
「導入したMAツールが自社に合っていない」「メール配信しか使えていない」——MAツールの乗り換えを検討する企業には、共通した悩みがあります。一方で、乗り換えには「データ移行は大丈夫か」「また失敗しないか」という不安がつきものです。
本記事では、実際にMAツールを乗り換えて成果を出した3社の事例を「乗り換え前の課題→移行の決め手→移行後の変化」の型で紹介し、乗り換えを検討すべきサイン、失敗しない手順と注意点、乗り換え先の選び方まで解説します。
| 「MAの乗り換えはデータ移行が面倒。」と思っていませんか? シャノンなら、データ移行や初期設定が円滑に進むようサポートします。 |
料金・資料を見る → |
MAツール乗り換えで成果を出した3社の事例
はじめに、MAツールの乗り換えで成果を出した3社の事例を紹介します。他社MAツールからの乗り換え2社に加え、Excel・手作業のアナログ運用からMAツールへ移行した1社を取り上げます。いずれも「乗り換え前のやり方で何ができなかったか」と「移行の決め手」が明確だった点が共通しています。
1. アイアットOEC|3社目のMAツールで商談数8倍を実現
クラウドサービスを展開する株式会社アイアットOECは、シャノンMAが3社目のMAツールです。
乗り換え前の課題
1社目のMAでは、比較サイトなどで得たリストを手作業で入力する運用が中心で、獲得リードが増えるにつれて限界を迎えました。2社目に乗り換えるとメール配信機能は向上したものの、マーケティング活動そのものの自動化は進まず、タグ管理型のデータ管理では施策のたびにタグの作成・付与・精査が発生し、少人数のチームが煩雑な作業に追われていました。
移行の決め手
決め手の1つ目は、無料トライアルの申し込みを起点に商材別の文面を自動で出し分けられるステップメール機能。2つ目は、顧客の行動が時系列で自動蓄積される「履歴自動付与」により、シャノンMAではタグ管理作業そのものが不要になること。3つ目は、自社のクラウド製品と連携できるAPIです。
移行後の変化
商材ごとのステップメールの出し分けを自動化し、手作業とダブルチェックに費やしていた時間を削減。その結果、マーケティング・インサイドセールス・営業の3部門とも人数を増やすことなく、商談数を8倍に伸ばしました。なお移行にあたっては、乗り換え業務を熟知したシャノンの営業担当が入り、旧MAツールからのデータ移行はスムーズに完了しています。「運用改善の限界を感じたらツール構造から見直す」という判断が成果につながった好例です。
参考:人数は変わらず商談を8倍に。3社目のMAツールで大きな成果が出たカギは、自動化と多彩な連携ソリューション
2. エイチ・シー・ネットワークス|2度の乗り換えでマーケ起点の受注が過去5年最大に
情報通信・ITインフラを専門とするエイチ・シー・ネットワークス株式会社は、2度のMAツール乗り換えを経験しています。
乗り換え前の課題
リード管理のための更新作業が徐々に増え、手動作業の負担が大きくなっていました。さらにリード数やキャンペーン数が増えるにつれて費用も高くなるという、コスト面の課題も抱えていました。
移行の決め手
1つ目は、シナリオやステップメールなど自動化機能が充実していること。2つ目は、キャンペーン作成数を柔軟に拡張でき、作成したキャンペーンを翌年以降も持ち越して利用できるコスト構造です。手動作業とコスト増という2つの課題に、そのまま応えられる点が評価されました。
移行後の変化
移行後はMAを「受注最大化のポータル」と位置づけ、フェーズに応じたコンテンツ配信と営業連携を強化。マーケティング起点の受注が過去5年で最大となりました。また、導入当初はZoomとの連携機能がなく、ウェビナー参加者の名寄せに手間がかかっていましたが、Zoom連携の実装により名寄せ作業そのものが不要になりました。乗り換えを「ツールの置き換え」で終わらせず、活用構想まで描き切った点が特徴です。
参考:MAを「受注最大化のポータル」に。2度の乗り換えを経て確立した、過去5年最高の成果を生む戦略
3. レイメイ藤井|Excel運用から、3社比較の末に拡張性を決め手として移行
文具・オフィス用品などを扱う株式会社レイメイ藤井は、Excelと手作業によるアナログ運用からの乗り換えにあたり、3社のMAツールを比較検討しました。
乗り換え前の課題
MAツール導入前はExcelと手作業による運用が中心で、数百名規模が来場する展示会では受付が混雑し、顧客データも拠点ごとに散在していました。実施したい施策に対して、アナログな運用体制が限界を迎えていました。
移行の決め手
比較したのは機能の一覧ではなく「将来やりたい施策に耐えられるか」という拡張性です。イベント管理まで一元的に管理できる点が評価されました。
移行後の変化
QR来場票の導入でイベント受付の人数を8名から4名へ半減させ、リアルタイムなデータ反映で当日の混乱も解消。運用工数の削減と施策の幅の拡大を両立しています。
参考:3社比較で選んだ決め手は「拡張性」。イベント受付の人数を半減し、将来のMA活用を見据えたレイメイ藤井のシャノン導入事例
なお、乗り換えに限らない業種別のMA活用事例は、以下の記事で10社紹介しています。
【業種別】マーケティングオートメーション導入の成功事例10選|成功企業の共通点とは?
MAツールの乗り換えに成功した企業の3つの共通点
3社の事例からは、乗り換えを成功させる企業に共通する準備と判断軸が見えてきます。ここでは3つに整理します。
1. 「今のツールでできないこと」を言語化している
今回紹介した企業は、「なんとなく使いにくい」だけで乗り換えを決めていません。アイアットOECなら「自動化できない業務」「タグ管理の工数」、エイチ・シー・ネットワークスなら「リード管理の手動作業の増加」「リード数・キャンペーン数に連動して膨らむ費用」。現行ツールで解決できない課題を具体的に言語化しているからこそ、次のツールの要件がぶれず、比較検討でも判断を誤りません。
2. データ移行の範囲を契約前に確定している
乗り換えで最も不安が大きいのはデータ移行です。リード情報だけを移すのか、行動履歴・メール配信履歴・フォームまで移すのか。範囲によって移行工数もスケジュールも変わります。乗り換えでは、契約前の段階でベンダーに移行範囲と支援内容を確認し、「移行できないデータ」を把握したうえで意思決定することが重要です。
3. 少人数でも回る自動化を要件にしている
MAの乗り換えでは、「同じ人数でより多くの施策を回せるか」という視点も重要です。アイアットOECが3部門とも人数を変えずに商談数を8倍にできたのは、ステップメールや履歴自動付与といった「人手を介さず回る仕組み」を要件の中心に据えたからです。機能の多さではなく、自社の体制で運用しきれるかを基準にしています。
MAツールの乗り換えを検討すべき5つのサイン
乗り換えには一定のコストと工数がかかるため、判断のタイミングを見極める必要があります。次の5つのサインに複数当てはまるなら、検討を始める時期です。
1. 必要な機能が足りない・拡張できない
事業の成長に伴い、導入時には不要だった機能が必要になるケースがあります。API連携ができない、シナリオの自由度が低い、イベント管理に対応していないなど、「やりたい施策がツールの制約で実行できない」状態が続くなら構造的な限界です。
2. 月額費用が成果に見合っていない
月額料金を払い続けているのに商談や受注につながっていない場合、費用対効果の見直しが必要です。メール配信数に応じた従量課金で、配信量が増えるほど費用が想定以上に膨らんでいるケースも該当します。なお、MAのコストは月額料金だけでなくタグ設計・保守などの運用工数(人件費)まで含めて評価するのが正確です。
コストの棚卸し手順は以下の記事で解説しています。
MAツールのコスト見直し5つの手順|料金相場と乗り換え判断基準
3. タグ管理などの運用作業に追われている
施策のたびにタグを作成・付与し、抽出条件を組み、メンテナンスを続ける。この運用が重くなり「施策を考える時間」が奪われているなら、ツールのデータ管理構造そのものがボトルネックになっています。運用の工夫では解決できない領域です。
4. SFA・営業部門とデータ連携できていない
MAで獲得・育成したリードが営業に引き継がれない、商談結果がMAに戻ってこない。マーケティングと営業が別々のデータを見ている状態では、リードの質の改善サイクルが回りません。SFA・CRMとの双方向連携ができるかは、乗り換え判断の大きな分かれ目です。
5. サポートに相談しても課題が解決しない
問い合わせへの回答が遅い、活用提案がなく操作説明だけで終わる、といった状態では、ツールを使いこなす前に運用が停滞します。MAは導入後の改善で成果が決まるため、サポート品質は機能と同等に重視すべき要素です。
乗り換え先MAツールの選び方|タグ型と履歴型の違いに注目
乗り換え先を選ぶ際は、機能一覧の比較だけでなく「今の課題を解消できる構造か」に注目してください。同じ課題を繰り返さないための、構造レベルの判断軸です。ここではその一例として、データ管理の考え方の違いを見ていきます。
データ管理の考え方を「タグ型」と「履歴型」で比較する
MAツールのデータ管理の方法にはさまざまな考え方があります。本記事では違いを理解しやすくするため、「タグ型」と「履歴型」という2つの考え方に分けて比較します。
顧客の行動に「セミナー申込」「資料DL」などのタグを付与し、その組み合わせでリストを抽出する考え方が「タグ型」です。手軽に始められる一方で、施策のたびにタグが増え、タグだけでは時系列の行動把握がしづらくなる場合があります。
一方の「履歴型」は、顧客の行動を時系列の履歴としてそのまま蓄積し、抽出条件を後から自由に設定・変更する考え方です。たとえばシャノンMAでは、行動履歴を蓄積することで、タグを作成・付与する運用を必要としません。
分かりやすさ・初期設計・抽出の柔軟性・PDCAスピードの4軸で比較する
両者の違いは、次の4つの軸で整理できます。
どちらが優れているという話ではなく、タグ型は「関心が一目で分かる」こと、履歴型は「あとから条件を変えられる」ことに強みがあります。自社の施策の変更頻度と運用人数に照らして選んでください。
現行ツールで「タグ設計をやり直したい」「あの時タグを付けておけば」と感じた経験があるなら、履歴型への乗り換えで構造ごと解消できる可能性があります。
タグ管理の限界と履歴型の仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。
MAツールのタグ管理が限界を迎える5つの理由|履歴型MAで解決する方法
データ移行・乗り換え支援の体制を確認する
方式の比較と並んで確認したいのが、ベンダーの移行支援体制です。リードデータの移行をどこまでサポートしてくれるか、初期セットアップやオンボーディングトレーニングは含まれるか、移行中に質問できる窓口はあるか。乗り換え支援の実績が豊富なベンダーであれば、移行時のつまずきどころを先回りして案内してくれます。
今のツールで一番つらいのはどれですか。近い状況をタップすると、乗り換え先を選ぶときに確認すべきポイントが表示されます。
MAツール乗り換えの手順5ステップ

乗り換えは、契約から切り替え完了まで約2か月、余裕を持つなら3か月程度を見込んでおくとスムーズです。実際にシャノンが支援したリプレイス案件では、契約から約2週間で新環境の構築とリードデータの移行、1か月半でWebフォームの差し替えとトラッキングタグの埋め込み、2か月目にメール配信を開始して旧ツールを解約——というスケジュールで移行が完了しています。
シナリオやウェビナー連携など優先度の低い機能は3か月目以降に段階導入する形です。この全体像を踏まえ、手順を5つのステップに分けて解説します。
1. 現行ツールの課題を洗い出す
最初にやるべきは、新ツールの情報収集ではなく現状の棚卸しです。「できていない施策」「工数がかかっている作業」「営業から出ている不満」を書き出し、ツール起因の課題と運用起因の課題を切り分けます。ここが曖昧なまま進めると、乗り換えても同じ壁にぶつかります。
2. 乗り換え先に求める要件を決める
洗い出した課題をもとに、必須要件と歓迎要件を分けて定義します。データ管理方式(タグ型/履歴型)、SFA連携、メール配信数の上限、サポート範囲、そして予算。この段階で「データ移行の範囲」も要件に含めておくと、後の比較検討が具体的になります。
3. 複数ツールを比較して選定する
要件が固まったら、2〜3社に絞って比較します。機能表の◯×だけでなく、デモやトライアルで実際の操作感を確かめ、自社の運用体制で回しきれるかを見てください。
ツール選定の観点は以下の記事で詳しく解説しています。
MAツールの選び方を徹底解説!自社に合う製品の見極め方とおすすめ6選
4. データ移行の範囲と計画を決める
移行するデータ(リード情報・企業情報・配信リスト・フォームなど)と移行しないデータを確定し、スケジュールに落とします。あわせてDNS設定(SPF/DKIM/DMARC)などメール到達性に関わる作業も計画に含めてください。ここを漏らすと、新環境からのメールが届かないトラブルにつながります。
5. 並行運用を経て切り替える
新環境の構築後、すぐに旧ツールを解約するのではなく、必要に応じて並行運用期間を設けます。フォームの差し替え、メール配信のテスト、リードデータの整合性確認を終えてから旧ツールを解約する流れにすると、リードの取りこぼしを防げます。
MAツールの乗り換えで失敗しないための3つの注意点
手順どおりに進めても、見落としがちな落とし穴があります。特に多い3つを押さえておきましょう。
1. 契約期間の重複による二重払いを防ぐ
現行ツールの契約更新日を確認せずに進めると、並行運用期間が長引いて二重払いが膨らみます。更新日から逆算して乗り換えスケジュールを組む、または乗り換え時の費用負担を軽減するキャンペーンやプランがないかベンダーに確認してください。
2. 移行できないデータがないか事前に確認する
ツールによっては、行動履歴やスコアリングデータが移行できない場合があります。「移行できると思っていたデータが移せなかった」は乗り換えトラブルの典型です。契約前にデータのエクスポート形式と移行先の取り込み可否を必ず突き合わせてください。
3. 運用改善で解決できる課題か見極める
すべての課題が乗り換えで解決するわけではありません。コンテンツ不足や社内体制の問題は、ツールを替えても残ります。逆に、タグ管理の工数やAPI連携の制約のような構造的な課題は運用の工夫では解決できません。「運用で直せる課題か、構造の課題か」の見極めが、乗り換え判断の最後のチェックポイントです。
シャノンMAなら「乗り換えの5つのサイン」をこう解決できる
シャノンMAは、累計3,000社に導入されている国産MAツールです。本記事で挙げた5つのサインに対して、次のように応えます。
他社MAからの乗り換え支援も行っており、乗り換え業務に慣れた担当者が、初期セットアップからリードデータ移行までサポートします。詳しくは以下をご覧ください。
| 「MAの乗り換えはデータ移行が面倒。」と思っていませんか? シャノンなら、データ移行や初期設定が円滑に進むようサポートします。 |
料金・資料を見る → |
MAツールの乗り換えに関するよくある質問
まとめ|乗り換え事例から自社の「移行の決め手」を見つけよう
本記事では、MAツールの乗り換えで成果を出した3社の事例と、乗り換えを検討すべきサイン、手順、注意点、選び方を解説しました。
3社に共通していたのは、「今のツールでできないこと」を言語化し、それを解決できる構造を持つツールを選んだことです。商談数8倍という成果は、ツールを替えたから出たのではなく、課題と選定理由が一致していたからこそ生まれています。
乗り換えを検討しているなら、まずは現行ツールの課題の棚卸しから始めてください。そのうえで、タグ型/履歴型というデータ管理の構造まで踏み込んで比較すれば、「また使いこなせなかった」という失敗は避けられます。












