはターゲティングメールとも呼ばれます。

参考:セグメントとは?マーケティングでの活用事例7選、目的や分類方法を解説

リターゲティングメール

リターゲティングメールとは、Webサイトの閲覧や資料ダウンロード、フォーム到達など、何らかの行動履歴がある見込み客に対して、次の行動を促すために配信するメールです。行動直後に配信するケースが多い一方で、検討期間を考慮して一定期間をおいて送信することもあり、見込み客の状況に応じたアプローチが可能です。

休眠発掘メール

休眠発掘メールとは、一定期間アクションが見られない見込み客や過去の顧客(休眠顧客)に対して再度アプローチし、関係性の再構築や再検討を促すためのメールです。新しい情報提供やきっかけとなるコンテンツを届けることで、再び関心を引き出すことを目的とします。

参考:休眠顧客の掘り起こしはなぜ必要?商談化率を高める具体策・方法と企業事例も解説!

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メールマーケティングの3つのメリット

メールマーケティングには、コスト面・運用面・効果測定のしやすさなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。

1. 低コストで継続的に実施できる

メールマーケティングは、他のマーケティング施策と比べて低コストで実施できる点が大きなメリットです。広告費が発生しにくく、少ない予算でも継続的に取り組むことができます。そのため、大企業だけでなく、中小企業や個人事業主でも導入しやすく、長期的なマーケティング施策として活用しやすい手法といえます。

2. One to Oneマーケティングが可能

メールマーケティングでは、見込み客の属性や行動履歴に応じて配信内容を出し分けるパーソナライズ配信が可能です。これにより、一人ひとりの関心や検討状況に合わせたコミュニケーションを実現できます。細かな条件設定にも対応できるため、One to Oneマーケティングを実践するうえで有力な手段の一つです。

参考:One to Oneマーケティングとは?MAで効率化できるその具体的手法を解説

3. 効果測定がしやすい

メールマーケティングは、効果を数値で把握しやすい点もメリットです。開封率やクリック率、メール経由のコンバージョン数などを計測でき、施策の成果を客観的に評価できます。これらのデータをもとに改善を重ねることで、メール施策だけでなく、他のマーケティング施策の精度向上にもつなげることができます。

メールマーケティングの3つのデメリット

メールマーケティングには多くのメリットがある一方で、運用にあたって注意すべきデメリットや課題も存在します。ここでは、特に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

1. コンテンツ制作にリソースがかかる

メールマーケティングで成果を出すためには、見込み客にとって有用な情報を継続的に提供し続けることが不可欠です。そのため、企画や原稿作成、配信設計などに一定のリソースが必要になります。特にBtoBでは、検討段階に応じた専門的なコンテンツが求められるため、社内での体制づくりや運用設計が課題となりやすい点に注意が必要です。

参考:コンテンツマーケティングとは?種類や進め方、成功事例、効率よく作成するコツをわかりやすく解説!

2. 他のメールとの差別化が難しい

企業の担当者には、日々多くのメールが届いており、その中から開封されるメールは限られています。そのため、件名や配信タイミング、内容に工夫をしなければ、メールが埋もれてしまう可能性があります。開封率やクリック率を高めるためには、ターゲットを明確にした配信設計や、受信者にとって価値のある情報提供が欠かせません。

3. 配信停止や迷惑メール判定のリスクがある

業務と直接関係がなく、関心の低い内容のメールが多い場合、配信停止や迷惑メールとして扱われてしまうリスクがあります。これを防ぐためには、送信対象を適切に絞り込むことと、配信頻度を調整することが重要です。一般的には、週1回程度を目安に、受信者にとって負担にならない配信頻度を意識するとよいでしょう。

BtoBにおけるメールマーケティングの実践方法7ステップ

BtoBのメールマーケティングは、闇雲に配信するのではなく、目的(役割)→設計→運用→改善の流れで進めることが重要です。ここでは、成果につながりやすい進め方を7ステップで解説します。

1. マーケティング施策全体での役割を決める

まずは、集客したリードに対してメールマーケティングが担う役割を明確にします。たとえば「資料請求後のフォロー」「ウェビナー参加者のナーチャリング」「休眠リードの掘り起こし」など、他施策と組み合わせた全体設計の中で位置づけを決めます。

2. ターゲットと配信シナリオを設計する

次に、誰に・どの順番で・何を届けるかを設計します。BtoBでは検討期間が長いため、検討段階に合わせて情報を届けられるよう、ステップメールやターゲティングメール(セグメント配信)を前提にシナリオを組むのが効果的です。

3. KPIを設定する

役割と設計が決まったら、目標とするKPIを定めます。メールマーケティングでは、主に以下を指標として設定します。

  • 開封率
  • クリック率
  • CV数/CV率(資料DL、問い合わせ、ウェビナー申込など)
  • 配信停止率(必要に応じて)

4. 配信スケジュールを立てる

次に、配信頻度や曜日・時間帯、配信の順序を決めます。メルマガ/ステップメール/ターゲティングメールなど、目的に合う手法を1つまたは複数選び、継続運用できる現実的なスケジュールに落とし込みます。

5. 配信リストを整備する

配信対象となるメールアドレスを準備し、データ品質を整えます。重複や表記ゆれ、会社名・氏名の誤りがないかを確認し、必要に応じて属性や行動履歴で絞り込みます。BtoBでは特に、役職・部署・興味領域(閲覧ページやDL資料)でのセグメントが効果に直結します。

6. メールと導線(LP)を作成する

目的に合った件名・本文・CTAを設計し、受信者の課題感や期待値に沿ってメールを作成します。また、メール内URLの遷移先となるLPやフォームも同時に整備し、メール→LP→CVまでの導線を一貫させることが重要です。

7. 配信・効果測定・改善を繰り返す

配信前に、本文・リンク先・配信対象・差し込み項目などを十分にチェックし、誤送信を防いだうえで配信します。配信後は、クリック率・CV率などをもとに分析し、KPI達成度や配信停止率も確認しながら改善点を特定します。

改善は「件名」「本文」「CTA」「セグメント」「配信タイミング」など、要素を分解して検証することで、再現性のある成果につながります。

メールマーケティングの主要KPI

メールマーケティングでは、施策の成果を可視化し、改善につなげるためにKPIの設定が欠かせません。ここでは、メールマーケティングで指標として用いられる代表的なKPIと、それぞれの目安を解説します。

代表的なKPI例

メールマーケティングで指標とするKPIの代表例として以下があります。

開封率 メールを開封した割合
クリック率(CTR) Click Through Rateの略。メール内のURLをクリックしてWebページへ移動した割合
コンバージョン率(CVR) 移動先のWebページでCVした割合

開封率

配信したメールのうち、メール文面が開封された割合のことです。BtoBの場合、15〜20%が目安とされています。

クリック率(CTR)

メール内に記載されたURLをクリックしてWebページへ移動した割合のことです。2〜3%程度が目安です。

コンバージョン率(CVR)

クリックしたリンク先で目的のアクション(購入、資料請求、申込など)が完了した割合です。1〜2%程度が目安です。

KPI設定時の注意点

上記の数値は、あくまでBtoBマーケティングにおける平均的な目安であり、業種や商材、配信内容、ターゲットによって大きく異なります。また近年では、企業のセキュリティ環境やメールクライアントの仕様により、開封率が正確に計測できないケースも増えています。

そのため、メールマーケティングでは、CTRやCVRなどの行動ベースの指標をKPIとして重視することがおすすめです。特にBtoBにおいては、最終的な成果につながるコンバージョン率(CVR)を向上させることが、メールマーケティングの重要な目的となります。

メールマーケティングで成果を上げる5つのポイント

メールマーケティングで成果を上げるためには、単にメールを配信するだけでは不十分です。BtoBでは特に、設計・内容・改善の3点を意識することが重要です。ここでは、成果につながりやすいポイントを解説します。

1. ターゲットと目的を明確にする

まず重要なのは、「誰に」「何を目的として」メールを配信するのかを明確にすることです。たとえば、資料請求直後の見込み客と、検討が進んだ見込み客では、求めている情報や関心は異なります。BtoBのメールマーケティングでは、検討段階に応じてターゲットを分け、目的に合った配信設計を行うことが成果につながります。

2. 件名と配信タイミングを最適化する

メールの成果は、まず「開封されるかどうか」で大きく左右されます。そのため、件名と配信タイミングの最適化は欠かせません。件名では、受信者にとってのメリットや課題解決につながる内容を端的に伝えることが重要です。また、BtoBでは平日の業務時間帯に開封されやすい傾向があるため、曜日や時間帯を検証しながら調整していきます。

3. メールとランディングページの一貫性を高める

誘導先のLP例

メールマーケティングでは、メールそのものだけでなく、クリック先となるランディングページ(LP)の設計も成果に大きく影響します。LPとは、メール内のURLをクリックした際の誘導先となるWebページのことで、セミナー/ウェビナーの申込ページや、ホワイトペーパーのダウンロードページなどが代表例です。

成果を高めるためには、フォームを1ページ内で完結させるなど、ユーザーの入力負荷をできるだけ下げることが重要です。メールで伝えた内容とLP上の訴求を一致させることで、ユーザーの迷いを減らし、結果としてコンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。

参考:ランディングページ(LP)とは?わかりやすく基本構成や作り方、改善ポイントを徹底解説

4. ABテストで改善を続ける

メールマーケティングは、ABテストを前提に改善を重ねることで成果が高まります。ABテストとは、複数のパターン(A案・B案)を実際に配信し、どちらがより高い成果を出すかを検証する方法です。LPでは、デザインや構成、訴求内容の違いを検証するためにABテストがよく用いられます。

また、メール施策においても、件名や配信曜日、配信頻度、本文内容などをテストすることで、開封率やクリック率の改善が期待できます。

参考:ABテストとは?実例で分かる!成果を上げるコツや進め方を解説

5. MAツールを活用して施策を自動化・効率化する

メールマーケティングは少人数でも始められますが、運用が進むにつれて、配信設計やリード管理などの工数が増えていきます。そのため、施策の自動化・効率化が重要なポイントになります。

ターゲティングメールの配信や、行動をトリガーとした自動配信、リード情報の一元管理を行うには、MA(マーケティングオートメーション)ツールの活用が有効です。MAを導入することで、運用負荷を抑えながら、より高度なメールマーケティングを実現できます。

メールマーケティングをより体系的に理解し、実践まで落とし込みたい方は、MAを活用した具体的な進め方も参考にしてみてください。

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メールマーケティングで活用できるツール

メールマーケティングで活用できるツールには、主に「メール配信ツール」と「MA(マーケティングオートメーション)ツール」の2種類があります。目的や運用フェーズに応じて、適切なツールを選ぶことが重要です。

1. メール配信ツール

メール配信ツールは、メルマガやターゲティングメールの配信を中心とした機能を備えたツールです。開封率やクリック率(CTR)の測定、簡易的なセグメント配信が可能なため、低コストでメールマーケティングを始めたい企業や、配信業務を効率化したい企業に向いています。まずはメール施策の効果測定や運用に慣れたい場合、メール配信ツールから導入するケースも多く見られます。

2. MA(マーケティングオートメーション)ツール

MAツールは、メールマーケティングを含めたマーケティング施策全体を一元的に管理できるツールです。すでにメルマガ配信などを行っている企業が導入することで、より高度なマーケティング施策を実現できます。MAツールを活用することで、メール配信だけでなく、リード管理や行動分析、シナリオ設計なども行えるようになります。以下に、MAツールの主な機能を紹介します。

2-1. ホットリードの抽出と施策の高度化

MAツールでは、メールの開封やクリックといった反応だけでなく、「ウェビナーへの参加」「Webサイトでの製品価格ページ閲覧」などの行動履歴を蓄積・分析できます。これらの情報を組み合わせることで、商談につながりやすいホットリードを抽出し、営業活動につなげることが可能になります。

2-2. データクレンジングによる配信精度の向上

メール配信では、同一人物への重複配信を避けることが重要です。しかし、会社名や氏名の表記ゆれがあると、異なるデータとして登録されてしまうことがあります。MAツールには名寄せやデータクレンジング機能が備わっており、配信ミスを防ぎながら、正確な効果測定を行える点もメリットです。

参考:データクレンジングとは?名寄せとの違い、自動化の手法をご紹介!

2-3. シナリオ配信の自動化

MAツールを活用すれば、セグメントメールやステップメールに加えて、「特定のページを閲覧した人にメールを配信する」といった行動を起点としたシナリオ配信を自動化できます。複雑な分岐条件を設定できるため、運用負荷を抑えながら、精度の高いメールマーケティングを継続的に実施できます。

MAはシャノンがおすすめ

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メールマーケティングの施策事例3選

最後に、メールマーケティングの具体的な施策について、成果が出た実例を紹介します。いずれも、MAツールを活用することで実現できる代表的な施策です。

施策1. クリック率55.6%を記録した「フォーム落ちの自動追客」

資料請求フォームやウェビナー申込フォームに到達したものの、送信せずに離脱してしまうリードは少なくありません。こうした「フォーム落ち」のリードに対して、翌日に同じフォームへ再度誘導するメールを自動配信することで、コンバージョンを促します。

MAツール上で「フォームに到達したがCVしていない」という条件を設定し、翌日にメールを送信するシナリオを組むことで、この施策は実現できます。その結果、メールのクリック率は55.6%と高い数値を記録し、購買意欲の高いリードに効果的にアプローチできていることが分かりました。

メールの文面はシンプルにまとめ、件名ではダウンロードのメリットを訴求し、本文ではファーストビューにURLを配置して要点のみを伝えています。さらに、シナリオを分岐させることでABテストを行い、特に重要な件名の最適化によって、さらなる改善も可能です。

この施策については以下の動画でご覧いただけます。

施策2. 集客効果を高める「3回構成のメール配信」

ウェビナーなどの集客施策では、メールを1回送るだけでは十分な成果が得られないケースも多くあります。そこで、集客メールを以下の3回構成で配信します。

1通目は全リードを対象としたメルマガ、2通目は内容を1つに絞った単独メール、3通目は開催直前に送る再案内メールです。単独メールでは「1年以内にWebアクセスがあるリード」、直前再案内では「ウェビナーLPへの着地履歴があるリード」といったように、配信対象を段階的に絞り込みます。

「何度も送ると配信停止が増えそう」と感じるかもしれませんが、セグメント配信を行うことで、配信停止率は下がり、クリック数は増加する傾向が見られました。実際、ウェビナーの平均集客比率を見ると、セグメントメールが全体の55%を占めており、メルマガ以上の集客効果を発揮しています。

各メールの参考数値

施策3. 人気コンテンツを活用した「メルマガの再送」

メールコンテンツの制作には一定の工数がかかるため、成果が出たコンテンツは積極的に再利用することが重要です。たとえば、過去に反応の良かったランキング形式のメルマガは、再送に向いているコンテンツの一つです。

通常、新規に獲得した見込み客には登録完了メールを送ったあと、次回以降のメルマガ配信から合流させるケースが一般的です。ここに、過去に人気のあったメルマガを自動で再送するフローを追加します。

この施策により、シャノンでは新規見込み客のクリック率が290%増という成果を上げています。新規リードに対して、実績のあるコンテンツを届けることで、効率的なナーチャリングが可能になります。

メールABテストの結果と改善事例4選

シャノンでは、メールのタイトルや送信タイミング、フォーマットなどについてABテストを継続的に実施し、改善を重ねています。ここでは、実際のテスト結果をもとに、メールマーケティングの成果向上につながった事例を紹介します。

事例1. タイトルは「特典あり」と「特典なし」どちらが効果的か

メールのABテスト
まずは、タイトルの事例です。メールタイトルで「特典あり」と「特典なし」でABテストを実施しました。Aのタイトルでは書籍プレゼントがある旨を明記する、Bのタイトルでは明記しないという内容です。

結果として、特典を訴求したAのほうがクリック率が245%高い結果となりました。シャノンでは何度か特典の有無でABテストを実施していますが、常に特典ありのほうが申し込み率が高く、用意ができる場合はタイトルでも訴求することをおすすめします。

事例2. タイトルは「成功押し」と「失敗押し」どちらが成果につながるか

メールのABテスト

自社ウェビナーの集客メールにおいて、「成功押し(ポジティブ)」と「失敗押し(ネガティブ)」でABテストを実施したところ、クリック率は変わらないがBのほうが申し込み率が高いという結果となりました。理由として、不安感といったネガティブな感情は「回避したい」という強い思いが生まれることから、最後のコンバージョンまでにつながったと考えられます。

事例3. メールの送信タイミングは「朝・昼・夜」どれが最適か

メールのABテスト

次に、送信するタイミングについてのテスト結果です。朝昼夜のタイミングでメールの結果が変わるかを検証するため実施に至りました。検証方法としては、タイトル・本文が同じメールテンプレートを用いて、はじめに昼(12:00)と夜(19:00)、次に結果の良かった方と朝(7:00)で同様にABテストを実施しました。

結果として、昼の方が夜に比べ申込率が180%高く、朝の方が昼に比べ申込率が470%高い結果となりました。9:00頃から働く人が多く、出勤してすぐのタイミングでメールをご覧になるため朝が一番申込率が高くなったと考えています。なお、過去に実施したシャノンの検証では、10:00以降の配信ですと昼に近い結果となっています。この結果を受けて、シャノンでは朝の時間帯にメルマガ配信を実施しております。

事例4. レイアウトは「目次あり」と「目次なし」どちらが効果的か

メールのABテスト

レイアウトについては、メルマガの冒頭に目次あり/なしを比較した結果、「目次あり」が優れた結果となりました。ファーストビューに目次が必要な理由として、メールを開く人は、「すべての内容をすぐに知りたい方」や「タイトルの内容がすぐ知りたい方」がいるため、求める内容をすぐ入手してもらうためとシャノンでは考えています。

商材や業態によって顧客層は違い、見られるポイントも違うので、自社の環境でメール配信をしながらABテストを行うことで改善を進める必要があります。

以下は、ABテストの事例を紹介するウェビナーのアーカイブ動画です。
メルマガ担当者の「知りたい」を検証 | 1ヶ月間毎日メールを送ってわかったABテストの結果一挙公開

メールマーケティングに関するよくある質問

Q1. メールマーケティングとメルマガの違いは何ですか?

メルマガは、メールマーケティングの施策の一つです。メルマガが主に定期的な情報配信や告知を目的とするのに対し、メールマーケティングは、メルマガに加えて、ステップメールやセグメント配信、行動を起点とした自動配信などを組み合わせ、見込み客の購買意欲を高めることを目的としたマーケティング手法を指します。

Q2. メールマーケティングは今でも効果がありますか?

はい、現在でもメールマーケティングは有効な施策です。個人間のコミュニケーションではSNSやチャットツールが主流になっていますが、BtoBのビジネスシーンではメールが主要なコミュニケーション手段として使われ続けています。

Q3. BtoBのメールマーケティングで成果を出すには何が重要ですか?

BtoBのメールマーケティングで成果を出すためには、ターゲットと目的を明確にし、検討段階に応じた情報を継続的に提供することが重要です。あわせて、件名や配信タイミングの最適化、メールとランディングページの一貫性、KPIをもとにした改善、MAツールを活用した自動化などを行うことで、商談化や受注につながりやすくなります。

まとめ

メールマーケティングとは、メールを通じて見込み客や顧客と継続的にコミュニケーションを行い、関係構築や購買意欲の向上を図るマーケティング手法です。特にBtoBでは、検討期間が長く、複数の関係者が意思決定に関わるため、検討段階に応じた情報提供ができるメールマーケティングが重要な役割を果たします。

成果を上げるためには、メルマガ配信にとどまらず、ターゲットや目的を明確にした配信設計、KPIをもとにした改善、メールとランディングページの一貫性、ABテストによる最適化などを継続的に行うことが欠かせません。また、MAツールを活用することで、リード管理やシナリオ配信を自動化し、効率的かつ高度なメールマーケティングを実現できます。

メールマーケティングは「今も使われている手法」であるだけでなく、工夫次第で成果を伸ばし続けられる施策です。自社の目的やフェーズに合った方法で取り組み、改善を重ねながら、商談化・受注につなげていきましょう。