ファンマーケティングとは?注目される理由やメリット、企業の成功事例を紹介

自社が提供する価値を支持してくれるファンは、企業にとって重要な存在です。

「価値」と一言でいっても、どこに価値を感じるかは人それぞれです。

商品やサービスには、価格や性能などの「機能価値」や、商品・サービスにまつわる思い出や愛着などの「情緒価値」があります。加えて、企業が実施している社会活動へ共感する「社会価値」などがあります。

こうした価値を自社や自社の商品・サービスに感じてくれるファンを増やしていくのが「ファンマーケティング」です。

この記事では、ファンマーケティングについて解説していきます。ぜひ、参考にしてください。

ファンマーケティングとは

ファンマーケティングとは、顧客との関係性を強化することで、企業や企業の商品・サービスのファンになってもらい、売上やブランド価値向上を目指すマーケティング手法です。

ファンがどのようなことに価値を感じるかを理解し、ファンに喜んでもらう商品・サービスを提供していきます。

近年ではインターネットの利用率が80%を超えているため、ファンマーケティングもインターネット上を中心に考えられています。

インターネット上でおこなわれるファンマーケティングの手法
SNS SNSによる企業とファンによる双方向のコミュニケーション
コンテンツマーケティング オウンドメディアによる情報発信
ファンコミュニティ ファン同士が交流するコミュニティ
メールマガジン メールによる情報発信
ライブ配信 ライブ配信による企業とファンとの双方向のコミュニケーション
クラウドファンディング クラウドファンディング ファンから資金を集めて、商品やサービスを開発・販売。
リターンを送る。

ファンマーケティングが注目される理由

現代ではモノや情報が溢れており、企業同士の競争も激しくなっています。他社との競争優位性がなくなりつつあるため、最終的には価格勝負となってしまい、値下げ競争となってしまいがちです。

モノや情報が溢れた結果、消費者の多様化も進みました。チャネルが増え、購買行動が変化し、それぞれに求める性能や価値が違ってきています。そのような時代だからこそ、自社に価値を感じてくれるファンを増やしていく必要があるのです。

近年ではSNS(ソーシャルメディア)や口コミサイトが普及しており、消費者自らが発信して情報を共有するコンテンツが増えています。これをUGC(User Generated Content)と呼びます。

UGCは、企業が発信する情報と比べて信頼性が高く共感を得られやすいのが特徴です。こうした背景もあり、企業としては積極的にUGCを広めていきたいのです。
UGCを生み出すためのアプローチ手段としても、ファンマーケティングは注目されています。

ファンマーケティングのメリット

ファンマーケティングを実施すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的なメリットは以下の3つです。

  •  顧客ロイヤリティが高まり売上が安定する
  • ブランディングにつながる
  • 広告宣伝費が削減される

それぞれくわしく解説します。

顧客ロイヤリティが高まり売上が安定する

ファンマーケティングを実施することで、顧客のロイヤリティが高まります。有名な「パレートの法則」にあるように、売上の8割は2割の顧客によって生み出されます。この2割の顧客がロイヤリティの高い顧客であり、ファンです。

ロイヤリティの高い顧客は商品やサービスを何度もリピート購入したり、口コミで広めてくれたりするため、売上が安定します。企業の一顧客が生涯にわたって購入する総額である「LTV」の最大化にもつながるのです。

LTVは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。LTVが向上すれば経営は安定し、企業の成長につながります。

LTVについては、「LTVとは?BtoBマーケティングにおけるLTVの重要性、施策、成功事例を解説!」をご覧ください。

ロイヤリティの高い顧客のことを「ロイヤルカスタマー」と呼び、日本では「常連客」や「お得意様」と表現することが多いです。まさにファンと呼べる存在です。

企業にとっては最重要な顧客であり、いかにロイヤルカスタマーと呼ばれるファンを増やすかを考える必要があります。

ロイヤルカスタマーについては「ロイヤルカスタマーとは?その定義と、MA連携でロイヤルカスタマー を増やす手法」をご覧ください。

ブランディングにつながる

ブランディングとは、販売したい商品やサービスのターゲットとなる顧客を定め、顧客に共通イメージを形成することを目的とした活動を指します。

ブランディングは、企業が一方的に作るものではありません。ファンによって作られることもあります。ファンマーケティングがうまくいけば、ファンによってブランディングが形成され広がっていく可能性もあります。

ブランディングに成功してファンが増えると、他社と価格面で競争する必要がありません。結果、価格を高く設定できるので、利益率を高められます。

ブランディングに成功している例として、スターバックスやAppleが挙げられます。スターバックスやAppleが値下げキャンペーンをすることは、ほとんどありません。

ブランディングは社外に対してだけではなく、社内に対しても効果があります。人材採用がしやすくなり、働くモチベーションも高まります。採用率が上がり、離職率は下がるので、求人広告費や人材紹介料などの採用にかかる費用も抑えられるのです。

ブランディングについては「ブランディングとは何か?企業の成功事例や意味をわかりやすく解説」をご覧ください。

広告宣伝費が削減される

従来のプロモーション手段として、テレビCMや新聞などのマスメディアを活用した広告がありました。しかし、最近はテレビを見る人や新聞を購読する人は減少しています。インターネット広告は増えていますが、数え切れないほどの広告があるため、なかなか顧客に届きません。

顧客がファンになってくれると、自社や自社の商品・サービスを家族や友人などに口コミで広めてくれる可能性が高まります。ファンがファンを連れてきてくれるため、お金をかけて広告を出稿しなくても、新規顧客獲得が可能です。

toCはもちろん、toBでも口コミ効果は大きいです。口コミは通常の広告に比べて信頼性が高いため、大きな金額が動くtoBでも効果があります。

先ほども紹介したパレートの法則は、売上の8割は2割の顧客によって生み出されるという考え方です。

ファンマーケティングに注力し、2割のファンを大切にすることで、広告を出さなくても成長できる可能性が高まります。

ファンマーケティングで注意すること

ファンマーケティングは、はじめてすぐに結果の出るものではありません。

地道な取り組みを、じっくりとおこなう必要があります。短期的ではなく、中長期的な視点で取り組みましょう。定量的な成果をすぐに求めてしまいがちですが、まずは定性的な成果を積み上げていくことが大事です。

また、ファンとの信頼を築くのは大変ですが、崩れるのは一瞬です。仮に商品・サービスに問題があったり、サポート対応に不満を抱かれた場合には、ファンが一気に離れてしまう可能性もあります。

最近はSNSで炎上する企業アカウントもあります。そうならないためにも、SNSの運営ルールや投稿マニュアルは事前に作成しておきましょう。

ファンマーケティングを成功させるために必要なツール

ファンマーケティングを成功させるためには、さまざまなツールが欠かせません。

特に最近はデジタルを利用する方が多いので、デジタルツールが必要です。以下の3つのツールをご紹介していきます。

  • MAツール
  • CRMツール
  • 各種SNS

MAツール

MAツールとは「マーケティングオートメーションツール」を指します。MAツールは、「購買フェーズを引き上げるために顧客の状況にあわせて実施される、マーケティング活動全般を自動化するためのツール」です。「顧客」というのは新規顧客に限りません。既存顧客も含みます。

MAツールを活用すれば、キャンペーンマネジメントやメールマーケティングも可能になります。お客さま一人ひとりに合った情報発信ができるので、顧客を育成してファンになってもらうための濃いコミュニケーションが可能です。

さらに、MAツールを活用すれば、ファンがWebサイト上でどのように行動しているかもわかります。どのようなコンテンツに興味・関心を抱いているかを分析できるので、その次に制作するコンテンツの参考にできます。

このようにMAツールは、ファンマーケティングを成功させるために欠かせないツールといえます。

MAやMAツールについては、「マーケティングオートメーション(MA)とは?基礎知識やツールについてわかりやすく解説」をご覧ください。

CRMツール

ファンマーケティングを成功させるためには、顧客とのコミュニケーションを円滑におこなうことが重要となります。そこで活用できるのが「CRMツール」です。

CRMは日本語で「顧客関係管理」という意味で、CRMツールは顧客情報を最大限に活用するツールとなります。

うまく活用すれば、顧客のことをできるだけ一人ひとり、詳細に理解することが可能です。CRMツールの基本機能は以下のとおりです。

1) 顧客管理
顧客のプロフィールや購入履歴のほか、各種のコンタクト履歴まで一元管理します。

2) 問い合わせ管理
既存顧客からの問い合わせ、商品への要望・クレームなどを管理します。

3) 顧客フォロー管理
商談や電話連絡など企業側からのアクション、メールマガジン配信やキャンペーン実施の履歴などについて管理します。

4) 顧客分析
既存顧客のデータを正確に蓄積し分析することで、特にフォローすべき優良顧客の判定、マーケティングに役立つペルソナの設定などが可能です。
また、顧客ニーズを正確に知ることが事業戦略や商品開発に役立ちます。

CRMやCRMツールについては「顧客理解に欠かせないCRMとは?マーケティングにどう役立てる?」をご覧ください。

各種SNS

ファンマーケティングにおいて、SNS(ソーシャルメディア)の活用は非常に有効です。

企業は自社の情報を発信することで顧客とのコミュニケーションをおこない、顧客との関係を強化できます。顧客からの「いいね」やコメントなど、一方通行の発信だけではなく、双方向のコミュニケーションが可能です。

また、SNS上でプレゼントキャンペーンやハッシュタグを活用したイベントなどを開催することで、顧客との交流を深められます。

近年、多くの方がSNSを利用しています。日本のSNS普及率は80%を超えたという調査結果があるほどです。

日本におけるSNS利用者数
出典:2020年度 SNS利用動向に関する調査|ICT総研【ICTマーケティング・コンサルティング・市場調査はICT総研】

年齢層や活用シーンによって利用されるSNSは異なります。

たとえば、年齢層が高くBtoBで活用したいなら「Facebook」がおすすめです。一方、年齢層が低くBtoCに活用したいなら「Instagram」や「TikTok」がおすすめとなります。幅広い層に拡散するためには「Twitter」がおすすめです。

自社のターゲット層に合わせたSNSを選んでください。

ファンマーケティングとソーシャルメディアマーケティング

冒頭で説明したとおり、ファンマーケティングは顧客との関係性を強化することで、企業や企業の商品・サービスのファンになってもらい、売上やブランド価値向上を目指す手法です。

ソーシャルメディアマーケティングは、SNSを活用してファンを増やし、売上や認知度向上を目指す手法です。

どちらもファンを作って企業にとっての利益を目指す点では、目的は同じといえます。リアルイベントと違ってSNSは場所や時間の制約がないため、気軽に参加可能です。

しっかりとソーシャルメディアマーケティングに取り組むことで、ファンとなってくれる方を増やせます。

ソーシャルメディアマーケティングについては「ソーシャルメディアマーケティングとは?BtoBビジネスにおけるSNSの活用方法」をご覧ください。

ファンマーケティングがうまくいっているかどうかを調べる方法

ファンマーケティングを成功させるには、中長期的な視点が必要とお伝えしました。しかし、企業の場合は定期的なレポーティングが求められるでしょう。

うまくいっているかどうかを調べるには、どのような手段があるのでしょうか。以下の4つの方法を解説していきます。

  • NPSの測定
  • ソーシャルメディアのエンゲージメントを分析
  • リピーターの割合を分析
  •  口コミの分析

NPSの測定

ファンマーケティングがうまくいっているかどうかを調べるうえで、有効な指標が「NPS」(Net Promoter Score、ネットプロモータースコア)です。

NPSの測定方法はシンプルです。「あなたはこの商品/サービスを他の人に勧めますか?」 という質問について0から10までの11段階で回答してもらいます。

その結果、顧客を以下のように「推奨者」「中立者」「批判者」に分類できます。

NPSの測定方法

この場合、9~10と回答した「推奨者」はファンであるロイヤルカスタマー、または将来ファンになってくれる可能性が高いです。

企業のNPSは、「NPS = 推奨者の割合 - 批判者の割合」として数値化されます。 NPSは企業の成長率との相関性も高いとされています。

似た指標として挙げられるのが「顧客満足度」です。

しかし、アンケート調査で「満足」と回答した顧客が、必ずしもその後にファンにならないのと比較して、「人に勧めたい」という回答がその後、ファンに結びつく可能性が高いという調査結果が報告されています。

ソーシャルメディアのエンゲージメントを分析

SNSを活用している場合、エンゲージメントを分析することで、ファンマーケティングがうまくいっているかがわかります。

エンゲージメントとは、深いつながりを意味します。SNSでのエンゲージメントは「いいね」や「RT」、「コメント」など、投稿に対する反応のことです。

フォロワーが多いのにエンゲージメントが少ない場合は、以前はファンだったけど現在は違うこともあるので、ファンの熱量や共感を維持していくことが重要です。現代ではさまざまな商品やサービスが溢れています。

自社の商品やサービスの情報を常に届けていないと、他にファンを奪われてしまうかもしれません。SNSのエンゲージメントが下がっている場合は、注意が必要です。SNS上での接点を増やし、ファンの熱量や共感を維持していきましょう。

リピーターの割合を分析

リピーターの割合が増えれば、ファンマーケティングはうまくいっていると考えられます。

リピートするのは、商品・サービスに満足し、また買いたいと思ってくれたからです。何度もリピートしてくれるリピーターは、ファンになってくれる可能性も高いといえます。

ファンである顧客のリピート購入率は非常に高く、9割を超えるというデータもあるほどです。
(参照:トランスコスモス株式会社Communication Science Lab,消費者と企業のコミュニケーション実態把握)

リピート率を高めるために、会員制度を設けることも施策の1つです。

会員制度によってポイントや特典を付与する施策は有効ですが、会員向けの特典に比重を置きすぎると、会員ではないファンの反発を招く可能性があります。

バランスを考えて施策を実施することが重要です。

口コミの分析

ファンとなってくれた顧客は、家族や友人に商品・サービスを紹介してくれたり、SNSやレビューサイトで発信してくれたりします。いわゆる口コミです。

身近な人や実際に商品・サービスを使っているユーザーの口コミは非常に効果的です。ポジティブな口コミが増えている場合は、ファンマーケティングがうまくいっているといえます。

逆にネガティブな口コミが増えている場合、商品・サービスの品質を向上させたり、コミュニケーション戦略を考え直さなくてはいけません。

こうした口コミを分析することで、自社の商品・サービスがどのような印象を持たれているのかがわかります。そこにファンを獲得するためのヒントがあるはずです。

毎年、データを分析していけば、前年比でどれくらい口コミが増えたのかもわかります。

ファンマーケティングに必要なスキル

ファンマーケティングを実施するには、マーケティング全体のスキルに加えて、さまざまなスキルが必要になります。3つのスキルを紹介します。

  • コミュニケーションスキル
  • データ分析スキル
  • クリエイティブスキル

コミュニケーションスキル

ファンマーケティングを実施する際、必ず発生するのがコミュニケーションです。

フェーズによりますが、自社でファンコミュニティの運営やイベントの開催をすることもあります。その際にコミュニケーションスキルは欠かせません。

ファンマーケティングは中長期視点で継続的におこなう必要があるので、ファンからのフィードバックを得ながら進めなければいけません。その際にもコミュニケーションスキルがないと、適切なフィードバックを得られない可能性があります。

ファンによるコミュニティが生まれていて、活発に活動されている場合、企業側はあえて距離を取ることも必要です。

「公式の中の人」が介入してしまうと、ファン同士の交流に水を差してしまう可能性があります。こうした雰囲気を読むこともコミュニケーションスキルの1つといえます。

データ分析スキル

ファンマーケティングを実施するなかで、MAツールやCRMツール、アクセス解析ツールなどを使ってデータ分析する機会も多いです。データを分析することで、顧客の行動パターンやニーズを理解し、どのような施策が効果的かを把握できます。

ファンマーケティングは、短期間で効果の出るものではありません。計画・実行をし、改善点を見つけ出して次につなげていきます。このようにPDCAを回すことが重要です。

改善点を見つけるためには、データ分析スキルが欠かせません。

クリエイティブスキル

顧客からファンになってもらうためには、CX(Customer Experience、顧客体験)の向上も考える必要があります。

CX向上のためにはさまざまな手段があります。企画やイベントもそのうちの手段の一部です。

ファンが興味を持ってくれる良質な企画やイベントを考えるには、クリエイティブスキルが求められます。商品・サービスのストーリーやコンセプトを適切に伝えるためにも、クリエイティブスキルは欠かせません。

ファンマーケティングでは、ファンに向けた情報発信のため、独自の世界観を伝えるコンテンツ制作やキャンペーン企画もおこないます。

すべて自分で制作する必要はありませんが、外部の業者に依頼する際にもクリエイティブスキルは欠かせません。

情報収集をしてファンマーケティングの参考になりそうな事例を学び、クリエイティブに活かしてください。

ファンマーケティングに成功している企業の事例

ファンマーケティングに成功している企業の事例として、以下の3社を紹介します。

  • ヤッホーブルーイング
  • カゴメ
  • ワークマン

それぞれに特徴的な施策があるので、参考にしてください。

ヤッホーブルーイング

ヤッホーブルーイングは、クラフトビールの製造・販売をおこなっている会社です。顧客と体験を共創することで、ブランド価値を高めています。

ヤッホーブルーイングでは、「よな友ピースプロジェクト」というファンイベントを開催。新製品の発表会にお客さんを招待したり、醸造所見学ツアーを開催したりしています。ファンコミュニティが成熟しており、熱狂的なファンの多さが特徴です。

マス広告に頼らない口コミ中心のプロモーションを意識しており、リアルイベントの他にもSNS上で顧客参加型イベントも開催。SNS上でヤッホーブルーイングの商品に関する投稿を見つけると、コメントをしてコミュニケーションを取っています。

オウンドメディアも運営しており、さまざまな切り口からのコンテンツを発信しています。発信するだけではなく、記事に対する反応を含む顧客の声を調べてコミュニケーションを図っているのです。

ヤッホーブルーイングは、2020年11月期には18年連続で増収を達成するなど、業績を伸ばし続けています。その原動力の1つにファンマーケティングの成功が影響しているといえます。

カゴメ

カゴメでは、「&KAGOME(アンドカゴメ)」というサイトを2015年4月に開設しています。このサイトは「ファンを知る」「ファンに伝える」「ファンと一緒に体験する」が目的です。

ファンとカゴメをつなぐファンコミュニティサイトになっており、カゴメとファンだけではなく、ファン同士のコミュニケーションも生まれています。

会員登録が必要となりますが、登録は無料です。サイトでは、カゴメからのお知らせの他、ファンによるレシピやレビューが投稿されています。

宣伝や一方的な情報発信だけでなく、ファンとのつながりを意識しているサイトです。

また、年に数回、&KAGOMEに登録している会員の中から希望者を募集し、カゴメが運営している施設に訪問してもらうイベントも開催しています。

カゴメでは商品開発にもファンの声を反映させています。19年2月に新発売された「カゴメ濃厚仕立てのトマトソース」(チューブ版)は、ファンの声に応えて開発したものです。

ワークマン

ワークマンでは、製品の熱いファンである「アンバサダー」によるUGCをマーケティングに活かしています。アンバサダーを導入したことで、売上が1.4倍に成長しました。

アンバサダーはインフルエンサーほどの影響力はありませんが、本物のファンであるため熱量が高いです。

ワークマンでは、アンバサダーにイベント動画へ出演してもらったり、アンバサダー向けに新製品発表会を開催しています。

さらには、アンバサダーに製品開発の打ち合わせに参加してもらい、フィードバックをしてもらうことで、ファン目線での改良が可能となっています。

アンバサダーにワークマンを宣伝してもらうだけではありません。ワークマンもWebサイトでアンバサダーのPRをします。

アンバサダーに金銭的なインセンティブはありません。無報酬です。それでもアンバサダーになりたいという人は多くいます。

ワークマン製品が好きな方をSNSやYouTubeでエゴサーチし、アンバサダーになってもらえるよう声がけしているようです。

まとめ

本稿のポイントは以下の5点です。

1.ファンマーケティングは、顧客との関係性を強化することで、企業や企業の商品・サービスのファンになってもらい、売上やブランド価値向上を目指すマーケティング手法です。

2.ファンマーケティングのメリットは、以下の3つです。

  • 顧客ロイヤリティが高まり売上が安定する
  • ブランディングにつながる
  • 広告宣伝費が削減される

3.ファンマーケティングを成功させるために必要なツールは、以下の3つです。

  • MAツール
  • CRMツール
  • 各種SNS

4.ファンマーケティングがうまくいっているかどうかを調べる方法は、以下の4つです。

  • NPSの測定
  • ソーシャルメディアのエンゲージメントを分析
  • リピーターの割合を分析
  • 口コミの分析

5.ファンマーケティングに必要なスキルは、以下の3つです。

  • コミュニケーションスキル
  • データ分析スキル
  • クリエイティブスキル

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