
ウェビナーとは、「Web」と「セミナー」をかけあわせた造語で、インターネット上で開催するセミナーのことです。参加者は会場へ足を運ぶことなく、PCやスマートフォンから講演を視聴できます。
「セミナーやWeb会議と何が違うのか」「開催するには何から手をつければいいのか」。この記事では、ウェビナーで年間のべ約1.1万名を集客してきたシャノンの実績データを交えながら、ウェビナーの意味、種類、メリット・デメリット、始め方の5ステップまでを解説します。開催して終わりにせず、商談につなげるためのポイントも紹介しますので、これからウェビナーに取り組む方はぜひ参考にしてください。
ウェビナーとは?Web会議・セミナーとの違い
まず、ウェビナーという言葉の意味と、混同されやすい「Web会議」「対面セミナー」との違いを整理します。
ウェビナーとは
ウェビナー(Webinar)とは、Web(ウェブ)とセミナー(Seminar)を組み合わせた言葉で、インターネットを通じて配信されるセミナー全般を指します。「Webセミナー」「オンラインセミナー」と呼ばれることもありますが、意味はほぼ同じです。
基本の形は、主催者(講師)が資料や映像を配信し、参加者が視聴するという一方向の情報提供です。そこにチャットやQ&A、アンケートといった機能を組み合わせて、双方向のコミュニケーションを補います。
コロナ禍を機にBtoBマーケティングの定番施策として定着し、現在では展示会・対面セミナーと並ぶ主要なリード獲得チャネルになりました。普及の経緯やデータは「ウェビナーの普及率は?普及の背景や会場で開催するセミナーとの違いを解説」で詳しく取り上げています。
ウェビナーとWeb会議の違い
ZoomミーティングやMicrosoft TeamsなどのWeb会議と、ウェビナーの最大の違いは参加者の役割にあります。Web会議は参加者全員が発言することを前提とした「会議」の場です。一方ウェビナーは、主催者から多数の聴衆へ情報を届ける「講演」の場であり、参加者のマイクやカメラは基本的にオフに設定されます。
Zoomを例にとると、Zoomミーティングの参加人数はプランや拡張オプションに応じて100〜1,000名程度であるのに対し、Zoomウェビナーは数百名から最大10万名まで対応します。画面共有やマイクの操作権限も、ミーティングでは参加者全員に開かれているのに対し、ウェビナーでは主催者側がコントロールする仕組みです。大人数に向けて安全に配信したい場面では、ウェビナー形式が向いています。
ウェビナーと対面セミナーの違い
対面セミナーとの違いは、会場の有無に集約されます。ウェビナーは会場費や設営が不要で、参加者も移動しなくてよいため、開催・参加双方のハードルが下がるのが特長です。実際、シャノンでは同じテーマでも対面セミナーの約5倍を集客できています。
ただし、対面ならではの価値も見逃せません。シャノンが2022年に実施したアンケート調査では、「ウェビナーとセミナーのどちらに参加したいか」という質問への最多回答は「どちらでもよい」(33.6%)でした。一方、20代では46.3%、30代では40.7%がセミナーを選んでおり、30代以下では対面志向が上回っています。名刺交換や参加者同士の交流を重視する層に届けたいなら、対面やハイブリッド開催の併用が選択肢になります。(出典:シャノン調査(2022年11月14日発表))
ウェビナーの配信方式3種類
ウェビナーの配信方式は、大きく3つに分けられます。目的や参加者の都合に合わせて選びましょう。
1. ライブ配信型
決まった日時にリアルタイムで配信する方式です。チャットやQ&Aでその場の疑問に答えられるため、参加者の満足度や熱量を高めやすいのが持ち味です。開催日時が固定されるぶん、リマインドメールなどで当日参加を後押しする工夫が求められます。
2. オンデマンド(録画)配信型
事前に収録した動画を、参加者が好きなタイミングで視聴する方式です。一度つくれば繰り返し使えるので、コンテンツを資産化してリード獲得に活かせます。反面、リアルタイムの質疑ができないため、視聴後のアンケートやフォローメールで反応を拾う設計が欠かせません。
3. ハイブリッド型
ライブ配信を行ったうえで、録画をアーカイブとして公開する方式です。当日の臨場感と、後日視聴の利便性を両立できます。なお「会場開催とオンライン配信を同時に行う」形式もハイブリッド型と呼ばれ、対面の交流とオンラインの集客力を組み合わせたい場合に選ばれています。
あなたの状況に近いものをタップしてください。
方式が決まったら、次の壁は集客と目標設定です。シャノンが実際のしくじり事例から学んだノウハウ集で、失敗パターンを先回りして押さえておきましょう。
ウェビナーを開催する5つのメリット
ウェビナーがBtoBマーケティングの定番になったのには理由があります。主なメリットは次の5つです。
1. 低コストで開催できる
会場費、設営費、資料の印刷費がかかりません。参加者側も交通費や宿泊費が不要です。月に複数回の開催も現実的なコストで実施できるため、施策のPDCAを高速で回せます。
2. 人数や場所の制約を受けにくい
会場のキャパシティという概念がなく、ツールの上限まで何名でも受け入れられます。日本全国、さらには海外からの参加も可能になり、これまで接点を持てなかった遠方の見込み客にもアプローチできる点が魅力です。
3. 対面セミナーより集客しやすい
自宅やオフィスから気軽に参加できるため、申し込みのハードルが大きく下がります。前述のとおり、シャノンの実績では対面セミナーの約5倍という集客数の差が出ました。
4. アーカイブ配信で当日欠席者にも届けられる
録画を残せば、当日都合がつかなかった申込者にも後日視聴してもらえます。シャノンのウェビナーの当日参加率は65%以上(視聴URLを開いた割合は65〜70%) 。裏を返せば約3割は欠席するわけで、アーカイブ案内はこの層を取りこぼさないための必須のフォローです。
5. 感染症や災害時でも事業を止めない
感染症の流行や災害で人が集まれない状況でも、マーケティング活動を継続できます。BCP(事業継続計画)の観点からも、オンラインで完結する集客チャネルを持っておく価値は大きいでしょう。
ウェビナー4つのデメリットと対策
一方で、ウェビナーには弱点もあります。あらかじめ対策とセットで押さえておけば、失敗のリスクを減らせるはずです。
1. 通信トラブルのリスクがある
配信の停止や音声の乱れは、参加者の離脱に直結します。本番と同じ環境での事前リハーサル、予備端末の用意、有線LAN接続でリスクを抑えましょう。万一に備えてアーカイブ配信を約束しておくと、参加者の不安も和らぎます。
2. 参加者の反応が見えにくい
会場と違って表情がわからず、内容が響いているのか判断しにくくなります。チャットへの投稿を促す、リアルタイムアンケートを挟むなど、参加者の反応を「見える化」する仕掛けを盛り込みたいところです。
3. 質問のハードルが上がる
大人数の前で発言しづらいのはオンラインでも同じで、講義形式では質問がほとんど出ません。シャノンの実績では、講義形式の質問率がほぼ0%だったのに対し、対談形式にすると10.82%まで上がりました。登壇者同士の対話に質問を織り込むスタイルは、この弱点への有効な対策です。
4. 参加者との関係構築がしにくい
名刺交換や休憩時間の雑談といった、対面なら自然に生まれる接点がありません。だからこそ、事後アンケートやお礼メール、インサイドセールスからの架電など、開催後のフォロー設計で補う必要があります。この点は後半の「商談につなげるには」で詳しく触れます。
ウェビナー活用シーン
BtoBにおけるウェビナーの使いどころは、ファネルの段階ごとに整理すると明確になります。

1. 新規リードの獲得
業界トレンドやノウハウなど、製品を前面に出さないお役立ちテーマで幅広い層を集めるのが関心ウェビナーです。シャノンの実績では、1回あたり100〜150名を集客でき、アポ率は2〜7%。まだ課題が顕在化していない層との最初の接点づくりに向いています。
2. 見込み客の育成・商談化
製品の使い方や導入事例を紹介し、比較・検討段階の見込み客を商談へ引き上げるのが製品ウェビナーです。集客は1回あたり15〜50名と小規模ながら、アポ率は15〜25%まで高まります。
注意したいのは、この2つを1本のウェビナーに混ぜないことです。お役立ち情報を聞きに来た人に製品説明を長々と行うとテーマがぼやけ、集客も商談化もうまくいかないケースが多くなります。目的別に分けて設計し、関心ウェビナーの参加者を製品ウェビナーへ誘導する流れをつくりましょう。
3. 既存顧客向けの活用支援
新規獲得だけでなく、既存顧客への活用セミナーやユーザー会もウェビナーの得意分野です。解約防止やアップセルの接点として機能します。ウェビナーをマーケティング全体の中でどう位置づけるかは、「ウェビナーマーケティングとは?メリットから統計情報、事例まで解説」もあわせてご覧ください。
ウェビナーの始め方5ステップ
ここからは、初めてウェビナーを開催する方に向けて、準備から開催後までの流れを5つのステップで解説します。

1. 企画:目的とKPIを決める
最初に「何のために開催するのか」を決めます。リード獲得なのか、商談化なのか、目的によってテーマも集客方法も変わるためです。あわせて、追いかける数字も具体的に設定しましょう。参考までに、シャノンがウェビナーで設定している目標値の一例を紹介します。
数字がふわっとしたままだと、開催後の振り返りができません。最初は達成できなくても構わないので、基準となる目標を置くことから始めてください。
2. 集客:開催5週間前から告知を始める
申込LPを公開し、メルマガ・SNS・Web広告で告知します。シャノンが自社ウェビナーの実績を分析したところ、集客できたウェビナーほどメルマガの「脇役コンテンツ」として繰り返し掲載されていました。集客151名以上のウェビナーはメルマガ掲載が平均8.4回だったのに対し、100名以下のウェビナーは平均1.5回。申込受付は開催5週間前を目安に開始し、露出回数を確保しましょう。
具体的な手法は「ウェビナーの集客方法8選!成功への6つのポイントも解説」にまとめています。
3. 準備:シナリオ・機材・リハーサル
配信ツールを設定し、スライドとトークのシナリオを固め、本番と同じ環境でリハーサルを行います。準備項目の抜け漏れチェックには「ウェビナーの開催準備を徹底解説|準備開始から開催当日までの必須項目」が便利です。
4. 当日運営:録画とチャット対応を忘れずに
本番では進行役とは別に、チャットやQ&Aへの対応、トラブル対応を担うスタッフを置くと安心です。アーカイブ配信と振り返りのため、録画は必ず回しておきましょう。
5. 開催後フォロー:お礼メールとアンケートで次につなげる
開催後はできるだけ早くお礼メールを送り、アンケートとアーカイブ動画を案内します。アンケートでは満足度だけを聞くのではなく、「どの内容が役に立ったか」「今の状況・課題」まで聞くのがコツです。回答から次回ウェビナーのネタが見つかり、フォローすべき見込み客も特定できます。
ウェビナーツール選定の3つのポイント
ウェビナーの開催には専用の配信ツールを使います。ツールを比較するときは、次の3つの観点で確認しましょう。
1. 料金体系:自社の開催頻度と規模で試算する
参加者数の上限や課金単位(ライセンス数・開催回数・参加者数)はツールによって異なります。カタログ上の月額だけで比べず、「月に何回・何名規模で開催するか」という自社の運用を当てはめて年間コストを試算してください。小さく始めるなら、開催回数が少ないうちは割高にならないプランかどうかも確認したいところです。
2. 機能:運営に必要な機能が揃っているか
Q&A・チャット・アンケート・録画・リマインドメールなど、ウェビナー運営には配信以外の機能も必要になります。特にアンケートとリマインドメールは、参加率と開催後のフォローの質を左右する機能です。ツール標準で足りない場合に、外部ツールで補えるかどうかも見ておきましょう。
3. 外部連携:MA/CRMにデータをつなげられるか
申込者・参加履歴・アンケート回答といったデータをMAやCRMに連携できれば、そのまま追客に活かせます。連携できないツールでは、開催のたびにCSVの出力と取り込みという手作業が発生し、フォローの初動も遅れがちです。BtoB用途では、この3つめが成果をもっとも左右します。
代表的なウェビナーツールとZoomウェビナーの基礎知識
前章の3つのポイントで比較したい代表的なツールには、Zoom Webinars(Zoomウェビナー)、Microsoft Teamsのウェビナー機能、Webex Webinars、V-CUBEセミナーなどがあります。中でも国内で広く使われており、参加者側も操作に慣れていることが多いのがZoomウェビナーです。
参加のハードルが低いツールは集客にも効くため、初めての開催ならまずZoomウェビナーが有力な選択肢になるでしょう。ここでは、導入前に押さえておきたい基礎知識を2つにしぼって紹介します。
Zoomウェビナーの料金
Zoomウェビナーは、通常のZoom(Zoomミーティング)とは別のライセンスが必要な有料アドオンです。無料プランではウェビナー機能を利用できず、Zoom Workplaceの有料プランに加えてZoom Webinarsを契約する必要があります。料金は出席者数の上限に応じたライセンス制で、月額・年額のどちらでも契約できます。金額は改定されることがあるため、Zoom公式サイトの料金ページで最新の情報をご確認ください。
機材とトラブル対策のポイント
機材は、配信用PC、有線LANのインターネット回線、マイク、カメラ、照明があれば始められます。音声の品質は参加者の満足度に直結するので、マイクには優先的に投資したいところです。トラブル対策の基本は、本番と同じ環境でのテスト配信、予備端末の用意、参加方法マニュアルの事前送付の3点です。
ウェビナーを「開催して終わり」にせず、商談につなげるには
ここまで開催方法を解説してきましたが、ウェビナーの成果は開催した瞬間ではなく、開催後の動きで決まります。
シャノンが自社の商談データを集計したところ、受注率を分けていたのは「どの施策で出会ったか」ではなく、その後に2つ目の接点があったかどうかでした。初回接点として最も多いのは展示会(約38%)ですが、そこで出会った見込み客のうち、後にセミナー・ウェビナーにも参加した層に絞ると、受注率は全体平均の約2.9倍。資料請求が入口の場合も、セミナー・ウェビナーが続くと約2.1倍でした。
つまりウェビナーは、新しい人と出会う場であると同時に、すでに接点のある人ともう一度会う場としても効いています。集客数だけを見ていると、この2つ目の役割を取りこぼします。
※シャノン自身の商談データを一定期間で集計したものです。
ここで壁になるのがデータの持ち方です。申込者リスト・参加履歴・アンケート回答がバラバラのツールに散らばっていると、「この人は前に展示会で会った人か」が分からず、2つ目の接点をつくれません。
シャノンMA(スタンダードプラン以上)はZoomウェビナー連携機能を備えており、申込フォームの作成からリマインド、参加・不参加に応じたお礼メールの出し分け、見逃し配信の案内までを自動化できます。参加履歴は顧客データに紐づくため、「展示会で名刺交換し、その後ウェビナーにも参加した見込み客」を抽出してインサイドセールスに渡す動きが仕組みで回ります。
実際にシャノンも、自社ウェビナーの運営をこの仕組みで回しています。ウェビナーを商談創出の装置として機能させたい方は、シャノンMAのウェビナー活用について資料をご覧ください。
ウェビナーに関するよくある質問
Q1. ウェビナーとWeb会議は何が違いますか?
参加者の役割が違います。Web会議は全員が発言する「会議」、ウェビナーは主催者が多数の聴衆に配信する「講演」です。ウェビナーでは参加者のマイク・カメラは基本オフで、操作権限は主催者側にあります。
Q2. ウェビナーに参加すると、自分の顔や名前は他の参加者に見えますか?
Zoomウェビナーなど一般的なウェビナー形式では、参加者のカメラ・マイクは初期設定でオフのため、通常は顔が映りません。ただし主催者の設定次第でオンにできる場合や、質疑応答で登壇者側に招かれる場合はあります。名前の表示も主催者の設定によりますが、視聴者同士が互いの参加者リストを見られない設定が一般的です。
Q3. ウェビナーは無料で開催できますか?
YouTube Liveなど無料で配信できる手段はあります。ただし、申込フォームでの参加者情報の取得や限定公開といったビジネス用途の要件を満たすには、有料のウェビナーツールが現実的です。Zoomウェビナーも無料プランでは開催できません。
まとめ
ウェビナーとは、インターネット上で開催するセミナーのことです。低コスト・場所の制約なしという強みから、BtoBマーケティングの主要なリード獲得チャネルとして定着しました。開催の手順は、企画→集客→準備→当日運営→開催後フォローの5ステップ。特に成果を分けるのは、目的別(関心/製品)のウェビナー設計と、開催後のフォローです。シャノンの商談データでも、初回接点の強さより「2つ目の接点があるか」が受注率を左右していました。
シャノンは自社で継続してきたウェビナー運営のノウハウをもとに、シャノンMAによる申込から追客までの自動化をご支援しています。ウェビナーを商談につなげる仕組みづくりに関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。








