「バナー広告」は主に画像を表示させる広告で、Web広告が始まった頃からのスタイルです。
そして今も、主要なWeb広告の手段として活用されています。
今回は、現代のWeb広告におけるバナー広告の位置づけ、メリットとデメリット、出稿方法など、基本から解説していきます。後半ではシャノンの「効果があったバナー広告」の実例を示しながら、集客できるバナー広告制作のポイントも紹介します。
バナー広告とは? メリット・デメリットや種類を解説
バナー広告とは何か、メリットやデメリット、ディスプレイ広告との違いなどについて解説します。
バナー広告とはどんな広告か
バナー広告のバナーとは「旗」の意味。旗のような長方形の画像で広告を表示することからバナー広告と呼ばれます。
ネット上での広告が始まった1990年代頃、広告のコンテンツはテキストか画像のみで、「テキスト広告」「バナー広告」と呼んで区別していました。
以下はシャノンのバナー広告の一例です。
現代のバナー広告とは、Webページの広告枠に表示される広告で、画像のほか、テキスト、動画、アニメーションなどが掲載されることもあります。
バナー広告とディスプレイ広告の違い
バナー広告は、現代のWeb広告のなかではどう位置づけられるのでしょうか。
以下はYahoo! Japanのトップページの広告枠です。各位置に表示される広告は、どれもバナー広告と呼ばれます。
これらの場所に表示される広告は「ディスプレイ広告」とも呼ばれます。
バナー広告とディスプレイ広告との違いは何でしょうか。
「バナー広告」「ディスプレイ広告」という用語は、ほぼ同じ意味で使われていることが少なくありません。ネット上では「明確な違いはありません」という解説もよく見かけます。これも一般的な解釈といえます。
一方、2つの用語を違うものとして使い分けている場合もあります。
このとき、以下のような区別がされています。
ディスプレイ広告はテキスト、画像、動画などWebページ内に表示される広告全般
バナー広告は画像またはアニメーションで表示される広告で、ディスプレイ広告の一種
以上のように、ディスプレイ広告とバナー広告は同じとされていることもあるし、使い分けられていることもあるのが現状です。会話や文章の流れで読み取りましょう。
本記事では、バナー広告にはテキストや動画を掲載した広告も含むという定義のもとで述べていきます。
バナー広告のメリットとデメリット
バナー広告のメリットとして、以下が挙げられます。
情報量が多い
バナー広告はWebページ上の限られたスペースでの配信となりますが、画像により多くの情報を届けることができます。動画やアニメーションを追加することで、さらに訴求力を増すこともできます。
認知度向上に役立つ
バナー広告がクリックされない場合でも、多くのユーザーの目に触れて、社名や商品名、ブランドの認知度を高めることができます。
即効性がある
イベントの告知、新商品の紹介など、ターゲット層にできるだけ早く、幅広く告知したいときに有効です。
潜在顧客にアプローチできる
ニーズがあるのに気付いていない潜在顧客には、バナー広告が有効です。潜在顧客にアプローチするときは、商品名よりも「こんな困りごとありませんか?」といった切り口でユーザーの注目を集める手法がとられます。
参考:潜在顧客とは? 顕在顧客、見込み顧客との違いやアプローチ方法、企業事例を解説
一方、バナー広告のデメリットと考えられるのは以下の点です。
CVが低いこともある
バナー広告はクリックすると自社のランディングページに遷移して、集客につながります。しかし、ユーザーが広告をクリックする率は低く、簡単にCVに結びつかないことがデメリットです。
制作コストがかかる
バナー広告の制作にはデザイナーが必要で、一定のコストがかかります。ユーザーに注目され、クリックされるためのビジュアルを工夫することにも常に苦労があります。
成果が出ないこともある
広告全般にいえることですが、バナー広告でも狙い通りの成果が出せないことが少なくありません。しかしWeb広告の場合は効果測定ができるので、検証と改善を繰り返していくことが大切です。
バナー広告の種類と位置づけ
バナー広告には運用型広告と純広告の2種類があります。
運用型広告とは、予算、出稿期間、ターゲットなどを設定してGDNやYDAのようなアドネットワーク、SNSなどに依頼し、ターゲットに該当するユーザーが見たWebページ内の広告枠に表示させるWeb広告です。掲載されるメディア、広告の位置などはあらかじめ決まっていません。広告が表示されるしくみにはRTB(Real Time Bidding)が活用されています。
参考:RTB(Real Time Bidding)とは?しくみやメリットを紹介
純広告は、掲載されるメディア、広告枠、掲載期間が決まっていて、Webサイトを訪れたユーザーすべてに同じ広告を表示させる方法です。
バナー広告はリターゲティング広告として配信されることもあります。
リターゲティング広告とは、過去に特定のWebページを見たり、Web広告をクリックしたりした履歴があるユーザーが閲覧している別のWebページに、過去にアクセスした情報と同じ内容が表示される広告のことです。
バナー広告の作成・出稿・運用
バナー広告の具体的な運用手順とポイントを紹介します。
コンテンツの作成
バナー広告の制作では、まず広告の目的とターゲットを明確にして、それに合うビジュアルを制作します。
シンプルかインパクト重視か、色調はダークかライトか、などの選択は企業と商品のイメージやそのときどきの告知内容によっても違ってきます。どんなクリエイティブなら効果があるかというのは、広告制作スタート時点では判断が難しいところです。
多くの場合、キャッチコピーが重要です。ユーザーがWebサイトを閲覧する短い時間に目を留めるような「ちょっと気になる広告」を目指しましょう。デザインについては、Web上にいくつか公開されているバナーギャラリーサイトを参考にすることもできます。
また、企業の公式Webサイトやオウンドメディアと企業ロゴやイメージカラー、トーンを統一することが、ブランディングに有効です。
バナー広告の課金方式と出稿の方法
バナー広告の課金方式には以下があります。
クリック課金方式
バナーがクリックされたときに課金されます。1クリックあたりの料金の上限を広告主側が設定します。1クリックあたり10~数百円です。
成果報酬式
クリックよりさらに先の、商品購入や会員登録、資料請求などの成果が発生したときに課金されます。クリック課金より単価が高くなります。たとえば商品代金の30~40%のように料金が設定されます。
インプレッション課金方式
広告がWebサイトに表示されたときに課金されます。1回あたりの料金は低く設定されています。1,000回表示されると100円~数百円のように料金が設定されます。
期間保証方式
人気のあるメディアでは一定期間の広告表示契約で料金が決められます。最初に紹介したYahoo!トップページのバナー広告などではこの方式がとられていて、料金は高額となります。
バナー広告の出稿は、まず大手アドネットワークであるGDN(Googleディスプレイネットワーク)、YDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告 運用型)に依頼することが一般的です。
その他にはスマートフォンアプリやSNSへの出稿という選択肢もあるので、自社に合ったプランを策定します。
効果測定と改善
テレビCMや雑誌広告とちがい、Web広告は効果を測定できることが大きなメリットです。
バナー広告を出稿したとき、ほぼリアルタイムでその結果となるデータを取得して、その後の広告プラン改善に役立てることができます。
Web広告の効果測定では、まず無料のGoogleアナリティクス(GA)を導入することが一般的です。GAにより、いつ、どの広告からWebサイトへのユーザー流入があったかのデータが得られます。
参考:マーケティングに欠かせないアクセス解析。Googleアナリティクスの目的、MAとの違い・使い方は?
ただし、GAはGoogleへ出稿した広告からの流入を計測しますが、Yahoo!など他のメディアからの広告は計測できません。したがって、すべての広告の効果を正確に測定するために、各広告にURLパラメータを付与することが欠かせません。
参考:URLパラメータとは?種類やメリット、活用事例、注意点を解説
一定期間測定を継続すると、効果があった広告とそうでない広告が明らかになってきます。効果があった広告については、その要因がクリエイティブなのか、掲載メディアや掲載時期なのかを推測できますが、それをさらに検証する必要があります。このとき、ABテストが有効です。
参考:ABテストとは?やり方やツールを紹介
効果があった広告の成功要因を明らかにしてさらに活用していく一方、効果が少なかった広告は改善をしていきます。
MAの導入により、さらに広告戦略を強化
Googleアナリティクスが計測の対象としているのは、広告から自社のWebサイトに流入する「匿名のユーザー」です。
一方、メールアドレスを登録してくれた人はユーザーから「見込み客」へと変わります。
MAの機能は、獲得した見込み客を詳細かつ継続的にフォローして、商談や購買という成果へ結び付けていくことです。広告の効果測定データをMAに連携することで、広告の改善や集客を促進できます。
シャノンの広告管理システム「SHANONアドクラウド」は、広告戦略を管理し、MAツール「シャノンマーケティングプラットフォーム」へと連携して、ワンステップマーケティングの実践を支援します。
成果が上がるバナー広告とは? シャノンの事例とポイントを紹介!
最後にシャノンで成果があったバナー広告の実例をご紹介します。
反響が大きかったバナー広告のクリエイティブを分析すると、いくつかの特徴を挙げることができます。
数値を示す
実績やアンケート結果などから取得できる、注目に値する数値を、バナー広告内で目立つように配置する方法です。
リードナーチャリングはひとことで説明しにくい手法ですが、このバナー広告は、限られたスペースのなかで、リードナーチャリングの必要性を端的に伝えることに成功した事例といえます。
課題解決策を示す
ターゲットユーザーが抱えていると想定される困りごとに対して、自社の商品やサービスがその解決策を提供できますという内容をわかりやすく伝えた例です。
バナー広告は画像で伝える広告と捉えられがちですが、重要なメッセージを簡潔なテキストで届けるデザインにしている例は他の広告でも多く見受けられます。
具体的なビジュアル
資料ダウンロードを促すバナー広告には、入手できる資料のビジュアルを掲載。合わせて、ダウンロード数を表示して人気の資料であることを示しています。
BtoCで具体的な商品の画像を見せますが、BtoBの資料を紹介するような広告でも同じような見せ方に効果があるようです。
まとめ
本稿のポイントは以下の4点です。
1.バナー広告とは、主に画像で表示させるWeb広告のことです。動画やテキスト、アニメーションを掲載することもあります。
2. バナー広告のメリットとデメリットは以下です。
《メリット》
- 情報量が多い
- 認知度向上に役立つ
- 即効性がある
- 潜在顧客にアプローチできる
《デメリット》
- CVが低いこともある
- 制作コストがかかる
- 成果が出ないこともある
3. バナー広告はターゲットを明確にしてクリエイティブを作成し、GDNやYDAに出稿を依頼します。広告の効果を測定した結果をもとに、次の広告プランを改善します。
4. 効果的なバナー広告の特徴として、具体的な数値をアピールしたり、課題の解決策をわかりやすく伝えたりといった点が挙げられます。
最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。
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