DXとは何かをわかりやすく解説!今、企業はDXをどう進めている?



事務職の需要、DXで42%減 経産省2050年試算」(2022年4月22日 日本経済新聞)
社員が『DXで疲弊』する会社にありがちな3大失敗」(2022年4月21日 東洋経済オンライン)


このような、DXにまつわるニュースをよく見かけます。

今後日本でもさまざまな変化がおきることは間違いなさそうですが、各企業は今、DXをどう進めているのでしょうか。そしてDXは順調に進んでいるのでしょうか。

今回は、DXとは何か、DXの現状などの基本的なことをまず確認し、DXの課題、進め方や企業事例、シャノンがサポートする「マーケティングDX」について、順にご紹介していきます。

DXとは? DXの現状を理解しよう

まずDXの定義、関連用語、現状などの基本的なことをあらためて確認します。

DXの定義は? いつから広まったのか?

DX(Digital Transformation)はデジタルトランスフォーメーションのことで、簡単にディーエックスと呼ばれます。TransformationをXで略すのは、英語で「trans-」にXの略字を充てる習慣があるからです。

日本では、2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を示したのを契機に、DXが広まりました。

DXの定義は何でしょうか。

経済産業省によれば

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」(「DX推進ガイドライン 」(2018)

とされています。

一方、総務省では

「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」

と定義しています。

これらの定義のポイントは、以下2つです。

1. データとデジタル技術の活用
精度の高いデータと最新のデジタル技術を活用することが必須です。

2. 変革・価値の創出・競争力向上が重要
デジタル技術は手段であり、目的は企業の変革です。企業がグローバル市場で競争するためには変革が不可欠です。変革により新たな価値創出や競争力向上が可能です。

これらを総合してみるとDXは短く表現すれば、“デジタル技術による企業の変革”だといえます。

DXが注目されている背景

DX推進が急務とされ、注目されている背景には以下があります。

政府の危機感
通商産業省では前述したDX推進ガイドラインを示すと同時に、「もしDXが進まなければ2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失の可能性がある」と警鐘を鳴らし、日本企業にDXを促しています。

レガシーシステム問題
多くの日本企業ではインターネットが普及する以前にオーダーメイドで構築したITシステムが今も稼働しています。長年の間にシステムの追加変更を重ね、複雑化・ブラックボックス化したこのようなシステムを「レガシーシステム」と呼びます。レガシーシステムを脱却することはDXの重要課題です。

世界標準の競争力をつける必要性
日本企業の世界におけるプレゼンスが落ちてきたのはIT化の遅れが一因ともいわれます。今後企業が成長し世界市場で競争するには、すぐれた商品・サービスの開発と同時にDXが必要です。

コロナ禍と働き方改革
最近多くの人がDXを話題にするようになった最大の要因は、「コロナ禍によるリモートワーク」かもしれません。2020年以降、企業は外部要因により社内体制の変革を余儀なくされ、リモートワーク環境を整えるにはDXが欠かせないという状況がありました。人材不足の折、働き方改革も企業がDXに取り組む動機づけとなっています。

IT化、デジタイゼーション、デジタライゼーションとの違い

デジタルトランスフォーメーションと似た用語でデジタイゼーション、デジタライゼーションがあります。

デジタイゼーションアナログな方法をデジタル化する
デジタライゼーション組織や部門の一連の業務、ビジネスモデルなどをデジタル化する
デジタルトランスフォーメーションデジタル技術を活用し、企業全体を変革して新たな価値を創出する

(参考:総務省 )

ほかに「IT化」という言葉もあります。IT化はデジタイゼーション、デジタライゼーションの2つに対応すると考えられます。

デジタイゼーションやデジタライゼーションは、業務効率化や生産性の向上、顧客満足度の向上に寄与する取り組みです。

DXを推進するにあたり、まずデジタイゼーション、デジタライゼーションを成功させることがステップとなります。

DXがデジタイゼーションやデジタライゼーションと違う点は、DXの目が「企業の変革」や「価値の創出」であり、そのための手段として「デジタル」を活用するということです。

日本企業のDX推進状況

欧米などに比べて日本の企業ではDXが進んでいないといわれています。以下は日米を比較したDXへの取組状況の調査結果(DX白書2021、IPA)です。

出展:情報処理推進機構(IPA)「IPA DX白書2021」2021年10月 図表11-1

DXに一部でも取り組んでいるという回答を合計すると、日本は約56%で、米国の約79%と大きな差があります。

次に、データ整備・管理・流通の課題についての調査結果です。

出展:情報処理推進機構(IPA)「IPA DX白書2021」2021年10月
米国と比較して回答数が多い日本の課題として以下があります。

「全社的なデータ利活用の方針や文化がない」
「データ管理システムが整備されていない」
「人材の確保が難しい」

日本ではデータ管理の方針やシステムなど、基本から整備する必要があることと、データを取り扱う人材が不足していることがわかります。

さらに、DXで変革を担う人材について質問した以下の調査でも、日本は人材不足が顕著であることが示されています。
出展:情報処理推進機構(IPA)「IPA DX白書2021」2021年10月 図表13-2

これらの調査より、日本でも何らかのDX施策を進めている企業が多いものの、データの整備や人材の確保の点で課題があるといえそうです。

DXの進め方

DXの実際のプロセスは企業ごと、事業ごとに違いますが、一般的にはDXをどう進めるのか、何が必要なのかについて解説します。

DXのシナリオは企業によってちがい、人によってもちがう

DXの進め方は企業によってちがいます。DXの目標が「企業の変革」や「価値の創出」ですからそれは当然といえます。 DXの対象は「商品やサービス」「流通」「組織」「社内システム」「顧客フォロー体制」などさまざまですが、「何をどのように、どの程度に変革するか」については企業の強み/弱み、企業風土などに基づき企業自身が決定します。

企業だけでなく、人同士でもDXの認識が違います。これはDXという言葉の対象が幅広いので仕方がないことです。

そこで、企業がDX推進に着手するときは、「自社にとってのDXとは何か」を明確にして、全体に共有する必要があり、それがDX推進の第一歩といえます。

DXに必要な職種と組織

DX推進のために必要とされる職種は以下です。

出展:情報処理推進機構(IPA)「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の 機能と役割のあり方に関する調査」2019年5月](https://www.ipa.go.jp/files/000073700.pdf)

出展:情報処理推進機構(IPA)「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の 機能と役割のあり方に関する調査」2019年5月

以下のように、ほとんどすべての職種で「大いに不足している」という現状があります。



また、どんな組織で取り組んでいるかの調査では、DX専門の組織を設置し、そこに情報システム部門も関与しながら進めているという体制の企業が最も成果を上げているという結果が示されています。

出展:情報処理推進機構(IPA)「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の 機能と役割のあり方に関する調査」2019年5月

これらのデータから、DXで成果を上げるには、企業は外部から人材を確保できなければ時間がかかっても人材育成に力を入れ、専門チームを設置して、本格的に取り組む必要があることがわかります。

DXで活用すべきデジタルテクノロジーとは

DXで活用すべきデジタル技術の代表例として、たとえば以下があります。

クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングでは常に最新のシステムを提供できるため、レガシーシステムが発生しません。オンプレミスのシステムをクラウドへ移行する試みもされています。

AI
AIは日本語で人工知能のこと。AIには機械学習とディープラーニングがあります。機械学習は、入力されたデータをもとにAIが学習して判断や行動ができるようになる技術です。ディープラーニングは、AIが自ら測定可能なデータを関連付けながら収集し、学習する技術です。

IoT
IoT(Internet of Things)は日本語では「モノのインターネット」と訳されます。センサーや通信の技術も使われています。

ビッグデータ
膨大な情報を処理するビッグデータは各種の分析に用いられます。IoTやAIなどと組み合わせて活用されることもあります。

RPA
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションです。人が行う「パソコンへの入力作業」をAIやロボットが代行・自動化するようなしくみをいいます。

AR/VR、メタバース
メタバースはインターネット情報につくられた、多くの人で共有できる仮想空間のことです。メタバースの参加者はVRゴーグルにより没入できます。ARとは現実の世界に情報を重ねて見せる「拡張現実」です。

参考:メタバースとは何?どんなビジネスが展開?マーケティング分野でのメタバース活用も解説!

DXの手順

実際に企業や事業部門がDXを推進するときには優先順位が異なることも当然ありますが、DXの手順の一例を以下に示します。

(1)現状と課題を整理する
全社または事業部門などの現状把握と課題抽出をします。

(2)DXの目標を設定する
課題をふまえ、社員の「こうしたい、こうなりたい」というビジョンを取り入れて目標を決めます。 「売上倍増」「すごい新商品を世に出す」のような、ハードルの高い目標設定がおすすめです。難しい目標を達成するためにはどう変革すればいいのか?という視点に立つことができます。

(3)社内的な合意形成をする
定めた目標を経営トップから全体へ共有します。

(4)人材を配置する
必要に応じてDX推進チームを設置し、人材を配置します。ここからは担当チームがDXの主な担い手となります。

(5)デジタル戦略を定める
目標を達成するためにどんなデジタル戦略、デジタル施策を実施するかの計画を立てます。実行案では、最新テクノロジー活用のほか、レガシーシステム対策、既存データの整備・管理・活用、部門間のデータ連携といった、既存システムの改革施策も欠かせません。

(6)計画の実施とPDCA
計画を実施し、PDCAを回します。

DXへの取り組み事例とマーケティングDX

最後に、DXを進めた企業事例と事業DXとしての「マーケティングDX」でシャノンが提供できることについてご紹介します。

DX推進で成果を上げた企業事例

以下は、DXに優れた企業の事例として必ず取り上げられることが多い3例です 。

Netflix
動画サービスのNetflixはDXを繰り返してグローバルになった企業として知られています。
1997年の創業から20年余のあいだに少なくとも4度のDXを実行しました。
1度目のDXは、無店舗のビデオレンタル業。2回目はサブスクリプションサービスへの転換、そして3回目のDXが動画ストリーミング配信への転換です。
4回目にはオリジナルコンテンツの配信をスタートさせました。同社はさらに次のDXとして「ゲーム事業への進出」も実施しています。

Airbnb
Airbnbは2008年設立。世界中の民泊を提供している個人や企業と、宿泊先を探すユーザーをマッチングさせるサービスです。
使っている技術はホテル予約システムとほぼ同じですが、新たな市場である民泊にフォーカスした点が新しい取り組みでした。
同じシステムを難民に滞在先を提供する支援プログラムにも使用しています。

Uber
日本ではUber Eatsの方が有名になってしまいましたが、最初はタクシー配車アプリ「Uber」からスタートしています。
日本では法制上一般の車がタクシーサービスを提供することができないのですが、アメリカではUber Eatsと同様、空き時間にお金を稼ぎたい個人がタクシーサービスを提供しています。

マーケティングDXとは

シャノンではマーケティングDXの支援を行っています。

シャノンでは、マーケティングDXを

「購買行動の変化に対応するために、顧客情報をデジタルで一元管理し、自社のマーケティング・プロセスを変革する。その上で最適な顧客体験を構築し、競争上の優位性を確立すること」

と定義しています。

マーケティングDXは、全社のDX、CXの一部分と位置付けることができます。



オフラインでの接点が減少した今、デジタルで自発的に情報収集をする購買担当者が増えています。 この状況に対応するため、マーケティングDXが求められています。

まず顧客情報をデジタルで一元管理し、その後最適な顧客体験を提供します。

マーケティングDXにはMAツールが有効です。

  • オフライン/オンラインのすべての接点のデータを一元管理
  • データクレンジング、行動履歴の記録、スコアリング、企業ごとのデータ管理などを自動化
  • 興味・関心の程度に合わせたWebページの表示やコミュニケーションで顧客体験向上

などの機能があり、マーケティングDXを効率よく進めることができます。

参考:シャノンが考えるマーケティングDXとは?

まとめ

本稿のポイントは以下の4点です。

1. DXとはデジタルトランスフォーメーションのことです。簡単にいうと、データとデジタル技術の活用により企業を変革し、競争力の優位性を保っていくことです。

2. 日本のDXはアメリカより遅れていて、人材不足やデータの不備が課題です。

3. DX推進にあたってはデジタル技術の活用とともに、既存のデータ、既存システムの改革施策も欠かせません。

4. シャノンではマーケティングDXの支援を行っています。顧客とのリアルな接点が持てない今、デジタルで顧客を一元管理することが有効です。