マーケティングの成否を分ける「KPI」「KGI」の重要性とは。シャノンがKPI設定で失敗した実体験もご紹介!

f:id:shanon_marketing:20211125181854p:plain

KPI・KGIは、2000年代以降で主流になってきた、企業の成長に欠かせない指標です。 マーケティング分野でもKPI・KGIは重要視されています。

本記事では、まず企業のあらゆる部門において活用されているKPI・KGIの重要性を示し、次いでBtoBマーケティングにおけるKPI運用を解説します。 後半では、シャノンマーケティングチームがKPIを見直すにいたった事例と、それをふまえて現在運用しているKPIをご紹介します。

事業目標達成に欠かせないKPI・KGIを理解しよう

KPI・KGIとは何か、企業ではなぜKPIが重要なのかについて解説していきます。

KPI・KGIとは?

KPIは「Key Performamce Indicators」の略です。日本語では重要経営指標、重要業績指標などと訳されます。

KGIは「Key Goal Indicators」で、重要目標達成指標と訳されます。

KGIは企業の最終目標とすべき数字で、

  • 売上高
  • 営業利益
  • 業界シェア

などが該当します。 KGIはKPIの上位概念として位置づけられます。 企業の目標としてまずKGIを設定し、それを達成するために各部門が「いつまでにどんな成果を出すべきか」という観点からKPIが決まります。部門の担当者にとっては、KPIを達成することが日々の業務の目標となります。

KPIの設定がなぜ企業活動に重要か

企業が長期的に成長するために数値目標が欠かせないことに異論はないと思いますが、もう少しくくわしくKPIがなぜ重要なのかを整理しておきます。

1)KGIへの道筋をわかりやすくする

KGIが売上目標「今期1億円」などだった場合、営業部門やマーケティング部門はそれを達成するためにどうすべきかをKPIとして設定します。売上をつくる部門だけでなく、人事・総務・財務部門などもKGIをふまえてKPIを設定します。こうして、KGIに照準を合わせた全社的な企業行動が明確になります。

2)客観的な数字で業績を見える化し、PDCAを回せる

日々の成果を数値化することで、時系列での変化が明確になります。「ひと月前からKPIが達成できずにいる」というように問題を把握し、原因を分析して戦略や業務の改善をはかるPDCAサイクルをできるだけ早く回し、軌道を修正します。時系列比較のほか、 ・対前年比較 ・部門間比較 ・目標達成率比較 など、数字があればさまざまな分析と対策ができます。

3)  社内・部門内で意識を共有できる

KPIを基準に、社内・部門内では「今何をすべきか」が明確になります。個人はそれぞれ別の業務を担当しながらも同じKPIを目指しているという方向性を共有できます。人事評価の基準にもなり、個人のモチベーションを上げる効果もあります。

企業活動で使われるKPIの種類と実例

企業が使用するKPIとして、たとえば以下のようなものがあります。実際にはさらに多くの指標があります。

部門KPIの例
セールス部門
  • 売上高
  • 営業担当者1人あたり売上高
  • 新規顧客獲得数
  • 受注率
  • LTV(顧客生涯価値)
マーケティング部門
  • CPA(Cost Per Acquisition)
  • CAC(Customer Acquisition Cost)
  • WebサイトUU数、PV数など
  • 資料ダウンロード数
  • CVR(Conversion Rate)
  • ホットリード数
人事・労務部門
  • 離職率
  • 新卒/中途採用数
  • 従業員満足度
  • 従業員1人あたりの教育投資額
会計・財務部門
  • 利益率
  • 自己資本比率
  • 固定費
  • FCF(フリーキャッシュフロー)
  • ROIC(投下資本利益率)
  • 株価

BtoBマーケティングにおけるKPI・KGIの設定は、なぜ難しい?

BtoBマーケティングで使用するKPI・KGI指標

BtoBマーケティングではさまざまな施策を実施します。そのなかでどうKPIを設定するかは悩むところです。 おすすめは、マーケティング部門全体で意識するKPIを1つ設定する方法です。一方、施策ごとに成果をモニタリングできるKPIを設定する方法もあります。

BtoBマーケティングで使われる主なKPI
WebサイトUU数一定期間内のWebサイト訪問者数
自然流入数オーガニック検索により流入した訪問者数
CVR(コンバージョン率)流入した人のうち、資料ダウンロード、お問い合わせなどのアクションに至った割合
資料ダウンロード数ホワイトペーパーをダウンロードしたリード数
メールマーケティング開封率メルマガの開封率
URLクリック率メルマガ内のURLをクリックした人の割合
Web広告クリック率Web広告をクリックしたLPを訪れたユーザーの割合
CPA(CostPer Action)CV1件あたりにかかった広告費
ウェビナー申込者数ウェビナー申込者数
来場率ウェビナー申込者のうち来場した人の割合
インサイドセールス商談化率インサイドセールスが架電した結果、商談へと進んだ件数
マーケティング部門全体ホットリード数営業部門にホットリードとして引き渡した件数
商談化率ホットリードのうち商談化した件数の割合
受注率ホットリードのうち受注した件数の割合
CPA(Cost Per Acquisition)1人の顧客を獲得するためにかかったマーケティング費用
CAC(Customer Acquisition Cost)1人の顧客を獲得するためにかかった人件費などを含む総費用

   

表の最後に記載しているマーケティング部門全体のKPIは、連携する営業部門の成果につながる指標となっています。このようなKPIをマーケティング部門の全員が共有することで、日々の業務が最終目的から外れないようにすることができます。

BtoBマーケティングのKPI設定と運用の注意点

KPIの設定と運用は難しく、順調に進まないこともしばしばです。以下に注意点をまとめます。

1) KPI計測とPDCAはスピードが重要

企業活動のスピードは加速化し、週単位や日単位のKPI管理が一般化しています。可能な限り早く問題を見つけ出して軌道修正をするためのKPIですから、早く正確に計測し、社内で共有することが重要です。そのためには日々の成果のインプットも含めて、ワンストップで効率化する必要があります。

2)部門内や関連部門同士の合意形成が大切

部門の担当者にとって、KPIを比較的容易に達成できることもあれば、困難と感じることもあります。担当者が自分のミッション達成に難しさを感じたとき「このKPI設定がそもそも違うのでは」と思ってしまうことがあれば業務を進めていくことができません。マーケティング部門内、そして営業部門など関連する部門の全員が納得して取り組めるKPIであることが重要で、KPIを決める立場にある管理者は、KPI設定についての合意形成をはかる必要があります。

3)KPIにあてはまらない価値も見落とさない

「件数」や「割合」などの数値で表すことで目標達成への動きを効率化できることがKPIのメリットですが、効率重視には注意が必要です。 たとえば、「検討に時間を要する見込み客」を考えてみます。時折Webページへの訪問がありますが、なかなか興味・関心レベルを引き上げることができません。仮にインサイドセールスの架電まで進んでも「来年度に検討します」といった状況のこともあります。しかし1年以上かけて検討したうえで受注に至る顧客もBtoBビジネスでは一定割合存在するので、商談に至った直近の施策以外もきちんと取り組み、評価する必要があります。目先の数字や効率を意識しすぎるとこのようなリードのフォローが十分でなくなる可能性があることも理解し、注意しましょう。

4) ときにはKPIの見直しが必要

企業風土や業種によっても最適なKPIはちがいます。1年前までは順調に運用できていたKPIが環境変化により有効でなくなることもあります。また、「上場を目指す」「シェア争いに注力する」などの企業フェーズの変化により、KPIを変更することもあるでしょう。

ほかにもKPIを見直すべきケースがあります。「KPIは達成したがKGIは未達成」という場合です。 記事の後半では、シャノンのマーケティング部門が過去にKPIを見直した事例をご紹介します。

MAツールはKPIの可視化に有効

ここまで、KPIは不可欠であるものの、適切な管理運用は容易ではないということを紹介してきました。 BtoBマーケティングの施策それぞれの成果を見える化すること、「どの施策が効果を上げているか」を知るために同じ条件のもとで一元的に管理することなどが求められます。

多くの施策を同時に行うBtoBマーケティングの日常的なKPI運用にはMAツールが有効です。「KPIの設定と管理」の効率化を一番の目的としてMAツールを導入する企業も少なくありません。

シャノン・マーケティングプラットフォームは、KPIのリアルタイム測定、予測レポート作成、施策の評価など、「ゴール達成」のための機能を整備したMAツールです。

この失敗には意味があった!? シャノンがKPI設定を全面的に見直した過去の体験

最後に、シャノンがKPI設定を見直した事例をご紹介します。

かつて、シャノンのマーケティング部門では「資料ダウンロード数」をKPIに設定していました。「資料ダウンロード数」は、マーケティング部門では一般的なKPIのひとつで、比較的興味・関心が高く購入意思もある見込み客を獲得するための設定です。 KPIを最大化すべく、以下のような施策をとりました。

  • デジタル広告体制を強化
  • SEO対策を強化
  • A/Bテストで広告LPを改善

全体としてデジタル施策へのシフトを一気に進めたかたちです。 その結果、資料ダウンロード数は基準年と比較して次年度2.5倍、翌々年度3倍以上まで上昇しました。KPI達成率は申し分ありません。

しかし、会社の売上に結びつきませんでした。

こうしたKPIと業績の乖離はなぜ生じてしまったのか。マーケティングチームが検証した結果は以下です。

資料ダウンロードをする見込み客は、すでに自らの企業課題が明確で、そのソリューションとしてのMAツールを検討中。なかには、資料ダウンロード以前に競合他社さんのMAツールを検討済みという方もいたようです。 刈り取りだけに注力した場合

つまり、「資料ダウンロード数」というKPIの設定は、資料をダウンロードする段階より前の 「MAツールが便利だときいて気になり、もう少し知りたいと思っている」(認知段階) 「漠然とMAツールが自社に役立つかなと感じている」(興味・関心段階) といった、「潜在顧客」と呼べるリードを取り込めていないことがわかりました。

以下の「購買ピラミッド」に示す、「比較・検討」より前の「興味・関心」「認知」段階のリードを獲得して、「比較・検討」や「商談」の段階まで引き上げるという作業こそ重要なのだということが認識できたのです。

重要なのは、獲得後の引き上げ

現在、シャノンのマーケティングチームは以下のKPIにもとづいて業務に取り組んでいます。

  • KPI インサイドセールスが獲得した商談アポイント数

「興味・関心の度合いが低い見込み客からアプローチをすべき」という結論を出しながら、KPIはリード獲得数ではなく、商談アポイント数を対象としていますが、これは実体験を検証・分析した結果です。「商談、受注に結び付くマーケティング」で合意を形成したKPIとなっています。 その後現在にいたるまで、このKPIを運用しています。

以上の事例からわかるように、KPI設定はときには見直すことが必要です。

ここでもうひとつおさえたいポイントがあります。 現状の「商談アポイント数」というKPIが、KPI見直しの経験を経ることがなかった場合、マーケティング部門にスムーズに共有できたかどうか?という点です。 「なぜマーケティング部門が商談や受注をKPI・KGIとする必要があるのか?」という点については、失敗した経験があったからこそ部門全員が納得できている、といえるかもしれません。 このように考えると、失敗の経験は無駄ではなかったともいえます。

※シャノンマーケティング部門の体験は以下の記事でも紹介しています。

マーケティング予算の配分は、目標から逆算した『正確な計算』が必要? www.shanon.co.jp

この事例からもおわかりのように、MAツールを導入していたとしても、自社に最適なKPIの設定は難しい作業です。しかしMAツールがあれば、日々の業務を効率化するとともに「KPI達成度の測定」「施策の評価」などをスピーディーに行い、ゴール到達を早めることができます。

※シャノン・マーケティングプラットフォームはKPIの達成率の測定、予実管理、素早いPDCAによる軌道修正を可能にします。また、精緻な行動履歴管理によって興味・関心が高いリードをキャッチし、適切なフォローで引き上げることが可能です。 くわしくは、「シャノンのマーケティングオートメーション」を参照してください。

www.shanon.co.jp

※その他の参照記事

マーケティングオートメーション時代に必要な15のKPI smp.shanon.co.jp

マーケティング部門にも予実管理を。シャノンが実践する、MAとSFAの予実管理の連携とは www.shanon.co.jp

まとめ

本稿のポイントは以下の3点です。

1. KPI(重要業績評価指標)とKGI(重要目標達成指標)は企業の成長に欠かせない数値目標です。

2. BtoBマーケティングのKPIは、マーケティング部門全体で共有できる1つのKPIを設定することがおすすめです。

3. KPIの設定は難しく、ときには見直すこともあります。シャノンでは失敗もありましたが、現在は順調にKPIを運用しています。