リダイレクトとは?種類や設定方法、リダイレクトエラーへの対処方法を解説

Webサイトをリニューアルしたときなどに「リダイレクト設定」が必ず必要となります。
リダイレクトのしくみと設定方法は、Webサイト管理担当者が知っておくべき知識のひとつです。

リダイレクト設定は難しくはないですが、様々な理由でGoogleから「リダイレクトエラー」の警告がされることがあり、これもまた担当者を悩ませる問題です。

今回は、リダイレクトとは何か、なぜ必要かの基礎知識と設定方法、リダイレクトエラーの対処方法までを解説します。

リダイレクトとは何? なんのために必要か

リダイレクトとは何か、その目的と使い方を確認します。

リダイレクトとは

リダイレクトとは、Webページを自動転送することです。ページをリダイレクトさせるには、Webサイトの管理者が正しく「リダイレクト設定」をする必要があります。

WebサイトやページのURLを変更したときや、PC用サイトとスマートフォンサイトを出し分けするときなどに、この設定は欠かせないものです。

リダイレクトがなぜ必要か

リダイレクトがなぜ必要なのかについては、以下2つの理由があります。

ユーザーの離脱をふせぐ
たとえば、ユーザーが特定のWebページをあとで見るためにブックマークしていたとします。再びURLを訪れたらそのページがすでになかった場合は、「404 Not Found」という表示や「このサイトにアクセスできません」というメッセージが表示されます。

また、古いページが残っていた場合には、ユーザーは最新ではない情報を見ることになります。こうした状況はユーザビリティを損なうもので、今までサイトを訪れていたユーザーを失うリスクがあります。

適切なリダイレクト設定がされていれば、ユーザーは自分のブックマークからストレスなく新しいページを閲覧できます。

SEO対策
サイトのリニューアルなどでURLが変更になったとき、古いWebサイトからリニューアル後のサイトへリダイレクト設定が必要です。リダイレクトされていない場合、Googleのクローラーがリニューアルされたサイトを新規のサイトと認識するので、SEOの評価が下がってしまいます。

また、Googleはサイトがモバイルフレンドリーかを重視する評価方法である「モバイルファーストインデックス」への移行を決めています。2023年1月現在その具体的なスケジュールの定めはありませんが、モバイルサイトへのリダイレクトを適切に設定しておくことも重要です。

参考:SEOをわかりやすく解説!検索順位を上げるためにまずとるべき対策は?

どんな場合にリダイレクトを設定するのか

以下のような場合にリダイレクト設定が必要です。

サイトのURLを変更したとき

WebサイトのURLはできるだけ変更しないことが基本です。しかしどうしても変更しなくてはならない場合として、以下があります。

サイトのドメイン変更
会社の合併や社名変更などにともない、Webサイトのドメインを変更することがあります。

サイトのリニューアルや見直し
Webサイトをリニューアルするときにも極力URLを変更しないことが望ましいですが、一部で変更が生じるページも出てきます。

また、重複するコンテンツが複数ページに分かれて記述されていることはGoogleの評価を下げます。

ひとつのページに統合することで、それぞれのページに分散していたSEO評価も統合できます。

URLの正規化
URLに「www.」や「index.html」などがあり・なしのページが混在している場合、それを統一させて、使用しないURLはリダイレクトさせます。

また、SSLを導入したときは「http」から「https」へのリダイレクトが必要です。

PC用とスマートフォン用のサイトで異なるURLを使用しているとき

現在は画面の大きさに合わせて表示が変化する「レスポンシブデザイン」により、デバイスを問わず同じURLでサイトを制作することが一般的です。

しかし同じ内容のページについてPCとスマートフォンで別々のURLを使用しているときは、リダイレクト設定が必要です。

一定期間、別のページに遷移させたいとき

ECサイトなどで期間を限定してキャンペーン情報を表示させたいとき、サーバーメンテナンス中などには期間を限定したリダイレクト設定をします。

リダイレクトの種類と設定方法

リダイレクトの種類と具体的な設定方法について解説します。

サーバーサイドリダイレクトとクライアントサイドリダイレクト

サーバーサイドリダイレクトとはリダイレクト設定をサーバー側で行うこと、クライアントサイドリダイレクトとはクライアントが見ているブラウザに設定することです。

サーバーサイドリダイレクトはHTTPリダイレクトとも呼ばれます。

クライアントサイドリダイレクトとは、ユーザーが見ているブラウザ上にリダイレクトが表示される設定方法です。

Webページで「本サイトはhttps://××××に移転しました。5秒後に新しいページを表示します」などの表示を見たことがあると思いますが、これがクライアントサイドリダイレクトです。

一方のサーバーサイドリダイレクトは、ユーザーがページのリダイレクトを意識することなく、リダイレクト先のページが表示されます。

Googleはサーバーサイドリダイレクトを推奨していること、ユーザー側がスムーズにページを利用できることから、通常はサーバーサイドリダイレクトを設定します。

301リダイレクトと302リダイレクト

サーバーサイドリダイレクトには301リダイレクトと302リダイレクトの2種類があります。
301、302などの数字はGoogleのクローラーが読み取るステータスコードです。

301リダイレクト
今後ずっと使用し続けるリダイレクトでは301リダイレクトを設定します。
サイトのリニューアルや正規化をした場合は、リダイレクト先だけを使い続けることになるのでこちらになります。
新URLがGoogleにインデックス登録され、古いURLのSEO評価も新しいURLへ引き継がれます。

302リダイレクト
一時的にリダイレクト設定するときには302リダイレクトを用います。
サーバーのメンテナンス期間の表示、PCとスマートフォンで表示するURLの変更、一時的にキャンペーンやお知らせを表示させたいときなどが該当します。
302リダイレクトでもGoogleには一時的な変更として認識され、SEO評価は引き継がれますが、インデックス登録されるまでに301よりも時間を要します。

リダイレクトの記述例

サーバーサイドリダイレクトの代表的な記述例として、Googleが推奨していて一般的に使用されている「.htaccess」による設定方法をご紹介します。

サーバー内に「.htaccess」というファイルがあればその中にリダイレクトを記述します。ない場合は、新規にファイル名「.htaccess」でテキストファイルを作成します。

ファイルに以下のような記述をすることで、リダイレクト設定できます。

ドメイン変更の場合には以下となります。

このほか、ディレクトリ単位での設定、SSL化にともなう設定など、各種の記述方法があります 。

また、ページやディレクトリへのリダイレクト設定が一時的である場合には、最後の[R=301,L]の数字を302として設定します。

.htaccessによるリダイレクト設定が最もおすすめですが、Apacheが使用されていないサーバーでは、.htaccessが使用できません。その場合、phpなど他の方法により記述する方法があります。

リダイレクト設定が正しく機能していないとSEO評価が下がったりユーザー流入数を減らしてしまったりするリスクがあります。バックアップをとりながら慎重に行いましょう。

リダイレクト設定の注意点、警告が出たときの対処法

リダイレクト設定のチェック方法、正しくリダイレクトされているはずなのにエラーが出るときの対処方法を紹介します。

正しく設定できたかをチェックツールなどで確認

今まで述べてきたように、リダイレクト設定をミスなく行うことが重要です。リダイレクトを設定したときは、正しくリダイレクトされるか必ずチェックしましょう。

まず単純にリダイレクト元のページURLを入力したときに、リダイレクト処理が行われるかをチェックする方法があります。しかしページ数が多いときは、リダイレクトチェックツールを使う方法があります。

Web上で提供されているものとして、たとえば以下があります。

リダイレクトチェックツール
https://tool.mface.jp/redirects/check/

ただしこれらはサーバーサイドリダイレクトについてチェックできますが、クライアントサイドリダイレクトについてはできないので注意してください。

Googleサーチコンソールで「リダイレクトエラー」が表示されたら

WebサイトをGoogleがどのように認識・評価しているかを確認するには、Googleが提供している無料ツール「Googleサーチコンソール」を使います。

GoogleがWebサイトを評価する基準の詳細は「Google検索セントラル」に明記されています。Googleサーチコンソールでは、自社のWebサイトがこの評価基準に照らして問題がないかを確認できます。

サーチコンソールの「インデックス」>「カバレッジ」項目でページに「リダイレクトエラー」が表示されていたときは、原因を特定して改善する必要があります。

Googleサーチコンソールのしくみ、使い方については以下の記事で解説しています。
参考:Googleサーチコンソールとは?検索順位を上げる使い方をかんたん解説!

リダイレクトエラーの原因と対処方法

Googleサーチコンソールのヘルプリダイレクトエラーにはいくつか種類があります。「Search Consoleヘルプ」には以下が示されています。

リダイレクト チェーンが長すぎる
リダイレクト設定が1回だけでなく何回も設定されている場合のエラーです。Googleによるとリダイレクトは10回までとされています。

リダイレクト ループが発生している
リダイレクト設定がページX→ページY→ページXのように設定されていてループが発生している場合です。正しいリダイレクト先を再確認します。

リダイレクト URL が最終的に URL の最大長を超えた
日本語がURLに含まれているとURLの文字列が長くなります。URLの文字列を点検して短くする修正が必要です。

リダイレクト チェーンに不正または空の URL がある
リダイレクトの不正とは、リダイレクト元とリダイレクト先のコンテンツが異なっているという意味で、ユーザーが意図しないページへ誘導しているとGoogleが判断しているということです。
また、URLに半角スペースなどがあると「空のURL」と判断されます。

リダイレクトエラーを修正した後は、しばらく時間をおくとGoogleサーチコンソールのエラー表示が消えます。

しかし、「リダイレクトエラー表示が消えない」「リダイレクトエラーの原因が特定できず、対処方法がわからないという状況になることもあります。その場合は専門家への相談をおすすめします。

リダイレクト設定は解除しないのが基本

一度設定したリダイレクトは解除しないことが原則です。

ただし、11回以上リダイレクト設定されると上記で述べたようにリダイレクトエラーになってしまいます。

このような状態を避けるためにリダイレクト設定の一部を解除することがあるかもしれません。

リダイレクト設定から1年以上が経過していれば、リダイレクト先へ評価が蓄積されているので、解除しても問題がないとされています。

しかし、やむをえない場合を除き、リダイレクト設定は解除しないことが望ましいです。

ユーザー側から見た不適切なリダイレクトの警告とは

最後に、ユーザー側が見ているページに出る「リダイレクトの警告」についても確認しておきます。

ユーザーがWebサイトを閲覧していると、以下のように表示されることがあります。

これはGoogleが表示している警告です。ユーザーが見ようとしている本来のページから全く違うページへとリダイレクトさせる「不正なリダイレクト」へと設定されている可能性があるとき、

そのページに遷移する前にこのような表示が入ります。

これはユーザビリティ向上のためのしくみですが、実際には内容に問題がなくても警告が表示されることがあります。

ユーザーの対処法としては、ブラウザをシークレットモードで表示させる、Cookieを削除するなどがあります。

また、hettp://~が安全なサイトだと知っている場合はそのまま進んで閲覧することもできます。

Webページを提供する側としては、ユーザーのブラウザにこのような警告が出る可能性をできるだけ少なくするためにも、今回ご紹介してきたようなリダイレクトをミスのないように設定することが大切です。

まとめ

本稿のポイントは以下の3点です。

  1. リダイレクト設定とはWebページを自動転送することです。Webサイトのリニューアルなどで新たなURLに変更するときに必要な設定です。
  2. リダイレクト設定はサーバーサイドで「.htaccess」ファイルで設定する方法が最も一般的です。ミスのないように設定して、一度設定したリダイレクトは解除しないようにします。
  3. リダイレクト設定のエラーはGoogleサーチコンソールで確認して修正をします。

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