自社のWebサイトが検索結果の上位に表示されるように対策する「SEO」は、マーケティングに必須の重要施策です。
2024年末から、Googleで検索したとき、従来の順位表示の上部にAIによる要約とQ&A(SGE)が表示されるようになりました。今もSEOの基本は変わりませんが、AIに対応するための工夫も必要になっています。
本記事では、SEOとは何か、その基本的なしくみから始めて、SGEを含む最新事情をふまえた5つの対応策をわかりやすく解説します。
後半では、SEOでのNG行為、すでに立ち上げているWebサイトの改善方法にも触れています。
SEOとは? 検索順位が決まるしくみを確認
SEOとは何か、そもそも検索順位はどのように決まるのかについて確認していきます。
SEOとは、検索エンジン最適化により検索順位を上げること
SEO(Search Engine Optimization)は英語の訳そのまま、検索エンジン最適化のことです。
SEOとは、誰かがGoogleで検索したキーワードに対して、自社のWebサイトが上位表示されるように、Webページを作成および改善していくことです。
ユーザーは検索結果をひと目見て、自分が知りたいことが載っていそうなWebサイトを選び、クリックして訪問します。
したがって、検索結果の表示順位を上げることでWebサイトは多くのユーザーに訪問してもらえることになります。その効果は多額の広告費を投じることに匹敵します。
これが、SEOが重要視される理由です。
ただし2024年末以降、AIによる検索意図への回答(SGE)が検索結果の上に表示されるようになりました。
SGEとは何か、どんな影響があるのかについては後述します。
検索順位が決まるしくみは? クローラーとは?
Google検索で順位を決めているのはGoogleのアルゴリズムです。
Googleは「クローラー」と呼ばれるロボットを動かしています。クローラーはWebサイトの内容をクロール(巡回)し、新たなページを発見したり既存ページが更新されたりすると、最新データをGoogleのデータベースに追加登録します。このことを、データをインデックスするといいます。
Googleは、インデックスされたすべての情報に検索アルゴリズムにしたがって順位をつけて、検索結果を表示します。
クローラーがサイト内を巡回するときには一定のルールのもとでWebサイトをチェックします。このときにクローラーが内容を認識しやすいようサイト設計がされているかどうかを、Webサイトの「クローラビリティ」といいます。
Webの担当者はまず自社サイトのクローラビリティを高める必要があります。
クローラーにできるだけ早くWebサイトを認知してもらうためには、GoogleサーチコンソールからWebページのインデックス登録をリクエストします。
Googleサーチコンソールの操作方法については、以下の記事で紹介しています。
参考:Googleサーチコンソールの使い方!SEOを強化するための基本的な手順と用語解説
Googleが見ているのは「クローラビリティ」と「ユーザビリティ」
クローラビリティは重要ですが、それだけで上位表示されるわけではありません。
Googleが最も重視しているのはユーザーにとっての価値です。検索意図に応える内容がわかりやすく掲載されているか、情報は最新で信頼できるか、過去の実績などが評価基準となります。
これらを「ユーザビリティ」といいます。
アクセス数が上がれば順位は上がります。さらに、個々のWebサイトの滞在時間、離脱率や直帰率なども順位を決める要素になるといわれ、情報を見つけやすい導線を整備することも欠かせません。
Googleは「クローラビリティ」と「ユーザビリティ」を基準に検索順位を決めています。
「Google検索セントラル」は、GoogleがWebサイトの運営者向けにWebサイトの順位を上げるための要件を公開しているページです。ここで、具体的に何をすればいいのか、基本のSEO対策がわかります。
また、Googleはユーザーの動きや新技術などに対応してアルゴリズムを常に更新していますが、その最新情報をこのサイトで確認することができます。
AIが生成したSGEとは? 何が変わるのか
SGEとは何か、それによってSEOの何が変わるのかについて解説します。
SGEとは
Googleは2024年末より検索結果表示にAIを導入し、よりユーザー意図に適した表示としてSGE(Search Generative Experience)を追加しました。
SGEとは、AIによる検索キーワードへの回答です。
検索キーワードによって表示されるSGEのパターンはいくつかありますが、以下はその一例です。
このようなSGEが従来のWebサイトを表示させる「検索結果」の上に表示されます。
SGEは現在開発途中なので、今後は表示方法が変わる可能性があります。
SGEで何が変わるのか
SGEによりユーザー行動とSEOがどう変わるのかについてまとめます。
ユーザーは検索結果をクリックしないこともある
検索したユーザーはまず、AIが生成した回答を見ることになります。AIによるまとめの下には「関連する質問」が表示されているので、こちらをクリックするとさらに知りたい情報のいくつかが得られます。
ユーザーはSGEだけで回答を得て、その下に従来通りに表示されたWebサイトをクリックして訪問しないこともあり得ます。今後SGEが優れた回答を示せるようになれば、他のサイトを訪問することが不要になるかもしれません。
検索順位は従来ほど重視されない
SEOでは「検索結果の一番上」を目指していたのが、その位置にSGEが表示されるようになりました。検索結果のTOPに位置する1位と2位のクリック率には大きな差がありますが、SGEがTOPに配置されるページではそこまで重視されなくなります。
SGEに引用されると効果的
検索順位の比重が下がる一方で、SGEに引用されることが重要となっています。SGEはWeb上のコンテンツの中から回答として適切な文章を引用して表示し、そのソースも明示しています。
SGEが表示されるようになっても、それだけで満足しないユーザーは引用元のWebページをクリックして情報をとりに行くので、引用元となることが有効です。
このような変化があっても、SEOの基本的な進め方に変わりはありません。
ただし、今まで以上に力を入れたい施策や注意点もあるので、SGE対応についてものちほど解説します。
SEOのメリットとデメリット
SEOのメリットとデメリットを確認します。
SEOのメリット
SEOのメリットは以下です。
広告を出稿しなくても集客ができる
検索で上位表示されるようになれば、広告費をかけなくても集客が可能です。これが最も大きなメリットです。
今、購入意欲の高い顧客に出会える
たとえば、年代と産地を指定してワインを探しているユーザー、自社の希望に合う試作品を製作可能な会社など、欲しい商品やサービスが具体的でしかも緊急性が高い顧客にタイミングを逃さず出会うことができます。
効果に持続性がある
評価されて上位に表示されるようになれば順位は下がりにくく、集客効果は持続的です。Webサイトには常に最新情報を追加して管理する必要がありますが、順位が下がってきたときも適切な対策によりリカバリーできます。
コンテンツが資産となる
WebサイトがGoogleに評価されるためには、情報の質だけでなく量も必要です。ユーザーにとって価値のある情報が豊富に掲載されているサイトにするまでには工数がかかりますが、蓄積されたコンテンツは資産となり、その後のSEOはスタート時よりも有利に進められます。
ブランディング効果がある
上位に表示されれば仮にクリックされなくても、多くのユーザーの目に留まります。また、上位表示されるということは、Webサイトに信頼度があり、かつユーザーに選ばれているということで、商品やサービス、および企業自身のブランディングに効果があります。
参考:ブランディングとは何をすること?定義は?9つの施策や成功事例も紹介
指名検索を増やせる
ブランドが強化されれば、より多くの人に企業名や商品名を覚えてもらえるようになり、指名検索が増えます。指名検索は商談や購入につながる可能性が高く売上にも貢献します。また、指名検索が多いWebサイトはさらにGoogleに評価される好循環が生まれます。
指名検索のもととなる、ユーザーが企業名や商品名を覚えている、あるいは思い出す状態のことを「想起」といいます。
指名検索や想起を獲得することには大きなメリットがあります。そのためにはSEOだけでなく他のマーケティング活動も合わせて行う必要があります。
参考:想起とは? ブランド戦略として不可欠な「想起を獲得する」ことの重要性とその方法を解説!
SEOのデメリット
一方、SEOのデメリットとして以下が挙げられます。
成果を出すまでに時間がかかる
SEOを開始してから成果が出るまでには最短で3か月、平均的には半年~1年以上程度かかります。セールやイベントの告知など、即効性を求めたい場合には広告のほうが有効です。
難易度が高い
競合他社も多いなか、検索結果で上位表示を目指すことは簡単ではありません。検索キーワードの選定、Googleが求める要件を満たすWebサイトの整備、ユーザーに選ばれるコンテンツの作成などに多くの工数と知識が必要で、適切に施策を進めても期待通りの成果が上がらない可能性もあります。
コアアップデート対応が必要
Googleは定期的にWebサイト評価基準を見直しますが、このとき検索順位が急に下がることもあり、対応が必要です。短期間でリカバリーできることもありますが、原因がはっきりせず対応に時間を要してしまう場合もあります。
外注先の選定が難しい
SEOは未経験だと難易度が高いため、SEO支援会社に依頼することが多くなります。しかし成果が出るかどうかの保証はなく、外注先選びにも難しさがあります。
SEOの進め方
SEOを進めていく基本の流れを紹介します。
SEOには大きく分けてコンテンツ作成、内部対策、外部対策の3つがあります。
主な対策をまとめたものが以下です。
コンテンツ | ・キーワードの選定 ・検索意図の理解 ・E-E-A-T ーExperience ーExpertise ーAuthoritativeness ーTrustworthiness ・記事の作成 |
内部対策 | ・ディスクリプション設定 ・XMLサイトマップ登録 ・内部リンク ・URLの最適化とタグ付け ・パフォーマンス向上 ・モバイルフレンドリー |
外部対策 | ・被リンクの獲得 ・サイテーション獲得 |
これらについて順に説明していきます。
コンテンツの作成
SEOコンテンツの作成では、キーワード、E-E-A-Tなどを理解してクリエイティブに反映させる必要があります。
キーワードの選定
SEOではまず、対象とするキーワードを選定します。
ユーザーが検索エンジンに任意のキーワードを入力することを、「自然検索」といいます。
検索キーワードは1語だと検索ボリュームが多く後発で上位を目指すことが困難ですが、2語または3語のキーワードセットに対するSEO施策により検索結果の上位を目指すことは十分可能です。
たとえば以下のような検索キーワードが考えられます。
キーワード種別 | キーワードの例 |
ビッグキーワード | スキューバダイビング |
ミドルキーワード | スキューバダイビング ライセンス |
スモールキーワード | スキューバダイビング ライセンス 東京 スキューバダイビング ライセンス 費用 スキューバダイビング 資格 費用 |
東京都内のスキューバダイビングの資格を取得するスクールが自社のWebサイトでSEO対策をする場合、上記のようなスモールキーワードを多数用意します。
スモールキーワードを選定することは、大企業でなくても検索上位を目指すことが可能だからという理由のほかに、自社の見込み客にとって価値がある情報を届けることができ、顧客となる可能性が高いユーザーにピンポイントでリーチできるという点からも有効です。
以下は検索数の多いキーワードから順に並べたときのグラフで、長い尾を引くことから「ロングテール」と呼ばれています。スモールキーワードにより、黄色で示した尾の部分の顧客にアプローチすることを「ロングテール戦略」といいます。
キーワードを選定するには主に無料でも利用できる「Googleキーワードプランナー」や「ラッコキーワード」を使用します。キーワードセットの検索ボリュームを調べることができます。
検索意図を理解する
キーワードの選定後、コンテンツの作成を始める前にやっておくことがあります。
それは、キーワードを入力したユーザーの隠れた検索意図を理解するというステップです。
たとえば上記の例の場合、「スキューバダイビング ライセンス 東京」で検索したユーザーは、旅行に行く予定が決まっていて、短期間でライセンスを取得できるか知りたい可能性があります。東京か沖縄か、どちらで取得するのがよいか知りたいかもしれません。
検索ワード | 明確な検索意図 | 隠れた検索意図の例 |
スキューバダイビング ライセンス 東京 | 東京でスキューバダイビングのライセンス取得をする方法を知りたい | 沖縄でなく東京で取得するメリットは? 東京で取得すると費用は割安になる? 平日の夕方から講習を受けられる? |
このように、短い検索キーワードの背景にあるユーザーの隠れた検索意図を理解して、それに応えるコンテンツを提供することが大切です。
ユーザーの検索意図を知るには、検索キーワードを入力したときに上位表示されるページをよく読んでみることが有効です。なぜならGoogleも検索意図を読み取って、順位に反映させているからです。
E-E-A-Tの対策
コンテンツ作成で重要となる評価基準が、Googleが示している「E-E-A-T」です。
E-E-A-Tとは、信頼されるコンテンツの4つの条件 要素 の頭文字を取ったものです。以前は「E-A-T」だったところに2022年末からE(Experience)が追加されました。
E-E-A-Tは以下の4つの条件で構成されます。
①Experience(経験) ②Expertise(専門性) ③Authoritativeness(権威性) ④Trustworthiness(信頼性) |
Experience(経験)
企業や顧客が実際に経験した事実に基づく記述が重視されます。たとえば以下のような例があります。
・企業の担当者が実際の業務について紹介
・自社が成果を上げた成功事例
・顧客に導入事例インタビュー
これらのコンテンツには他社が真似できないオリジナリティがあります。文章内で実名、肩書、日時、数値などを具体的に記述することが効果的です。
Expertise(専門性)
その分野の専門家、エキスパートによって書かれている記事は信頼されます。例として以下があります。
・開発担当者によるプロダクト開発ストーリー
・マーケティング担当者が施策について紹介
・医師が病気予防や医薬品について解説
専門的な内容をある程度くわしく紹介し、書いている人の名前、肩書を明記して信頼度を高めます。
Authoritativeness(権威性)
発信者や企業自身の信頼性に関する基準です。企業や商品のブランド認知度が高ければ権威性が認められます。そのほか、企業の創業年やオウンドメディアの実績、取引実績、知名度のある代表や社員などの情報が権威性を高めます。被リンク、サイテーションも有効ですがこれらは後述する外部対策の対象です。
Trustworthiness(信頼性)
上記3つの経験、専門性、権威性の条件を満たし、質が高いコンテンツを一定量蓄積しているWebサイトが信頼度が高いと評価されます。
E-E-A-Tのなかでも専門性と信頼性は文章作成に関わります。一つのテーマを掘り下げ、引用元を明記し、事実や数字で根拠を示しながら記述するようにします。
記事の作成
検索キーワードセットに基づき、1つのキーワードセットに対して1ページを作成します。
文章には話題ごとに見出しをつけ、わかりやすく書きます。
文字数はSEO記事の場合長くなりがちで5000~10000字ということが多いですが、長文でなければいけないということはありません。検索意図に対して適切に応える内容かどうかが重要です。
同じキーワードで検索順位の高いWebページを参考にしつつ、さらに有効なページにするつもりで書きましょう。
タイトルは、検索キーワードを含み、ページの内容を正確に表すものにします。
必要に応じて写真、イラスト、図表などを配置します。必ずしも画像を入れないと評価されないということはありません。
このブログのように、上部にタイトルが入った画像を配置する例が増えています。ユーザーがページを開いたときすぐ目にするビジュアルで内容を素早く伝え、先を読ませる効果があるとともに、SNS投稿などに活用しやすい方法といえます。
コンテンツ作成に生成AIを活用する人が増えています。記事の文章を作成するには多くの時間と手間がかかりますが、AIによりこの作業を効率化することができます。
ただし、業務でAIを使う場合、自社情報がAIに学習されることのリスクが懸念されます。また、必要とする出力を得るための適切なプロンプト入力には一定のスキルが必要です。
※シャノン コンテンツアシスタントは、マーケティング活動のコンテンツ作成に特化した、安心・簡単に生成AIを活用できるツールです。
「ブログ記事」「記事タイトル」「目次作成」などを複数案生成し、SEOコンテンツの作成を支援します。
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内部対策
内部対策とは、先に述べた「クローラビリティ」「ユーザビリティ」を上げるために行う、技術的な対策のことです。以下のようなチェックポイントがあります。
ディスクリプションの設定
meta description(メタ ディスクリプション)は検索結果画面にタイトルとともに表示される、ページの要約文です。ユーザーがクリックしたいと思えるよう簡潔な説明を付けます。
XMLサイトマップの登録
XMLマップを作成し、Googleサーチコンソールに登録します。新しいサイトを早くクローラーに認知してもらうために有効です。
内部リンク
Webページ内の内容をさらに知りたい人、別のテーマも気になる人が迷わないよう、適切に内部リンクを設置します。購買や登録などの具体的な行動を促すCTAも各ページに配置します。
URLの最適化と正確なタグ付け
WebサイトのURLにはキーワードを含めます。<h1>、<h2>、<h3>などの見出しタグ、画像を示すaltタグなどを正確に設定します。構造化データタグの設置も必要です。
パフォーマンス向上
ファイルの容量を小さくしてページの読み込み速度を確保します。Google提供のLighthouseなどでチェックできます。
モバイルフレンドリー
Googleはモバイルデバイスから見やすく使いやすいWebサイトかどうかを評価しています。
URLを入力すると診断できるモバイルフレンドリーテストで簡単に確認できます。もし問題があれば、テスト結果のページから Google サーチコンソールへ移動してチェックします。
具体的な内部対策については、先に紹介したGoogle検索セントラルに掲載されているのでこちらを参照してください。
また、内部対策に欠かせないツールである「Google サーチコンソール」については以下の記事で解説しています。
参考:Googleサーチコンソールの使い方!SEOを強化するための基本的な手順と用語解説
多岐にわたる内部対策をCMSツールで効率化することもおすすめです。
CMSでは自動的に適切に構造化されるので、最終的にGoogleリッチリザルトテストのページなどでチェックすればOKです。
シャノンが提供する「vibit CMS Neo」は、正確性が求められるタグ付けやモバイル最適化などの作業を見たまま簡単に更新できるので、最新の内部対策を効率よく行えます。
被リンク、サイテーションを獲得する外部対策
Googleは第三者がWebサイトを評価しているかどうかを指標のひとつにしています。
それが「被リンク」と「サイテーション」です。
被リンク
被リンクとは、Webサイトが他のサイトからリンクされていることです。SNS投稿は含まれません。
サイテーション
会社名・商品名・Webサイト名などがネット上に出ることです。こちらはSNSを含みます。
外部対策は自社で行うことができないので、
・WebページにSNSボタンを設置する
・新規ページを公開するときにはSNSに投稿する
・知り合いに直接リンクをお願いする
・他のメディアに取り上げてもらえるよう依頼する
などの施策をしながら、幅広く認知されるまでじっくり待ちます。
Google検索の新機能「SGE」に対応するための5つの対策
上記でSEOの基本的な進め方であるコンテンツ作成、内部対策、外部対策について解説しました。
これらの方法はSGE(AIによる検索意図への回答)が表示されるようになっても基本的には変わりません。
WebサイトがGoogleから高評価を得ることは、ユーザーにとって利用しやすいWebサイトを構築することでもあるからです。
しかし、SGE表示がある新しいしくみのなかで力を入れるべき対策がいくつかあります。
1 内部対策に力を入れる
Googleのクローラーに正しく評価され、SGEに引用されやすくするために、今まで以上に内部対策が重要です。前述したような構造化データが間違いなく挿入されているかチェックしましょう。「FAQ」「レビュー」「HowTo」などが明記されていることが大事です。Googleサーチコンソールによる定期的なチェックも欠かせません。
2 E-E-A-T、特にE(経験)の強化
内部対策だけでなく、コンテンツのクオリティも重要です。評価基準であるE-E-A-Tに沿って質の高いコンテンツを作成しましょう。特に最初のE(経験)が重要です。他と差別化できる固有の経験はSGEに引用はされなくてもオリジナリティがあるコンテンツとして評価されます。
3. 読みやすいコンテンツを意識
AIがWebページを参照するようになり、今まで以上にわかりやすく読みやすい文章であることが有効です。
・最初に結論を示す
・箇条書きを使う
・簡潔に短くまとめる
このようなコンテンツ作りはAIのためだけでなく、一般ユーザーや顧客にとっても有効です。
4. ロングテールキーワードを活用
検索ボリュームが多いビッグワードにはSGEが表示されますが、ボリュームが少ないスモールワードではSGEが表示されず、従来通りのWebサイトを列挙した検索結果が並びます。自社の顧客や将来のターゲットユーザーについて理解を深めて、ロングテールキーワードによりユーザーの検索意図に応えることができれば、SEO対策として有効であるとともにCVの向上にも寄与するでしょう。
5. ブランドを強化して指名検索を増やす
ユーザーに選ばれ、読まれるコンテンツを蓄積していくことで認知度が上がり、ブランディングに役立ちます。そうすれば次第に企業名や商品名を覚えている人が増えて、指名検索が増えるでしょう。実際のブランド強化にはSNS運用、メルマガ、広告などの複合的なマーケティング活動が必要ですが、SEOにおいて指名検索を増やすというゴールを意識することは大切です。
SEOで避けたいNG行為
SEOで避けるべきNG行為として、以下があります。
キーワードの詰め込み過ぎ
検索キーワードが多すぎる文章、キーワードは入っているが意味がつながっていない文章を掲載することは逆効果です。
コピーコンテンツ、AIそのままのコンテンツ
他のWebサイトからのコピーはもちろん、自分のWebページのコピーでコンテンツを作成することもNGです。また、生成AIによる文章をそのまま掲載することも避けましょう。
架空の構造化データ、隠しテキスト
Googleのクローラーに評価されるためだけの意味のない構造化データ、リンク、テキストなどの埋め込みは逆効果です。
不正な被リンク
有料の被リンク購入、自作自演のリンクなどはNGです。ペナルティ対象となる可能性が高いです。
ユーザビリティ非対応
通信速度が遅い、スマホ画面で画面が崩れるなど、ユーザビリティを低下させることがないよう、モバイルフレンドリーテストなどでチェックしましょう。
検索順位が上がらない・下がってきたときの、サイト改善方法
立ち上げたWebサイトの検索順位が思うように上がらないときや下がってきたとき、あるいは現在上位にいる場合であっても、継続的なデータの更新と既存ページの改善が必要です。
また、Webサイトの最終目的は上位表示ではなくCVなので、アクセス数は多いがCVが増えないという場合もサイトの改善が必要です。
このような場合のWebサイトの改善方法を解説します。
アクセス数の変化をチェック
運営するWebサイトのアクセス状況は、Googleアナリティクスで常時確認します。
アクセスの総数や特定のページのアクセス数の減少傾向が見られたら、早めに原因を特定してサイトの改善を行います。
Googleサーチコンソールでは、各ページを見た人はどんなキーワードで検索したかがわかります。
Webサイトで設計した通りのキーワードからのクリック率が減少していれば、そのページは機能していないことになるので、ページのリライトを検討します。
また、サイト設計したときのキーワードではなく、違うキーワードによる流入が増えてしまっている場合、CVに結びつかない可能性があります。このようなときもリライトしますが、再度キーワードの選定からやり直すこともあります。
参考:【企業向け】Googleアナリティクス(GA4)の使い方と設定方法、活用事例を解説
参考:Googleサーチコンソールの使い方!SEOを強化するための基本的な手順と用語解説
ページのリライト
ページのリライトにはリスクが伴います。順位が下がったページをリライトすることにより、さらに下がってしまう可能性もあるからです。したがって少し順位が下がった程度ならしばらく様子を見て、特に見てもらいたいページについてはまずタイトル変更を行い、さらに経過を見てから本文のリライトをします。
リライトの編集方針を決めるにも、検索上位のページが参考になります。また、既存ページに最新情報を追記することも有効です。
内部対策の再チェック
Webサイトを立ち上げるときに十分な内部対策を行っていても、新規ページが登録されていない、リンクが機能していないなどの不備が起きている可能性があるので、定期的に再チェックします。
このときもGoogleサーチコンソールで各要素を確認していきます。
HTML構文やリンク切れをチェックできる無料ツール、Webページ全体のSEOが適切かをチェックする有料ツールなどもあります。サーチコンソールでは不十分だと感じたときは各種ツールを試してみましょう。
まとめ
本稿のポイントは以下です。
- SEOとは、ユーザーがGoogleでキーワード検索をしたときに上位に表示されるための施策です。検索上位のWebサイトはクリックされやすいため、マーケティングの重要施策とされています。
- SEOでは、Googleのクローラーへの対応である「クローラビリティ」とユーザーにとって価値あるコンテンツを提供する「ユーザビリティ」が重要です。
- SGEとは、2024年末から検索結果に表示される、AIによる回答です。
- SEOのメリットとデメリットは以下です。《SEOのメリット》
・広告しなくても集客ができる
・購入意欲の高い顧客に出会える
・効果に持続性がある
・コンテンツが資産となる
・ブランディング効果がある《SEOのデメリット》
・成果を出すまでに時間がかかる
・難易度が高い
・コアアップデート対応が必要
・外注先の選定が難しい - SEOの進め方は以下です。1) コンテンツの作成
・キーワードの選定
・検索意図の理解・E-E-A-Tの対策
コンテンツ作成で重要となる評価基準が、Googleが示している「E-E-A-T」です。E-E-A-Tは以下の4つの条件で構成されます。
ーExperience(経験)
ーExpertise(専門性)
ーAuthoritativeness(権威性)
ーTrustworthiness(信頼性)・記事の作成
2) 内部対策
内部対策とは、「クローラビリティ」「ユーザビリティ」を上げるために行う、技術的な対策のことです。以下のようなチェックポイントがあります。
・ディスクリプションの設定
・XMLサイトマップの登録
・内部リンク
・URLの最適化と正確なタグ付け
・パフォーマンス向上
・モバイルフレンドリー3) 外部対策
Googleは第三者がWebサイトを評価しているかどうかを指標のひとつにしています。
以下のような要素があります。
・被リンク
・サイテーション - 既存のWebサイトの順位が上がらない・下がってきたときは、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールで問題を見つけ出し、改善します。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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