One to Oneマーケティングとは? MAで効率化できるその具体的手法を解説

ne to Oneマーケティングとは? MAで効率化できるその具体的手法を解説

One to Oneマーケティングとは、顧客一人一人に合わせたアプローチを実施するマーケティング手法です。1to1マーケティングと表記することもあります。

たとえばBtoBマーケティングでは、以下のような施策を「One to One」で実施します。

  • メール配信
  • Web表示のパーソナライズ
  • キャンペーンの案内

一人一人に合わせて施策を実施すれば当然手間ひまがかかります。それを自動化してくれるのがMA(マーケティングオートメーション)です。

今回は、MAによって実現できるOne to Oneについて解説し、後半ではシナリオ機能を使ったOne to Oneマーケティングの具体例をご紹介します。

One to Oneマーケティングとは?

One to Oneマーケティングとはどんな方法か、メリットやデメリットは何かについて確認します。

One to Oneマーケティングとは何か、マスマーケティングとの違いは?

One to Oneマーケティングとは言葉の通り、1対1のコミュニケーションをとるマーケティングの方法です。

One to Oneマーケティングでは、見込み客や顧客一人一人に対して最適化されたマーケティング施策を実施します。

One to Oneマーケティングは、マスマーケティングと対比されます。

マスマーケティングとは、不特定多数へ情報を届けることです。

具体的には、「4大マスメディア」といわれるテレビ・ラジオ・新聞・雑誌、および街中の看板などを使った広告をメインとするマーケティングです。

マスマーケティングは、商品やサービス、企業をできるだけ多くの人に「知ってもらう」ために役立ちます。

一方、One to Oneマーケティングは、一人一人に適切な情報を届けることで、その商品を顧客に「自ら選んでもらう」ことが目的です。

マスマーケティングはアウトバウンドマーケティングマーケティング、One to Oneマーケティングはインバウンドマーケティングに近いとされるのはこうした点です。

参考:BtoBに必須の「インバウンドマーケティング」。その基本から最新事情までを解説!

One to Oneマーケティングが必要となった背景

今なぜOne to Oneマーケティングが必要とされているのか、その背景として以下が挙げられます。

顧客ニーズの多様化
消費者のニーズや価値観は多様化しています。 ファッションを例にとると、色やデザインのテイスト、ブランド、価格帯などのほかに最近は「SNSで注目された」「環境に配慮された製品か」などの価値基準も加わり、さらに多様化がすすんでいます。 このため、一人一人に合わせた情報発信が必要とされるようになりました。

インターネット環境の進化
一人一人に合わせたマーケティングが有効であっても、インターネットが普及する前にはそれは困難でした。 しかしインターネット上で個々のユーザーの情報が得られるようになりました。 匿名のユーザーのWebサイト閲覧履歴があればそれに関連する広告を表示させることができ、会員登録されるECサイトなどでは顧客情報に紐づけた履歴に対応した個別メール配信が可能です。 このようにインターネット環境が整い、One to Oneマーケティングが可能になりました。

One to Oneマーケティングのメリット

嫌われるリスクを減らせる
BtoC、BtoBを問わず、顧客は売り手からの過剰なメールに辟易しています。 自分にとって不要な情報を頻繁に届ける企業に対してはマイナスの感情を抱きかねません。 相手の状況に合わせるOne to Oneマーケティングでは相手が望まない情報を届けて嫌われてしまうリスクを減らすことができます。 前述した「インバウンドマーケティング」の「顧客主導」の考え方にも通じます。

マーケティングの費用対効果が上がる
マスマーケティングは多額の広告費を要します。 一方、必要とする人だけに絞り込んで情報を届ける、あるいはターゲットを絞り込んで広告配信するといった手法をとるOne to Oneマーケティングは限られた予算内で効果を上げられる可能性が高くなります。

LTV最大化に役立つ
見込み客の段階から顧客になったあとまで一人一人の履歴を蓄積しフォローを続けて信頼関係を築き、顧客や企業の「ファン化」をはかります。 このような中長期的なOne to Oneマーケティングの施策は、顧客一人あたりのLTV最大化に有効です。

参考:LTVとは?BtoBマーケティングにおけるLTVの重要性と施策を解説

One to Oneマーケティングの実践とMAの使い方

One to Oneマーケティングの具体的な施策と、その実践に欠かせないMAについてまとめます。

One to Oneマーケティングの手法

One to Oneマーケティングの具体的な手法として、以下が挙げられます。

リターゲティング広告
自社のサイトを一度訪れたユーザーが別のWebページを見ているときに自社の広告を表示させるのがリターゲティング広告です。 また、性別、年代、居住地域などが推定できる匿名ユーザーに対しても広告を表示させます。リターゲティング広告はディスプレイ広告として配信されます。

参考:ディスプレイ 広告で成果を上げるには?きめ細かな効果測定がポイント

レコメンデーション
ECサイトでショッピングをするとき「この商品もおすすめ」などのコメント付きで表示される商品群がレコメンデーションです。レコメンド(おすすめ)の方法は大きく分類すると以下4パターンです。

レコメンデーションの分類方法具体例
ルールベース一定のコンテンツ群から勧めるAを購入した人にBを勧める
コンテンツベース一定のコンテンツ群から勧めるAと同じ商品群のA‘を勧める
協調フィルタリング多数のユーザーの購入履歴から勧めるAを購入した人は、Cも購入しています
ベイジアンネットワーク購入履歴やユーザー属性、その他の条件をもとに「次に購入する可能性」を計算して勧めるあなたへのおすすめはXです

   

レコメンデーションは、レコメンドツールまたはレコメンドエンジンなどと呼ばれるツールを導入して実施します。

Web接客
Web接客とはWebを訪れたユーザーに対して接客のような役割をする機能で、専用ツールを導入して実施します。大きく分けてポップアップ型とチャット型があります。
ポップアップ型は、画面のなかにポップアップで情報を表示させる方法です。視認性が高いですが、多用すると閲覧のストレスになるので、タイミングをはかって重要なメッセージを出すよう設定します。
チャット型は、チャット画面を表示させてユーザーからの質問に回答して接客します。
接客は人が行う場合とAIが行う場合があります。

LPのパーソナライズ
検索や広告を経てユーザーが最初に見るページがLP(ランディングページ)です。 LPのパーソナライズとは、ユーザーの閲覧履歴などの情報をもとに表示させるページを出し分けすることです。パーソナライズの条件として以下があります。

  • 訪問回数・・・Webサイトを初めて訪れたか、リピーターか。2度目以降の場合、過去にはどんな行動をとったか
  • 流入元・・・自然検索・SNS・広告などの流入元でどんな内容を見てきたか
  • ユーザー属性・・・ユーザーが過去に見た履歴などから推定されるユーザーの属性
  • 使用デバイス・・・PC・タブレット・スマートフォンのうち何で閲覧しているか

LPについては以下の記事でくわしく解説しています。

参考:BtoBリード獲得のために不可欠なランディングページの最適化。LPの改善をどう進める?

One to Oneメール
顧客一人一人に対して個別最適化したメールを配信するのがOne to Oneメールです。
たとえば新規登録者向け、既存顧客向け、休眠顧客向けなどで異なる内容のメールを配信します。
購入履歴によってメール配信するタイミングや頻度を変えることもあります。
また、顧客のアクションを起点として、一定のシナリオに沿った複数のメールが順番に配信されるよう設定することもありますが、これをステップメールといいます。

参考:売上をつくる決め手「ステップメール」とは?その効果的な運用方法

上記以外に、「特定の見込み客限定のセミナーを案内する」「関心の高い見込み客にインサイドセールスが連絡をとる」「DMを送る」といった、オフラインの方法もOne to Oneマーケティングの施策に含まれます。

One to Oneマーケティングのために、MAでできること

顧客一人一人に対して最適なマーケティング施策を行うOne to Oneマーケティングは、MA導入によって効率よく、かつ着実に実施することができます。

One to OneマーケティングのためにMAでできることは以下の通りです。

各施策をMAで効率化・自動化できる
上記で紹介したようなOne to Oneマーケティング施策のうちいくつかは、MAで効率化・自動化できます。
たとえば、メール配信ではとその開封率やURLクリック率がわかります。
また、「Webパーソナライズ機能 」により、LPを訪れる獲得済みリードの過去履歴によってポップアップを含めた表示を出し分けできます。
マスマーケティングよりも作業量が多いOne to Oneマーケティングですが、MAによりかなりの部分を自動化できます。

One to OneマーケティングのベースとなるデータをMAで収集・整備できる
匿名ユーザーに対するOne to Oneマーケティングも可能ですが、メールアドレスを取得してOne to Oneのコミュニケーションを図る施策がより有効です。
特に見込み客の検討期間が長いBtoBではリードを収集する「リード・ジェネレーション」が重要です。
多くのMAツールにはメールアドレスの収集に効果的なランディングページ作成やホワイトペーパーの作成を支援する機能があります。
また、収集した見込み客の情報をもとに施策で成果を上げるには「データクレンジング機能」も不可欠です。

参考

One to Oneを含む多様な施策を組み合わせて実行し、一元管理できる
たとえば、見込み客向けウェビナーの案内メールを送付したとき、「開封してウェビナーに申込」「開封してWebを閲覧したが未申込」「開封のみ」「未開封」と反応が分かれます。

  • 申込があったリードに対してはインサイドセールスから電話連絡
  • 申込はなかったが一定の興味を示したリードに対しては違う日程のウェビナーを案内
  • 未開封のリードに対しては動画案内メールなど別の切り口で連絡をとる

というように、各種の施策を組み合わせたOne to OneマーケティングをMAで効率化できます。

また、Web広告の反響やオフラインの名刺交換なども含めて一元管理ができます。さらに、リードの反応や行動履歴をすべて数値化して「ホットリード」を抽出する「スコアリング」もMAならではの機能です。

上記のように見込み客の反応を条件として分岐して異なる施策を実施する設定を、MAでは「シナリオ機能」で行います。このあと、シャノンのMA「マーケティングプラットフォーム」で実施するシナリオの活用例をご紹介します。

BtoBにおけるOne to Oneマーケティングの具体例

シャノンのマーケティングプラットフォームの「シナリオ機能」で組み立てるOne to Oneマーケティングの具体例をご紹介します。

Webを訪れた新規顧客へのOne to Oneアプローチ

購入の意欲があるユーザーは会社名や製品名で検索してWebサイトを訪れたとき、まず社内関係者に共有し、検討材料となる資料を必要としています。初めて訪れた新規ユーザーに対しては、ポップアップで資料請求へ誘導。資料ダウンロードをしてくれた場合は営業でフォローします。以下のシナリオの左の部分です。



一方、資料請求を行ったがその後しばらく接点がなく、一定期間ののち2度目のWebサイト来訪となったリードに対しては、さきほどと同じ画面でポップアップ表示により「製品動画を見る」へ誘導 します。図の右の部分です。



シャノンのMAでは、リードの動画視聴履歴が記録されるので、未視聴リードに対してはフォローメールを配信、視聴済リードに対しては営業フォローへ進みます。



このように、同じ新規顧客、見ているのは同じWebサイトでも求めているものが違うことを理解して、シナリオを活用したに基づきOne to Oneマーケティングを実施します。

クロスセルを促す既存顧客へのアプローチ

「製品を使い続けている既存顧客は、ベンダーの他の商材についてあまり知らない」という現状で、顧客企業の個別課題を解決するのに役立つ他商材の情報を届けるための施策です。



まず顧客にアンケートを実施します。アンケートに回答してくれた顧客に特典を提供したり、カスタマーサクセスがヒアリングしたりしてできるだけ回答を集めます。

アンケート結果をもとに、製品Aの認知がない顧客には製品Aのバナー、製品Bの認知がない顧客にはBのバナーを表示します。

アンケートの実施は少し手間ですが、顧客の興味範囲という貴重な顧客データが得られ、それをもとに効果的なOne to Oneマーケティングを実施できます。

以上のように、BtoBのOne to Oneマーケティングでは多様な施策を効果的に組み合わせて、自動化して実施できる「シナリオ」が有効です。

※シャノンのシナリオ機能で、複雑な分岐も簡単に設定・自動化できます。

まとめ

本稿のポイントは以下の3点です。

1. One to Oneマーケティングとは、顧客一人一人に合わせて最適化した施策を実施するマーケティング方法です。BtoBにおいてMAを使ったOne to Oneマーケティングが有効です。

2. One to Oneマーケティングがの具体的な手法として以下があります。

・リターゲティング広告
・レコメンデーション
・Web接客
・LPのパーソナライズ
・One to Oneメール

3. MAのシナリオ機能で複数の施策を組み合わせたOne to Oneマーケティングを実施できます。MAで各施策の効果測定や一元管理も行います。