メルマガ開封率の平均はどれくらい?タイトル例や開封率を上げる7つの方法を解説

「メルマガ」は古くからある手法ですが、BtoBマーケティングでは今も有力な販促手段。
メルマガの開封率を上げることは、メールマーケティングはもちろん、マーケティング戦略の全体にとっても重要です。

今回は、メルマガの開封率の計算方法や平均値を確認し、必ずやっておきたいメルマガの開封率を上げる7つの方法を基本から解説します。後半では、シャノンで効果を上げたメルマガのタイトル例もご紹介します。

メルマガの開封率の計算方法と平均値は?

メルマガの開封率はどれくらいを目指せばいいのでしょうか。計算方法も確認しておきます。

メルマガの開封率の計算式は?

メルマガの開封率は、以下の計算式で算出します。

開封率 = 開封数 ÷ メール到達数 × 100%
( メール到達数 = 送信メール数 - 不達数 )

メールの開封数は、「HTML形式のメルマガで画像が表示されたか」により計測することができます。
メール到達数は、全メルマガの送信数から不達となったメールの数を引いた数です。

メール開封率は、「開封した」ことを計測しているのみなので、受信者がその内容まで読んだかどうかはわかりません。しかし、メルマガの効果を測る目安になります。

ほかに、メルマガが読まれたかを知る方法として、「クリック率」があります。メール本文中に記載されたURLをクリックしてWebサイトなどに移動したユーザー数を測定するものです。
今回は「開封率」に絞って解説していきます。

クリック率やメール施策全体については、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:メールマーケティングの種類や手法を解説。180%集客がアップした、メールマーケティングのコツもご紹介!

メルマガの開封率の平均値はどれくらい?

メルマガの開封率の平均的な値は、約20%です。

この数字は、BtoBの一般的な見込み客リストへメルマガを配信したときの開封率の目安です。

実際の開封率は、業種や企業が扱う商材によってもかなり違ってくるので、10%~30%程度の幅があります。また、配信数が増えていくと開封率が下がる傾向、送信元の認知度が高くブランド力があれば開封率が上がる傾向があります。

大事なことは、開封率の絶対値ではなく、「開封したくなるメルマガ」を作成して開封率を上げ、購買意欲の高い見込み客を増やし、マーケティング施策をトータルで成功させることです。

メルマガ開封率のKPIをどう設定するか

メルマガ開封率は、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)として活用されます。簡単にいうと、メルマガ施策の目標設定に使われます。

KPIとはマーケティング活動を評価する指標で、施策ごとに様々なKPIがあります。
参考:KPIとは?設定方法、KGI、KSFとの関係性も解説。かんたんにKPI設定 ができるExcelシート付!

メルマガの開封率をKPIとする場合、たとえば以下のように設定します。

現在のメルマガ開封率が20% → KPI:25%

さらに、見込み客(リード)を興味関心の度合いでセグメント(分類)して、以下のようにターゲット別に開封率KPIを設定することもあります。

  • 購入意欲の高いリード:30%
  • 興味・関心を示している段階のリード:25%
  • 購入意欲の低いリード:15%

参考:セグメントとは?意味や目的、分類方法、シャノンの事例「セグメントメール」も解説!

BtoBマーケティングでメルマガの開封率アップが重要な理由

BtoBマーケティングにおいては現在も「メルマガ」が重要です。その理由として以下が挙げられます。

1. メールは企業担当者の主要なコミュニケーションツール

ビジネスシーンにおいては、外部とのコミュニケーションツールは今もメールです。毎日一定の時間をメールチェックに充てることが一般的です。
少なくともメールのタイトルや発信元が相手に読まれる可能性が高い「メルマガ」は、マーケティングの手段として非常に有効です。

2. 長期的なフォローに適している

BtoBでは商材を認知してから購入するまでの期間が長く、1年以上ということもあります。

今すぐ購入する意思がなくても、今後購入する可能性がある場合、企業担当者はその商材に関する情報を得ることにメリットを感じるでしょう。そんな担当者にとって、定期的に情報が届くメルマガは有効です。
顧客企業の状況が変化して具体的に購入を検討するときまで、見込み客をつなぎとめておくことができます。

3. 効果測定がしやすい

メールマガジンはHTML形式にすることで開封率を計測できます。前述したように、定期配信するメールの開封率は、BtoBマーケティングのKPI(指標)として有効です。
開封率を指標としてメルマガ施策を改善することは、BtoBマーケティング活動に欠かせません。

4. BtoBではメールマーケティングが重要

BtoBマーケティングでは、見込み客を購買のフェーズごとに分類してOne to Oneのマーケティングを行うことが一般的です。
メルマガ送信においては、以下のような施策が考えられます。

  • 購入意欲の高い見込み客に対しては、具体的な商材についてのメールをお送りする・興味・関心フェーズの見込み客に対しては、導入事例といったお役立ち情報をお送りする
  • 今のところ購入の意思があまりない相手に対しては、メルマガの頻度を下げる

このようなメール施策で成果を上げるためにも、まず全体の「開封率を上げる」ことが不可欠です。

以上のような理由から、BtoBのマーケティングではメールの開封率を上げる対策を十分に行っていく必要があります。このことは、「迷惑メール」に振り分けられる率や配信停止率を下げるためにも有効です。

次に、メールの開封率を上げるための方法を解説していきます。

メルマガの開封率を上げるための7つの方法

シャノンのマーケティングチームでもメルマガを配信しています。
チームメンバーがメルマガ施策を行ってきた経験をもとに、効果を期待できる、開封率を上げる7つの方法をご紹介します。

1. メルマガで一番重要なのは「タイトル」

まず、開封したくなるタイトルにすることが重要です。
シャノンのマーケティングチームでは、毎回20~30ほどの候補を挙げ、最もよいタイトルを決定します。
メルマガを配信するたびに、毎回タイトルを考えるのは手間がかかる作業ですが、ここは省略できません。
以下の点をおさえましょう。

タイトル付けの基本を押さえる
メルマガのタイトルには、以下のような基本ポイントがあります。毎回、これらを意識してタイトルを作成しましょう。

タイトルについては、以下の記事でも詳しくご紹介しております。
※関連記事:メルマガとは?基礎知識から効果的な配信方法、成果に繋げるポイントを紹介!

ABテストでタイトルの有効性を測定
好まれるメールのスタイルは業種や商材によっても違います。
定期的なABテストを行うことにより、自社の顧客にとって「開封されやすいタイトル」は何か、測定することが有効です。

ABテストとは、AとBの2パターンを同時に実施して効果測定することです。
リストの半分にはタイトルA、もう半分にはタイトルBでメルマガを配信し、実際の開封率を比較します。

ABテストについては以下の記事でくわしく解説しています。
※関連記事:ABテストとは?メリット・デメリットや具体的な進め方を解説。ツールや事例も一挙紹介!

開封率が上がるタイトルのパターンを押さえる
「開封したくなるタイトル」には、ある程度知られた法則性があります。それを踏まえてABテストや日常的なメルマガ運用を実施していくなかで、有効なタイトルのパターンがだんだんわかってきます。

以下は、シャノンがメルマガ運用の実績をもとにしたタイトルの具体例です。

タイトルのパターンと具体例
AIを活用する
作業工数が多く、マーケティングチームが苦労してきたメルマガのタイトル作成ですが、ChatGPTを活用して効率化することができるようになりました。
シャノンでも文章の生成が必要となるマーケティング施策への活用を始めています。

以下の記事では、メルマガのタイトル作成に役立つChatGPTのプロンプト例を紹介しています。
参考:ChatGPTで業務効率化しよう!今すぐ使えるシャノンオリジナルプロンプトも紹介

2. メールの差出人を明記し、ときには使い分ける

受信メールを確認するとき、タイトルとともに目に入るのは「差出人」の項目です。

特にBtoBのメルマガでは、信頼できる送信元であることを明示する必要があります。
受信メール一覧の送信元に表示される差出人名には、会社名や商材名が明記されるようにします。
また、差出人名はあまり変更せず、同じ発信元名を継続して使用します。内容によって複数の送信元を使い分けることは可能です。

シャノンでは、以下のような2つの送信元からメールを配信しています。

  • 一般的なメルマガの発信元は「シャノン ブログ編集部」
  • ウェビナーの案内とそれに関連する情報は「シャノン ウェビナー事務局」

また、特に重要な案内をするときには、会社名と個人名を送信元に記載した別の形式のメールを送信することもあります。

3.  メールを配信する「曜日」と「時間帯」は?

メルマガの開封率が高い曜日と時間帯はあるのでしょうか。
シャノンでは、平日の営業日は曜日問わずメルマガを配信していますが、開封率に大きな差は特に見受けられません。

また、時間帯についてはやや早めの朝、7:00~8:00頃に送信しています。この時間帯に実績を得られているのは、朝のメールチェックで見てもらえる確率が高いからだと考えられます。

このほかに、シャノンでは土日のメール送信を実施することもあります。平日よりはやや開封率が低いものの、一定の開封率があります。
土日のメルマガの開封率は平日と比較して15%程度低いですが、主に週末にメールを見る習慣がある、平日とは別の顧客層に見てもらえる可能性もあります。

注意点もあります。メルマガを大量に配信するときはシステムの都合上、時間がかかることもあります。最適な時間帯から外れることなくメールを届けるためには、メール送信にかかる所要時間をチェックしてスケジューリングしましょう。

4.  「このメルマガを読んで損はない」と思わせる、優良なコンテンツを提供

メルマガの内容が毎回PRと興味のない話題ばかりだったら、読む気を失くしてしまうでしょう。逆に一度読んで面白いと思ったメルマガは、次回も開封する確率が高くなります。中長期的に開封率を上げていくためにはメルマガの内容も大事です。以下のポイントを意識しましょう。

誤字脱字がなく読みやすい文章
誤字脱字はを減らすために、メルマガ原稿の誤字脱字や内容の間違いがないかどうかの第三者チェックはとても重要です。
また、文章がわかりやすく読みやすいことも不可欠です。書くことが苦手な方は、できるだけ難しい言葉を使わず、はじめて読む人にも伝わる「わかりやすさ」に重点をおいて執筆しましょう。

不要なコンテンツを送信しない
「役に立つコンテンツを届ける」ための前提として意識しておきたいことが、「リードにとって不要な情報を送信しない」ということです。
1回のメルマガの情報量が多すぎるのも避けましょう。「今欲しい情報だけが届く」こどが最も効果的です。

「調査レポート」のような、他で入手できないコンテンツを提供
他では入手できない、オリジナリティの高い情報を提供することに価値があります。

たとえば、「自社のマーケティングチームがメールを配信した結果、企業担当者は何曜日、何時頃に反応が高かったのか。」 といったレポートは、マーケティングチームであれば作成することができ、BtoB企業にとっては関心が高いと思われます。

また、セミナー/ウェビナーのレポートも有効です。セミナー/ウェビナーの開催状況をレポートするだけでなく、「参加者アンケートから見えてきた、多くのお客様の困り事とは」「セミナー/ウェビナーの書きおこしレポートがダウンロード可能」というように、役立ちそうなコンテンツは数回に分けて提供していくことがおすすめです。

書き出しで時事的な話題と結びつけるなど、多様な切り口で見せる
多くのリードの興味・関心を引くという観点から、時事的あるいは普遍的な話題を取り入れることも有効です。ただし、メール本文の内容に合った話題を選びましょう。

たとえば現在ならAIやBtoBのTVCMなどが話題になっているので、メールの内容にリンクできそうであれば、導入で時事的なワードを取り入れることも効果的です。

また、普遍的な話題を取り入れるという手法もあります。たとえば「SDGs」です。「BtoB企業がSDGsにどう取り組むか」といった、多くの企業に共通する課題に言及することも有効です。

継続性が重要
メルマガは、「毎週火曜日の朝9時に配信」といった一定のルールのもと、定期的な配信を継続していくことが大切です。同じタイミングで継続的に配信することにより、受信する側の認知度も高まります。

5. ターゲットを絞り込み、必要な情報だけを届ける

メルマガが多すぎると「迷惑メール」に振り分けられる可能性があります。それを避けるため、送信対象を属性や購入意欲の度合いでセグメントして、相手が必要とする情報だけを届けることが有効です。

以下はターゲットごとに異なるメールを配信する一例です。

セグメント別メール配信例

リードの分類     リードの状況 配信するメールの内容
ホットリード セミナー/ウェビナー参加や資料ダウンロードなどの履歴があり購買意欲が高い
  • 期間限定の無料トライアルキャンペーンの案内
  • オンラインデモの案内
ウォームリード Webアクセス履歴など、ある程度の関心・興味がある
  • 導入事例やお役立ち情報など、一般的なメルマガ
  • セミナー/ウェビナーの案内
コールドリード 一定期間Webアクセスのない休眠状態 メールの配信頻度を下げて、一般的なメルマガを配信

 

このようなセグメントメールには難しさもあります。
リードの状態がコールドからウォーム、ホットへ、またその逆へと変化したとき、速やかにそれを計測して再分類する必要があるからです。

このような施策のためには、リードの行動履歴を自動で取得できるMAが有効です。

シャノンのMAでは、リードの行動履歴をもとに興味度合いを振り分けることが可能です。
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6. 送信先リストの定期的なクレンジングを行う

メルマガを送信する見込み客リストには、Webサイトに録されたメールアドレス、ウェビナーの申込者、営業担当者が名刺交換した方などがあります。

気を付けたいのは、異なるソースから入手したリードに重複があるかもしれないということです。「株式会社ABC」と「(株)ABC」が別のリードとして登録されるような場合です。
このリストにそのままメルマガを送付すると、一人の人に同じメールが2通送られてしまいます。

これを避けるため、リストは定期的に「名寄せ」などのデータクレンジングをすることが大事です。

データクレンジングの方法については、以下の記事でくわしく解説しています。
参考:データクレンジングとは?マーケティング施策成功のために欠かせないデータクレンジングの手順

7. 開封率を検証して、メルマガの改善を続ける

定期配信するメルマガの開封率を計測すると、数値には上がり下がりがあります。

開封率が高かったメールは何がよかったのか、低かったメールは何がいけなかったのかを検証して、タイトルや配信する時間、コンテンツの改善をしていくことが大切です。
合わせて「タイトル」の解説で紹介したABテストなどを実施することにより、メルマガ全体の開封率を上げていくことができます。

まとめ

本稿のポイントは以下の2点です。

1.  メルマガの開封率の平均値はBtoBの場合、約20%です。開封率をKPIとして、数値目標を立ててメルマガ運用をしていくことが一般的です。

2.  メルマガの開封率を上げるため、以下のような方法が有効です。

  • 開封したくなるタイトルを工夫する
  • メールの差出人を明記して、ときには使い分ける
  • 曜日は平日だけでなく土日に送信することもあり、時間帯は朝がよい
  • 優良なコンテンツを提供する
  • ターゲットを絞り込み、必要な情報だけを届ける
  • 送信先リストの定期的なクレンジングを行う
  • 開封率を検証して、メルマガの改善を続ける

 

メール施策を改善していくときや、見込み客をセグメントしてターゲットごとに異なる内容のメールを送信し、メルマガ施策を強化していくとき、MAが役立ちます。

シャノンのマーケティングオートメーションは、メールの配信対象を柔軟に設定し、HTMLメールをクリック/ドロップのマウス操作で簡単に作成することができます。

さらに、配信後はメールの開封率、クリック率、停止率だけではなく、それぞれのURLを誰が/何人クリックしているかまで確認することが可能です。

製品資料ではメールのほかにもさまざまな機能をわかりやすくご紹介しておりますので、情報収集されているかたはぜひ資料をダウンロードしてください。

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関連リンク

www.shanon.co.jp

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。以下にて豊富な機能をくわしくご紹介しております。
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