
「MAを入れると何がどう変わるのか」「その効果は費用に見合うのか」。マーケティングオートメーション(MA)の導入検討でつまずくのは、ツール選びよりもこの2つを社内に説明できないところです。原因は、効果を測るKPIと費用対効果の計算式を決めないまま検討を進めてしまうことにあります。
この記事では、MAツールの導入効果を3つに整理したうえで、実際に出た数字、効果測定に使うKPI、費用対効果の試算手順、部門別の伝え方まで解説します。読み終えたときに、自社にとっての導入効果を数字で語れる状態になることがゴールです。
| 「MAの乗り換えはデータ移行が面倒。」と思っていませんか? シャノンなら、データ移行や初期設定が円滑に進むようサポートします。 |
料金・資料を見る → |
MAツールの導入で得られる3つの効果
MAツールの導入効果は、「業務工数の削減」「部門間連携の強化」「商談数・受注数の増加」の3つに大別できます。作業の効率化にとどまらず、組織の動き方と売上に直結する変化まで含まれる点がポイントです。それぞれ見ていきましょう。
1. 業務工数を削減する
MAツールを導入することで、これまで手作業で行っていたマーケティング業務を自動化し、限られた人員でも効率的に施策を実行できます。
自動化できる業務の一例です。
- セミナーの申込フォーム、問い合わせフォームの作成
- 資料ダウンロードページの作成
- メール配信(セグメント配信・ステップメール)
- アンケート作成
- 名刺のデジタル化
- マーケティング施策の分析
こうした機能を活用すれば、急遽セミナーやイベントの開催が決まっても短時間で準備が可能です。定型作業がシステムに置き換わることで、担当者は「施策を考える時間」を確保できるようになります。
|
メルマガの配信リスト抽出・配信設定を手作業で行っている(目安:月8時間)
|
|
|
問い合わせ・名刺情報の入力や振り分けを手作業で行っている(目安:月10時間)
|
|
|
セミナー・イベントのたびに申込フォームを作っている(目安:月4時間)
|
|
|
施策の結果レポートを複数ツールから手集計している(目安:月5時間)
|
|
|
営業に渡すリードの選定を目視・感覚で行っている(目安:月3時間)
|
| 「MAの乗り換えはデータ移行が面倒。」と思っていませんか? シャノンなら、データ移行や初期設定が円滑に進むようサポートします。 |
料金・資料を見る → |
2. 部門間連携を強化する
MAツールの導入は、部門間の連携強化にもつながります。営業チームは「もっと質のよいリードをパスしてほしい」と考え、マーケティングチームは「苦労して獲得したリードをきちんとフォローしてほしい」と悩む。この部署間のすれ違いは多くの企業で起きています。
MAツールを適切に運用すれば、見込み顧客を育成する「ナーチャリング」が可能になります。育成を経た良質なリードを営業に引き渡すことで、マーケティング活動が営業側に理解され、協力関係が生まれます。さらにCRMやSFAと連携すれば、営業部門との情報共有や相互のフィードバックも実現します。
CRMやSFAとの連携については、以下の記事をご覧ください。
SFA・CRM・MAとの違いとは?連携のメリット・方法、ツール導入のポイントを解説
3. 商談数・受注数を増やす
3つ目の効果は商談数の増加です。見込み顧客の行動履歴をもとにメールなどで適切なコンテンツを届け、見込み顧客の興味・関心を引き上げます。
イベントや展示会といったオフラインの行動履歴も踏まえることで、最適なタイミングでの提案が可能です。属性や行動履歴をもとにスコアリングすれば、フォローすべき顧客が多いときでも一目で優先順位を確認できます。顧客情報に基づいた提案は商談の短期化にも貢献し、受注率や成約単価の向上も見込めます。
マーケティング施策起点の受注件数を前年比264%に伸ばした企業をはじめ、業種別の11社がどの効果をどれくらいの規模で出しているかは、【業種別】マーケティングオートメーション導入の成功事例11選|成功企業の共通点とは?で比較しています。
MAツールの導入効果はどのくらい?数字で見る4つの実績
効果の中身は分かっても、どのくらいの規模で出るのかは想像しにくいものです。シャノンMAを導入した企業で実際に出た数字を、効果の種類ごとに並べます。
※各社の課題や運用体制は異なります。数字はそのまま自社に当てはまるものではなく、効果の出方の目安としてご覧ください。各社の詳しい取り組みは、それぞれの事例ページをご覧ください。
MAの導入効果はなぜ出るのか?接点回数と受注率の関係
MAの導入効果は「顧客との接点を増やせば、商談と受注が増える」という前提に立っています。この前提が実際に成り立つのかを、シャノン自身の過去の商談データで確認します。商談化の前にどれだけ接点を持てていたかで、受注率は次のように変わりました。
接点が1〜2回だった層と10回以上だった層では、受注率に約2.5倍の差がありました。受注に至った企業の平均接点回数は4.5回、至らなかった企業は3.6回です。
接点を増やすといっても、担当者が手作業で追える回数には限りがあります。ここが、MAによる自動化が受注につながる仕組みです。MAの効果は「作業が楽になること」ではなく、「これまで追いきれなかった接点を積み重ねられるようになること」から生まれます。どの種類の接点を持てていたかによっても、受注率は変わります。
差が最も大きいのは、アウトバウンドのみの接触(0.1)と、セミナーでの接点があった場合(1.7)です。同じ1件の商談でも、そこに至るまでにセミナーや資料請求といった「相手から動いてくれた接点」があるかどうかで、結果は大きく変わります。
※株式会社シャノンにおける過去の商談データをもとに集計。業種・商材・組織体制によって数値は変わるため、傾向の参考としてご覧ください。
MAツールの導入効果を測る5つのKPI
導入効果を社内で証明するには、測定するKPIをあらかじめ決めておく必要があります。メール開封率などの手前の指標だけで評価すると、「開封率は上がったが売上への貢献が分からない」という状態に陥りがちです。見込み顧客の獲得から受注までの流れに沿って、次の5つを押さえてください。

1. 新規リード獲得数
フォーム経由の問い合わせや資料ダウンロード、展示会での名刺獲得など、新たに接点を持てた見込み顧客の数です。MAの入口となる指標であり、施策別の獲得数を比較することで、どのチャネルに投資すべきかが見えてきます。
2. MQL数・MQL化率
MQL(Marketing Qualified Lead=マーケティング部門が創出した有望リード)とは、獲得したリードのうち、スコアリングや行動検知によって「営業に引き渡せる状態」まで育成できたものを指します。ここで見るのはその数と、リード全体に対する割合です。MAの中核であるナーチャリングの成果を直接示す指標であり、導入効果の説明では商談数とセットで報告すると説得力が増します。
3. 商談数・商談化率
MQLのうち実際に商談へ進んだ数と、その割合です。商談化率が低い場合は、スコアリング基準や営業への引き渡しタイミングに改善余地があると判断できます。
4. 受注件数・受注率
商談のうち受注に至った数と割合です。マーケティング施策起点の受注を分けて計測できるようにしておくと、MAの貢献を売上ベースで示せます。
5. CV数・CVR
メール・セミナー・Webコンテンツなど、施策ごとの転換率です。どの施策がファネルのどこを改善しているかを特定し、次の打ち手の優先順位を決める材料になります。
なお、KPIの数値はMA単体では完結しません。商談・受注のデータはSFA側にあるため、両者を連携させて計測できる環境を先に整えておくことが、効果測定のつまずきを防ぐ近道です。
KPIを決めないまま導入し、SFAとの連携も後回しにしたまま1年運用。経営会議で「結局いくら売上に貢献したのか」と問われても、手元にあるのはメールの開封率だけで答えられず、MAの予算自体が削減の危機に陥る、というパターンは珍しくありません。
効果が出ていなかったのではなく、効果を「測れる状態」にしていなかったのです。
MAツールの費用対効果を試算する4ステップ
導入の稟議で最も問われるのが費用対効果です。ここでは「かかるコスト」と「得られるリターン」を整理し、簡易的に試算する手順を紹介します。
手順1. 導入・運用コストを算出する
MAのコストは月額利用料だけではありません。次の4つを合算して年間の総コストを算出します。
月額利用料の水準は製品によって幅があります。一例として、シャノンMAのデジタルプランは月額60,000円(リード無償枠5,000件、メール配信数無制限)です。国産・外資を問わず複数製品の料金を比較する際は、リード数超過時の追加費用やメール配信数の上限まで含めて確認してください。
本記事では以降、年間総コストを400万円として試算します。内訳は、月額利用料72万円(6万円×12か月)、運用人件費288万円(運用担当の工数を月60時間、時間単価4,000円で換算)、初期費用とコンテンツ制作費で40万円です。
※運用人件費は、導入後に新たに発生する運用工数(シナリオ設計・コンテンツ制作・効果分析)を見積もったものです。手順2で扱う「削減できる工数」は、これとは別に廃止される定型作業を指します。
手順2. 削減工数を金額換算する
自動化によって削減できる作業時間を洗い出し、担当者の時間単価を掛けて金額に換算します。ここでは先ほどのセルフチェックのうち、削減幅の大きい2項目だけを使った試算例を示します。チェックが付いた項目をすべて合計すれば、実際の削減額はさらに大きくなります。
- メルマガ配信作業(リスト抽出・配信設定):月8時間
- 問い合わせ対応の入力・振り分け:月10時間
- 合計月18時間 × 時間単価4,000円 = 月72,000円(年間864,000円)の削減
※時間単価4,000円は、年収600万円相当(法定福利費込み)を想定した仮置きです。
手順3. 利益創出額を試算する
ナーチャリングによる商談化率の改善を仮置きし、増加する商談数から利益の増加分を見積もります。
- 現状:月間リード100件 × 商談化率10% = 商談10件
- 導入後:月間リード100件 × 商談化率15% = 商談15件
- 増加分5件 × 受注率30% = 月1.5件の受注増
- 月1.5件 × 平均受注単価100万円 × 粗利率40% = 月60万円(年間720万円)の利益創出
※商談化率の改善幅・受注率・平均受注単価・粗利率はすべて仮定値です。必ず自社の実績値に置き換えて計算してください。
※改善幅の見積もりには、先に紹介した接点回数と受注率の関係(接点1〜2回と10回以上で受注率が約2.5倍)が目安になります。MAで増やせる接点数の見込みから逆算すると、稟議での説明に根拠を持たせられます。
手順4. ROIを算出する
「(工数削減額+利益創出額)÷ 年間総コスト × 100」が、投資額に対してどれだけ回収できたかを示す回収率です。100%を上回れば、投資に見合う効果があると判断できます。手順2・3の数字を当てはめると、(86.4万円+720万円)÷ 400万円 × 100 = 約202%です。なお一般に「ROI」と呼ばれる指標は「(リターン − 投資額)÷ 投資額」で計算し、この場合は0%が損益分岐点になります。稟議に出す際は、どちらの定義で算出した数字かを必ず明記してください。
ただしこの202%は、手順3で商談化率が+5ポイント改善した場合の数字です。改善幅の置き方で結果は大きく動くため、稟議では単一の数字ではなく、幅ごと見せたほうが通ります。
※工数削減額(86.4万円)と年間総コスト(400万円)は3ケース共通で、利益創出額のみ商談化率の改善幅に応じて変えています。改善幅・受注率・平均受注単価・粗利率・コストはすべて仮定値です。
悲観ケースは100%を下回ります。この3つを並べて出すことで、「どこまで改善できれば投資として成立するのか」という論点で議論できるようになります。
すでにMAを運用中で「費用が成果に見合っていない」と感じる場合は、乗り換えを含めたコストの見直しが選択肢になります。棚卸しの手順はMAツールのコスト見直し5つの手順|料金相場と乗り換え判断基準で解説しています。
機能過多の解消でコスト削減につながったMAツール乗り換え事例も参考にしてください。
参考:MAツール乗り換え事例3選|商談8倍を生んだ移行の決め手とは
| 「MAの乗り換えはデータ移行が面倒。」と思っていませんか? シャノンなら、データ移行や初期設定が円滑に進むようサポートします。 |
料金・資料を見る → |
【部門別】MAの導入効果はこう伝える|マーケ・営業・経営層
ここまでで、効果の中身・測るKPI・費用対効果の試算がそろいました。あとは社内をどう通すかです。同じMAツールでも効果の現れ方は立場によって異なるため、マーケティング・営業・経営層それぞれの視点で整理して伝えると合意を得やすくなります。
1. マーケティング部門
マーケティング部門にとっての効果は、日々の作業時間の削減として最も早く実感できます。メール配信リストの抽出やフォーム作成といった定型業務が自動化され、施策の企画や分析に時間をかけられるようになります。社内提案では、現在の定型業務にかかっている時間をセルフチェックで洗い出し、削減見込み時間をそのまま示すのが最短です。
2. 営業部門
営業部門にとっての効果は、アプローチの質の変化として現れます。見込み顧客がどのページを閲覧し、どの資料をダウンロードしたかが分かるため、相手の関心事を踏まえた具体的な提案が可能になります。社内提案では「リードの数を増やす」ではなく「渡すリードの質を上げる」と伝えると、合意が得やすくなります。
3. 経営・管理部門
経営層にとっての効果は、意思決定の材料が揃うことです。リード獲得から商談・受注までがデータでつながり、どの施策が売上に貢献したのかを定量的に把握できます。担当者の勘と経験に依存しない、再現性のあるマーケティング体制の土台にもなります。社内提案では、本記事の4ステップで算出した回収率を、悲観・標準・楽観の3パターンで示してください。
MAツールの導入効果を高める3つのポイント
MAツールは導入した瞬間に成果が出るものではありません。ここでは効果を実感するまでの目安と、効果を最大化するための条件を整理します。

効果を実感できるまでの目安は、導入から3か月〜半年です。この期間で運用のサイクルが回り始めます。最初の1〜2か月は配信リストの整備やシナリオ設計といった土台づくりの期間と捉えてください。この前提を踏まえ、効果を高めるポイントは次の3つです。
1. 運用体制を決める
コンテンツを定期的に作れる担当者はいるか、他部門と連携して情報を集められるか。導入前にこの体制を確保しておかないと、配信するネタが尽きて運用が止まります。専任が難しければ兼任1名でも、責任者を明確にしておくことが立ち上がりの速さを左右します。
2. スモールスタートで始める
最初からスコアリングやシナリオ分岐などの高度な機能を使いこなす必要はありません。まずはメール配信の自動化から始め、成果と運用の慣れに応じて機能を広げていく進め方が、結果として定着への近道になります。
3. SFA・CRMと連携する
前章のKPIを測るには、商談・受注データとの接続が欠かせません。導入時点でSFAやCRMとの連携を設計しておけば、「効果が出ているのか分からない」という導入後によくある停滞を避けられます。
MAツールの導入効果に関するよくある質問
まとめ
MAツールの導入効果を、3つの効果、実際に出た数字、効果が出る仕組み、測定KPI、費用対効果の試算手順、部門別の伝え方という流れで解説しました。企業が抱える課題と導入効果の対応を、最後にまとめます。
導入効果は「入れれば出る」ものではなく、KPIを決め、体制を整え、測れる環境をつくった企業から順に実感していくものです。業種ごとの具体的な成果は、【業種別】マーケティングオートメーション導入の成功事例11選|成功企業の共通点とは?で紹介しています。
効果測定や費用対効果の試算まで見据えてツールを選ぶなら、シャノンMAという選択肢があります。月額6万円からメール配信数無制限で利用でき、SFA機能を標準搭載しているため、本記事で解説した「商談・受注までつなげた効果測定」を1つの環境で始められます。何から着手すべきか迷っている方は、まず以下の資料をご覧ください。












