URLパラメータとは?種類やメリット、活用事例、注意点を解説

Webサイトを見ていると、上部に表示されるURLがとても長くなっていることがあります。
このとき、URLパラメータが付与されていることが多いです。

URLパラメータは、マーケティングにおいて非常に重要な役割を果たしています。

今回はURLパラメータとは何か?という基本からかんたんに解説し、種類や書き方、運用上の注意点についても述べていきます。

シャノンで実施しているURLパラメータを使った効果測定についてもご紹介します。

URLパラメータとは?

URLパラメータとは何か、種類や役割について確認します。

URLパラメータとは何か

パラメータとは、変数、引数などとも呼ばれ、コンピュータプログラムのなかで、そのときどきで変化する値のことです。

このパラメータがURLに付加されているとき、URLパラメータといいます。

URLは、Webページを特定しますが、URLの後半に「?」から始まる文字列が続いていることがあります。これがURLパラメータです。

URLパラメータの具体例を見てみましょう。たとえば、シャノンが配信しているメルマガ内のリンクをクリックしてみます。

パラメータURLの入ったメルマガ

「詳しくはこちら」ボタンをクリックすると、このとき上部に表示されるURLは以下です。「?」から後の部分がURLパラメータです。

https://www.shanon.co.jp/blog/entry/pipeline/?utm_source=mmag&utm_medium=email&utm_campaign=20230217&utm_content=html

赤字の部分は、「いつ、どこからシャノンのWebサイト内のページにアクセスした」という、ユーザーの流入経路を示す情報を付与しています。

このようなURLパラメータがマーケティングに重要な役割を果たします。

くわしい意味や書き方のポイントについては、後ほど解説します。

URLパラメータは「アクティブ」「パッシブ」の2種類

URLパラメータには「アクティブ」「パッシプ」の2種類があります。

アクティブパラメータ
名前のとおりパラメータがWebページの表示を変化させるURLパラメータです。
検索結果が表示されるとき、URLには「?」より後に検索で入力した語が入り、ときには長い文字列がつきますが、これらがアクティブパラメータです。
また、ECサイトなどで自分が見たい商品を絞り込むときも、検索結果を表示するページのURLをよく見ると、絞り込み条件が「?」の後に入っています。

パッシプパラメータ
Web表示には影響を与えないURLパラメータのことです。
具体的には、最初の例で示したものがパッシプパラメータです。
パッシプパラメータは、主にGoogleアナリティクスなどによるアクセス解析で使われます。
マーケティングの現場で「URLパラメータ」というとき、たいていは後者のパッシブパラメータを指しています。

マーケティングでURLパラメータを使うメリット

マーケティングではURLパラメータを活用しています。URLパラメータを設定することにより、以下のようなメリットがあります。

ユーザーの流入経路が正確にわかる
Webサイトを訪問したユーザーが直前にどこのページを経由してきたかが正確にわかります。経路の例としては以下があります。

  • 自然検索
  • 広告
  • SNS(投稿/SNS広告)
  • メールマガジン(何月何日のメルマガか)
  • 他のWebサイト(まとめ記事など)
  • スマートフォンアプリ
  • QRコード

流入経路を計測・分析するにはGoogleアナリティクス(GA)を使用します。

GAではユーザーが直前に経由した「参照元」をある程度見ることができますが、Googleに出稿した広告以外の広告などは自然検索に分類されてしまいます。

しかしURLパラメータを設定しておくことで、流入経路を正確に知ることができます。

参考:マーケティングに欠かせないアクセス解析。Googleアナリティクスの目的、MAとの違い・使い方は?

広告の費用対効果を計測できる
Google広告を含めたすべての広告のうち、どこからの流入が多いかを計測できます。URLパラメータはより効果の高い広告出稿計画を立てるために有効です。

集客効果が高いマーケティング施策がわかる
実施する多様なマーケティング施策のうち、集客効果が高い施策を詳細に測定することができます。
また、「ウェビナー集客」「大規模なイベントの集客」「問い合わせ数」など個別の案件やCVについて、どの施策の効果が高かったかがわかります。

URLパラメータの記述ルールと書き方、活用例

具体的なURLパラメータの記述方法、活用の事例を紹介します。

URLパラメータの記述ルール

URLパラメータの記述方法には以下のようなルールがあります。

URLパラメータの記述ルール
「?」から始める。1つのURLに「?」は1つだけ
パラメータ名と値は1対1にして、=でつなぐ
複数のパラメータは「&」でつなぐ

また、Googleにより、GAでアクセス解析するための5種類のURLパラメータのルールが定められています 。

Googleアナリティクスで解析できるURLパラメータの記述ルール
パラメータ名 使い方
utm_source (必須) プロパティにトラフィックを誘導した広告主、サイト、出版物、その他を識別します(Google、ニュースレター 4、屋外広告など)
utm_medium (必須) 広告メディアやマーケティング メディアを識別します(CPC 広告、バナー、メール ニュースレターなど)。
utm_campaign (必須) 商品のキャンペーン名、テーマ、プロモーション コードなどを指定します。
utm_term (任意) 有料検索向けキーワードを特定します。検索広告キャンペーンにタグを設定する場合は、utm_term を使用してキーワードを指定することができます。
utm_content (任意) 似通ったコンテンツや同じ広告内のリンクを区別するために使用します。たとえば、メールのメッセージに行動を促すフレーズのリンクが 2 つある場合は、utm_content を使用して別々の値を設定し、どちらが効果的か判断できます。

5つのパラメータのうち任意の項目もあります。URLごとに必要なパラメータだけを「&」でつないで設定します。

URLパラメータの書き方

このようにして作成するURLパラメータが付加されたURLの例が以下です。実際にシャノンがウェビナー集客で利用しているURLパラメータです。

https://www.shanon.co.jp/blog/entry/pipeline/?utm_source=mmag&utm_medium=email&utm_campaign=20230217&utm_content=html

メルマガのなかに、ウェビナーのURLとして上記のURLを記載し、赤字の箇所がパラメータとなります。

パラメータそれぞれの要素は以下の通りです。

utm_source メールのなかでもメルマガ経由であることがわかる「mmag」
utm_medium メール経由であることがわかる「email」
utm_campaign いつ配信したものから経由したかがわかる。
上記のURLは2023年2月17日のメール内のものなので「20230217」。
utm_content テキスト形式とHTML形式のうち、HTML形式経由であることがわかる「html」

同様の方法で、広告内のURL、印刷物に掲載したQRコードのURLなどにそれぞれを識別するURLパラメータを追加します。

URLパラメータを生成するツール

GoogleからURLパラメータを生成するツール「Campaign URL Builder」が提供されています。
長くなりがちなURLパラメータをミスなく記述するために便利です。

Campaign URL Builderの画面

各欄に必要事項を入力すると、URLを返してくれます。

URLパラメータの活用事例

URLパラメータを使うことにより、マーケティング施策の効果測定ができます。

以下は、4回のメルマガを配信してウェビナーの案内をしたときに、どのメルマガが集客の効果が高かったかの分析例です。データをもとに、CVがよかったメルマガ、低かったメルマガを比較・分析して、メルマガのコンテンツや配信のタイミングなど、今後の施策を改善していくことができます。
パラメータを活用した集客効果の分析例

上記のCVの計測は、GAで設定できます。

GAとの連携方法については以下の記事でくわしく紹介しているので参照してください。
参考:MAの集客活動に役立つアクセス解析。その基本から、シャノンが実践する効果的なGoogleアナリティクス連携事例までご紹介!

URLパラメータ運用の注意点

URLパラメータを継続的に運用していくときの注意点を紹介します。

リダイレクトでパラメータが引き継がれないことがある

リダイレクトとはWebページのURLから別のページへと自動転送することで、サイトをリニューアルしたときなどに必要な処理です。

リダイレクト設定によりURLパラメータが失われてしまうことがあります。「.htaccess」ファイルによるリダイレクト設定であれば基本的に引き継がれますが、設定後には確認しましょう

リダイレクト、.htaccessについては以下の記事で解説しています。
参考:リダイレクトとは?種類や設定方法、リダイレクトエラーへの対処方法を解説

URLパラメータのルールを統一する

正確に計測するためには、URLパラメータの値のルールを統一する必要があります。

マーケティング部門の日常的な処理では当然、統一ルールを定めて運用しているはずなので問題ないですが、少しイレギュラーな対応が必要となったとき、注意が必要です。

たとえば、複数企業が共催するベントの場合は、企業間でURLパラメータの共通ルールを決める必要があります。

また、最初は「今回限り」の予定で開催したイベントが、その後毎年開催になることもあります。

そんな場合でもURLパラメータを統一することが大事です。担当者が変わってもわかりやすいよう、運用管理しましょう。

以下は、シャノンのURLパラメータ付与ルールです。

パラメータのルール例

まとめ

本稿のポイントは以下の3点です。

  1. URLパラメータとは、URLの後に「?」から始まる値を付与したURLのことです。検索結果の表示に使用されるアクティブパラメータと、表示されるページには変化がないパッシブパラメータとがあります。
  2. マーケティングではパッシブパラメータを活用します。流入元の情報をURLパラメータに記述しておくことで流入経路がわかり、施策の効果測定ができます。
  3. URLパラメータがリダイレクト設定により引き継がれない場合や、共催イベントなどのイレギュラーな施策対応では注意が必要です。

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