セミナーマーケティングは、見込み顧客と直接接点を持てるというメリットがあるため、BtoBや不動産・金融などの高額商材を扱うビジネスにおいて非常に有効なマーケティング手段です。

しかし、計画立案がなされずになんとなくで運用されていたり、十分に集客ができなかったり、さらにはやりっぱなしでビジネス成果につながらなかったりという課題もよく聞かれます。

持続的にセミナーで成果を出し続けるには、どのような運営を行えばよいのでしょうか。

なお、セミナーで費用対効果を改善するために欠かせないMAの機能については以下でくわしくご紹介しております。
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企業におけるセミナーの実際と課題

購買プロセスが長く複雑な高額商材ビジネスに有効なセミナー

セミナーは高額商材と取り扱っているビジネスと相性が良いマーケティング手法です。その理由として以下の理由が考えられます。

  • 製品・サービスが複雑で衝動的な購買がない
  • 購買決定までに複数人が関与する
  • 検討期間が長い
  • Webだけで購入まで完結しない

高額商材の購買プロセスにおいて、Webでの情報収集と営業担当者との商談の隙間をうまく埋めるのがセミナーとなります。

購買者の観点からは、Webの情報だけで購買を決定するのは難しいものの、セールス担当者を自社に呼ぶほど購買意志を固めていないという状況では、セミナーが最も便利で、情報収集しやすい手段になるのです。

セミナーがビジネス成果につながらないという課題

購買者に加え、運営者にとっても、その効果の高さに期待がかけられているセミナーではあるものの、実際に運営する上では課題もあります。

資料作成・メール配信・当日受け付けといった作業に忙殺されていると、セミナーを開催するのが目的になってしまい、ビジネスを成長させるという本来の目的を見失ってしまいます。

こうなると多くの企業では「セミナーが商談につながらない」という課題が発生するのです。この原因として以下の問題が指摘されています。

  • セミナー申込者、参加者に対して適切なフォローをしていない
  • そもそもフォロー対象となるセミナー参加者を集客できていない
  • フォローや集客などを含めて計画を立案できていない

以降では、計画・集客・フォローの各課題をその解決方法を解説します。

計画:5Wのフレームワークで方針決定

セミナーの計画を行う上では、「WHO」「WHY」「WHAT」「WHEN」「WHERE」という5Wのフレームワークを使って立案する方法が有効です。

計画時には、特に「WHY」「WHAT」「WHEN」が重要です。

WHY:効果が高いのは既存マーケティングリードのフォローを目的としたセミナー

セミナーの目的としては、見込み顧客の新規獲得と、見込み顧客の獲得後フォローが代表的です。

難易度は高いもののセミナーを通して「見込み顧客の新規獲得」を狙うことができます。この場合は、集客予算を確保して中~大規模のセミナーを開催したり、他社との共催セミナーを開催したりする手法が考えられます。

セミナーが他の施策と比較して効果的と考えられるのが、「既存マーケティングリードのフォロー」です。展示会、記事広告等多くの新規見込み顧客が獲得できる施策のフォローアップとしてセミナーを利用すれば、効率的で効果の高いマーケティングを行うことができます。

WHAT:参加者の購買プロセスに合致したセミナー内容を立案

セミナーの内容を決定する際には、参加者目線で確認しなければなりません。自社に対する購買意欲によって参加者がセミナーに求める内容が異なってくるからです。

「いつかは」「そろそろ」と考えている見込み顧客には市場状況などの基礎的な内容、「どうしよう」「もっと知りたい」と考える人々にはノウハウ、事例などの具体的な内容、そして、「今すぐほしい」と考える見込み顧客には製品デモを見せて課題を解決する方法を提示しましょう。

忘れてはならないのは、参加者はセミナー参加と同時にWebサイトでも情報を収集しているので、購買意欲に合わせたコンテンツを整理し、チャネル間の整合性をとって情報提供していく必要があります。

WHEN:他チャネルと連動して最適な時期にセミナー開催

セミナーの開催時期は、セミナー単体で考えるのではなく、記事広告・展示会など、他のコミュニケーションチャネルとの連携を検討する必要があります。

例えば、4月の展示会に出展して、そのフォローを5月のセミナーで行う。6月は定期セミナーを行いながら、7月に記事広告を実施し、8月にフォローセミナーを行う。このように計画を立てることで初めて、持続的に集客、フォローを行うことが可能です。

集客:流入元を計測し、継続的にキャンペーンを改善する

セミナー集客のノウハウは一朝一夕には身に付かない

特定の時期に会場へ来場もらうセミナーは、集客の難易度が高いマーケティング手法です。

どの会社でも有効に働く万能な方法はなく、地道にセミナー運営のノウハウを蓄積していかなければなりません。

持続的に集客していくには、「いつ」「どこから」集客できているのか計測・検証を行い、効果が見込めない流入元を削除したり、予算の削減を行ったりしながら、その予算を新たな流入元に振り向けるという作業を繰り返し行うしかありません。

いつ、どこから申し込みがなされるかを詳細に計測、分析し続ける

集客元の計測は感覚的ではなく、定量的なデータから分析しなければなりません。

単にメールから集客しているというのでは十分ではなく、どのメールかという精度で計測が必要です。

流入元ごとに「タグ」と呼ばれるユニークな文字列を発行すれば、いつ配信したニュースレターなのか、Webサイトであればどのページのリンクから流入したかを正確に把握できるようになります。集客効果のある流入元を把握できれば、そこに広告を出稿する等して、予算の最適化を図れます。

持続的にセミナーへ集客するには、その時期を詳細に管理すると成果が上がります。分析を行った結果、セミナー開催から2週間前に50%の申し込みがなされるという傾向があったとすると、その時点で集客の目標人数に達していなければ、追加の集客プランを実施しなければならないことが分かります。

このような意思決定は勘に頼らず、データに基づいて行うのが重要です。

フォロー:営業とマーケティングの連携が必須

購買意欲の強い見込み顧客には営業部門が対応

定期的に集客できるセミナーが開催できたとしても、適切なフォローが行われなければ商談には結びつきません。

フォローを行う際には、1対1の商談に強い営業部門と、1対多数の見込み顧客へ効率的にアプローチできるマーケティング部門が、それぞれの得意分野で役割分担を行いながら、効果的なフォローを行う体制が推奨されます。

セミナーを行った後、「今すぐ買いたい」「製品デモが見たい」といった購買意欲の高さを見せた参加者に対しては、営業担当者へすぐに引き継ぎフォローを行います。

一方で、アンケートなどでまだ情報収集したいと回答するような、購買意欲の低い参加者に対しては、引き続きマーケティング部門からメールなどのチャネルを使ってフォローが適切です。

セミナーに参加しなかった人もフォロー対象

セミナーに登録した人のうち、約3~4割は事前にキャンセルしたり、登録しても当日参加しなかったりした人が含まれてしまいます。

マーケティング部門では、セミナー参加者だけでなく、このようにセミナーへ参加しなかった人々へのフォローを忘れてはいけません。欠席やキャンセルした見込み顧客には、資料をダウンロードできるリンクをご案内して興味を持っていただいた内容をきちんとお伝えすることが重要です。

セミナー開催後にお礼メールを送る企業は多くありますが、単なるお礼で済ませてはいけません。個別相談会やデモ、関連コンテンツの紹介などへ誘導できるようCTA(Call-To-Action)を必ず含めるようにしましょう。

セミナー参加対象に応じて誘導先を変えると、最適なフォローが行えます。

まとめ

高額商材を扱うビジネスにおいて非常に効果の高いセミナーですが、あらかじめ十分に計画していなければ、ビジネスの成果にはつながりません。

いつ、どこで、誰に、何を、なぜという5Wを明らかにしながら計画する。流入元を計測し継続的に集客施策を改善する。そして、営業部門と連携しながら適切なフォローをする。

これらの3つの点に取り組めば、セミナーを活用して持続的に成果を出し続けることが可能です。

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