共催セミナーとは

セミナーやウェビナーは、BtoB集客のために重要な施策のひとつ。他社と合同で開催する「共催セミナー」の実施例も増えています。

共催セミナーの最大のメリットは集客力のアップ。しかし共催ならではのデメリットや注意点もあります。
それらをしっかりおさえることで、共催セミナーの成功が見えてきます。

本記事では、共催セミナーのメリットとデメリット、開催までの流れやポイントをかんたんに解説していきます。

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共催セミナーとは?メリット・デメリットを確認

共催セミナーは企業が単独で開催するセミナーと比較してどんなメリットがあるのか、デメリットは何かを確認していきます。

共催セミナーとは、その目的は?

共催セミナーとは、2社以上の企業が共同で開催するセミナーのことです。

これに対して、1つの企業だけで開催する単独開催セミナーもあります。BtoB企業が実施するセミナーとしては単独のセミナーのほうが一般的です。

共催と単独開催、どちらの場合もセミナーの主な目的は、BtoBビジネスの集客です。
それぞれの特徴を理解して、マーケティング戦略のなかに位置づけて活用することが大事です。

共催セミナーと単独セミナーの比較

共催セミナーと単独セミナー、それぞれのメリットとデメリットを整理します。以下は比較表です。

共催セミナーと単独セミナーの違い

共催セミナー 単独セミナー
メリット ・各社で集客するため一度の開催で多くのリードを獲得できる
・1社あたりのコストを下げられる
・潜在層への新たなアプローチが可能になる
・複数の講演が視聴できるため顧客満足度を上げられる
・自社の自由裁量で企画運営できる
・セミナーの主旨を明確にし、内容を深堀り
デメリット ・会場手配、リハーサル、当日の運営など、準備に時間と手間がかかる
・テーマやコンテンツが限定される
・扱う商材が異なると集客が自社の見込み客とならない可能性がある
・リード情報の共有があるためセキュリティなどのルール作りが必要
・集客力が弱い
・コストをすべて負担する必要がある
・回を重ねるとネタ切れ・マンネリ化の恐れがある

共催セミナーと単独セミナー、それぞれにメリットとデメリットがあるので、両者を相互補完的に活用することが有効です。シャノンでは、月に3,4回小規模~中規模の単独セミナーを実施しながら、月に1回程度の共催セミナーを開催しています。

共催セミナーのメリット

共催セミナーのメリットとして、以下が挙げられます。

各社で集客するため一度の開催で多くのリードを獲得できる
共催セミナーでは、各企業がそれぞれの見込み客や集客チャネルを持ちよることで集客力がアップします。コンテンツについても共催セミナーでは幅広い内容を扱うので、単独開催の場合より興味をもつ人が増えると期待できます。

1社あたりのコストを下げられる
共催セミナーでは企業間でコストを分担するので、より広い会場、あるいは立地もよくステータスのある会場を借りることが可能です。Web広告費や設備費用などについても1社あたりコストを下げられます。有名な講師を呼ぶなどの企画も実施しやすくなります。

潜在層への新たなアプローチが可能になる
集客のための施策として企業はオウンドメディアの運用、Web広告、SNS運用、単独セミナーの開催などを常時実施していますが、自社がリーチできる顧客層は限定されがちです。共催セミナーを実施することで、他社の視点から提供される内容やディスカッションが自社では気がつかなかった顧客のニーズを掘り起こし、これまでアプローチできなかった潜在顧客に接触できる可能性が高まります。
参考:潜在顧客とは?顕在顧客、見込み顧客との違いやアプローチ方法、企業事例を解説

複数の講演が視聴できるため顧客満足度を上げられる
顧客にとって、セミナーに足を運び、いくつか興味のある情報を一度に入手できれば効率的で有意義です。内容が濃く満足度の高いセミナーにできれば共催各社に対する評価も高まり、集客につながると期待できます。

共催セミナーのデメリット

共催セミナーのデメリットとして、以下があります。

会場手配、リハーサル、当日の運営など、準備に時間と手間がかかる
共催セミナーでは協議することが多いので、単独セミナーよりも早めに準備をスタートさせる必要があります。意思疎通に慣れている自社だけのチームと違い、共催セミナーではコミュニケーションにも手間がかかります。セミナーのコンテンツ、集客方法、開催までのスケジュール、役割分担など、早めに準備しましょう。

テーマやコンテンツが限定される
共催各社にとってデメリットがないテーマを設定する必要があり、結果として単独セミナーよりコンテンツが限定されることがあります。

扱う商材が異なると集客が成果に結びつかない可能性がある
共催セミナーの参加者のうち、自社製品に興味をもってくれる見込み客がどれくらいの割合かは未知数です。多くの集客がありながら、目標とする商談数にすぐには結びつかない可能性があります。

リード情報の共有があるためセキュリティなどのルール作りが必要
集客で活用するリストや共催セミナー申込者の個人情報の取り扱いについて、開催後の見込み客へのアプローチについてなど、事前に取り決めておく必要があります。

共催セミナー開催までの進め方

共催セミナー開催プロセスのタイムライン

共催セミナーを立案し、準備を経て開催するまでの進め方を解説します。
今回は、共催企業からそれぞれ講師を出す形式を想定しご紹介します。たとえば2社による共催セミナーなら第一部、第二部をそれぞれの企業が担当し、社内人材が講師を務める方法です。社内人材であれば準備の手間が少なく、融通もききやすい方法です。

共催セミナー先の決定(3カ月前)

まず共催パートナーを決めます。とはいえ、ゼロからパートナーを選んだりオファーしたりといった手順で進めることはあまりなく、多くの場合、日頃ビジネス上の交流がある企業で共催セミナーやイベントのアイデアが過去に話題になった相手が候補となることが一般的です。

ただし、交流がある気心の知れた企業なら共催セミナーに適しているとは限りません。
共催セミナーのパートナーに向いているのは、同じような企業・部門をターゲットとし、競合しない製品やサービスを提供している企業です。

日時、場所といった基本的な開催概要は、お声かけの際またはお声かけ後すぐ調整するケースが多いです。

当日までのスケジュールと役割分担(2カ月前)

共催セミナーの場合、単独セミナーよりも準備期間を長く設定します。
たとえば、単独セミナーであれば準備期間1か月と見積もれる場合、共催セミナーなら2か月前からスケジューリングします。

以下は、共催セミナーのToDoリストのひな型です。
タスクをリストアップし、それぞれのスケジュールと担当者を決定します。

共催セミナーTODOリスト

ファイルは以下よりダウンロードが可能です。エクセルシートを編集してご活用ください。

共催セミナーTODOリスト(Excel)はこちらからダウンロードいただけます。

共催ルールの決定(2カ月前)

具体的に準備をスタートさせる前に、共催のルールを決めます。単独開催のセミナーでは発生しないステップです。
取り決めておくべきことの例として、以下があります。

  • 個人情報や知財の取り扱いルール
  • 参加者への事後フォローのルール

これらのルールは共催セミナーの準備の段階から必要となるので、事前に取り決めておくのが良いでしょう。

参考:ウェビナーのセキュリティ対策はどうすべき?導入のポイントとあわせて紹介

テーマの決定(2カ月前)

共催企業が決まったら担当者の顔合わせを行い、テーマを決定します。
テーマを決める際は、各社で解決できる共通の課題を洗い出します。

共催セミナーテーマの決定方法

たとえば、過去シャノンで実施した株式会社幻冬舎ゴールドオンライン(以下GGO)様との共催セミナーの場合、シャノンでは「リードナーチャリング」、GGO様では「コンテンツの企画」が強みのため、【出版社幻冬舎グループのコンテンツ企画・制作方法を大公開。MAを活用したコンテンツマーケティングを徹底解説】といった共催ウェビナーを開催しました。

シャノン幻冬舎共催セミナーキービジュアル

コンテンツ概要の決定(2カ月前)

コンテンツ(セミナーの内容)の概要を決めます。ここでは、集客に必要なLPの要素のみを確定し、骨子・台本は後で決定することがベターです。項目としては以下が挙げられます。

  • タイトル
  • リード文(導入)
  • KV
  • 各セッションのタイトルと内容

共催セミナー概要

ウェビナーコンテンツの企画・集客については、以下の資料にて詳しくご紹介しています
しくじり事例から学ぶ!失敗しないウェビナーの実施ノウハウ集

集客、準備(1か月前~当日)

LPが公開でき次第、集客を実施します。共催セミナーでは集客も分担して行います。

共催セミナーは「集客力がある」と前述しましたが、パートナー企業のためにも集客目標をクリアしたいという責任が生じるので、単独セミナーの場合よりもさらにパワーをかける必要があるかもしれません。

基本的には、単独開催のセミナーやイベントの集客と同じ手順で進めます。具体的には以下のような手段があります。

  • メール
  • Webサイト
  • SNS
  • セミナー告知サイトへの掲載
  • ニュースリリースサイトへの掲載

これらで不十分な場合は、Web広告、DM送付、直接の声掛けなども行います。

メール集客を実施する際は、以下のポイントがあります。
<ポイント1>1回のウェビナーにつき集客メールは3回送る
<ポイント2>脇役メルマガを積極的に活用する
<ポイント3>メルマガのファーストビューから集客する

フォローと振り返り(セミナー後)

セミナー終了後には速やかに参加者へサンクスメールを送りましょう。
その後、参加者のリスト、セミナー当日の資料、アンケート集計結果を事前に決めたルールに基づいて各企業に共有します。

見込み客の最初のフォローを終えたくらいのタイミングで各社が再度集まり、共催セミナーの進め方、集客、成果などについて振り返りを行い、開催経験を今後に活かしましょう。

セミナー後のフォローにはMAがおすすめ!

集客できるセミナーが開催できたとしても、適切なフォローが行われなければ商談には結びつきません。とはいえ、「どのお客様が本当に興味を持っているか分からず、成果が上がらない」「フォローが遅れて熱量が下がってしまい、商談機会を逃してしまう」といったお悩みもよく耳にします。

マーケテイングオートメーション(MA)では、セミナーフォローのお悩みに対して、以下のようなアプローチが可能です。

  • 自動メール配信:タイミングや興味に合わせた情報を届け、見込み度を下げずにアプローチ。
  • リードスコアリング:顧客の行動を可視化し、優先度の高いリードに集中。
  • 効率的な顧客管理:セミナー後の対応を一元管理し、担当者間の連携ミスを防止。

セミナーの効果を最大化するためには、次につながるフォローが重要です。
セミナー終了後の顧客接点を逃さず、商談につなげる体制を整えませんか?

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まとめ

本稿のポイントは以下です。

1. 共催セミナーとは複数の企業が共同で開催するセミナーで、単独で開催するセミナーより各社で集客するため一度の開催で多くのリードを獲得できます。

2. 共催セミナーのメリットは以下です。

  • 各社で集客するため一度の開催で多くのリードを獲得できる
  • 1社あたりのコストを下げられる
  • 潜在層への新たなアプローチが可能になる
  • 複数の講演が視聴できるため顧客満足度を上げられる

3. 共催セミナーのデメリットは以下です。

  • 会場手配、リハーサル、当日の運営など、準備に時間と手間がかかる
  • テーマやコンテンツが限定される
  • 扱う商材が異なると集客が自社の見込み客とならない可能性がある
  • リード情報の共有があるためセキュリティなどのルール作りが必要

4. 共催セミナー開催までの進め方は以下の通りです。
1) 共催セミナーの決定
2) テーマの決定
3) 開催概要の決定
4) 共催ルールを決定
5) コンテンツの概要を決める
6) 当日までのスケジュールと役割分担を決める
7) 集客、準備
8) セミナー後のフォローと振り返り

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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