ロジスティード株式会社

マーケティング施策起点での受注件数は
前年比264%に増加。
商材ごとの購買フェーズ管理を実現したMA活用方法とは


ロジスティード株式会社
左:協創企画部 主任 長谷川美里 氏
中央:協創企画部 部長補佐 小川菜絵 氏
右:協創企画部 島根秀和 氏

ロジスティードは、EC事業者向けに、初期費用や固定費を必要としない従量課金型の「シェアリング自動倉庫」サービスを提供している。

2019年9月、新事業「スマートウエアハウス」の立ち上げを機に、マーケティングオートメーション(MA)の導入を進めた。検討の後、2020年2月にシャノンの「SHANON MARKETING PLATFORM」(以降、SMP)を採用、5月から運用を開始し、3年間で定量面、定性面ともに成果を示すことができた。

Point

  • SMPを活用し、メルマガ、Webセミナーなどの施策を推進
  • シナリオ機能で複数商材の購買フェーズ管理と効率的なナーチャリングを実現
  • マーケティング施策起点での受注件数は2021年度から2022年度にかけて264%に増加

顧客の購買行動の変化に対応するため、MAを導入

お話を伺った小川さん、長谷川さん、島根さんが所属する協創企画部は、営業開発本部に設置されている。

協創企画部のミッションは多岐にわたり、トップラインの拡大、パートナー企業との協業、新サービス開発、営業支援ツールの制作、そしてデジタルマーケティング戦略の立案と実行に至るまで、幅広い活動を展開している。その中でも3名のミッションはデジタルマーケティング戦略の立案・実行による営業案件の創出だ。

MAの導入の背景について、小川さんはこう語る。

「BtoBのお客様は、以前は営業担当者が提案書を持って訪問して直接お話を聞くことが接点の初まりでしたが、今では営業が提案する前にお客様がすでにインターネットなどである程度情報を収集されていることが一般的です。このようなお客様の購買プロセスの変化に対応する必要があったことが背景にあります」(小川さん)

デジタルマーケティング支援企業からの提案がきっかけとなり、数社の製品を検討した後、最終的にシャノンの採用を決めた。

シャノンを選んだ理由について、小川さんは「私たちは全員がマーケティングの初心者だったので、親切で丁寧なサポートが非常に心強かったです。最初は、リードをどれだけ集められるかもわからず、システムの使い方も一から学ぶ必要がありました。MAを通じた個人情報管理に関する不安もありましたが、シャノンの手厚いサポートのおかげで、安心してプロジェクトを進めることができました」と振り返る。

SMPの導入により、メンバーはメール配信、Webセミナーの開催といったマーケティング活動に着手し、MAの基本的な考え方を徐々に身に付けていった。シャノンが提案しているフレームワークとして、顧客の購買行動を「認知、興味、関心、比較・検討、商談」というフェーズで管理する「購買ピラミッド」がある。それぞれの取り組みは、このフェーズ管理の仕組みを利用して円滑に行われた。

チームはSMP導入後、最初にハウスリストへのメール配信に取り組んだ。

その後、セミナー企画やWebフォームの作成などに取り組み、社内の他部署からのさまざまな質問や相談にも対応していった。当初は個別に対応していたが、運用マニュアルを作成し、社内システムに掲載するなどして、問い合わせ対応がスムーズになった。

MA導入から1年で得た気付きと実施した施策

MA導入から1年経過した際、大きな変化としてKPIの変更があった。

小川さんは「導入した最初の年は営業コンタクト数をKPIにしていましたが、営業件数の増加にはマーケティング以外の功績が大きく、目標値として設定するのは難しいことに気付きました。2年目からはマーケティングチームで工夫できる余地がある『HOTリード』の創出数を新たなKPIに設定しました」と語っている。

「スマートウエアハウス」のランディングページ(LP)のリニューアルも、潜在顧客の取り込みを強化するための重要な取り組みであった。当初のLPはコンセプトを重視したもので、EC事業者の視点からの課題感やメリットを十分に伝えられていなかったため、よりターゲットに訴求できるよう見直しを行った。

「以前のLPはお問い合わせフォームが主だったので、次は興味を持つ訪問者がより気軽にコンタクトできるよう、資料請求のオプションを追加しました。ファーストビューに目立つよう配置し、ポップアップも設置して、訪問者の関心を引きつけるようにしました。こうすることで、リード獲得の機会を増やすことができたんです」(長谷川さん)

訪問者の導線を意識し、資料請求、問い合わせの改善を行い、ユーザーエクスペリエンスの向上に努めることで、「興味・関心層」を拡大することができた。

さらに、自社開催のWebセミナーを定期的に実施した。この新しい取り組みは、メルマガ配信とほぼ同時期に始まり、「関心層」を増やし、「比較・検討」に引き上げるエスカレーションの効果があった。最初は協創パートナーの配信基盤を活用していたが、今はYouTubeを使って単独でも開催ができるようになったという。

シナリオ機能で商材ごとの購買フェーズを管理

取り組んだ次のステップは、獲得したリードのナーチャリングだった。

初期のMA導入時には「スマートウエアハウス」だけが対象であったが、その後対象となる商材の数は16種類に増加した。そのうち注力している商材に対して、購買フェーズの管理を行い、問い合わせ、資料請求、ウェブセミナーの申込み、アンケートの回答結果、活動履歴などを基にリードの関心度を把握した。

ここで重要な役割を果たしたのが、SMPの一連の処理を自動化するシナリオ機能だ。これにより、リードのアクションに応じて自動で購買ピラミッドのフェーズ情報を付与し、個々の商材に対する顧客の関心に応じたアプローチが可能となる仕組みを構築した。シナリオ機能で自動付与されたフェーズ情報を月次で取りまとめ、前月の結果を基にHOTリードの発生源や資料請求の落ち込みなどを振り返るため、BIで購買フェーズを可視化している。

現在では複数の商材で購買フェーズを管理するシナリオを運営できているが、何度も設定の見直しと設計を行ったという。

「リードを管理するためのシナリオを作成しています。例えば、売り込み目的でお問い合わせをしてきたリードはフォローの対象にならないため、メールをお送りしないようにフラグを付けるといった工夫をしています。またお客様から問い合わせに対する対応も、営業担当者もSMPのアカウントを持ち、問い合わせに対する対応を直接入力してもらうのですが、担当者の対応が遅れている場合は、シナリオを使い自動でリマインドメールが送られることで、対応漏れを防いでいます」(島根さん)

初めはリードの獲得が中心だったが、MAの活用を進めていくうちに獲得するだけでなく、獲得後の興味度合いを引き上げる必要があるということで、ナーチャリング施策に注力し始めた。

また、2023年から、スコアリングを活用。資料請求やWebセミナーなどのイベントへの申込情報やWebサイトへの訪問に対してスコアを付け、高スコアのリード情報を営業担当に渡すことで、効果的な営業アプローチが可能になった。業種などの属性やサービスへの関心度、行動を基に、アプローチすべき高スコアの顧客を特定し、営業活動を行っている。

もう一つ重視したのは、社内での周知活動だ。

「部署ごとの取り組みを発表する機会を利用して、MAを通じて得られた成果や、受注の具体例を共有し、MA活用のイメージを持ってもらっています」と長谷川さんは言う。

社内報で取り組みを紹介したり、掲示板でメルマガ配信内容やセミナー開催情報を紹介するなど、社内で認知度を上げ、活用してもらうための工夫を行っている。

マーケティング施策起点での受注件数は2021年度から2022年度にかけて264%に増加

シャノンの導入から3年が経過し、営業連絡会議、社内発表会、社内報、掲示板などを通じて地道にMAの成果を報告し続けてきた。その結果、MA導入の成果を定性面と定量面の両面で示すことができるようになった。

定性面では、これまで接点のなかった新しい顧客層を開拓し、新規顧客の獲得に成功した。また、メルマガ配信・Webセミナーなどを通じて、個々の顧客との持続的なコミュニケーションを維持している。さらに、購買フェーズの管理により、リードの質が明確になったことで、効果的な営業戦略を展開し、営業の生産性が向上した。

定量面では、2021年度から2022年度にかけてのデータで、マーケティング施策で創出したHOTリード数が前年比113%に増加、受注件数が前年比264%に増加という成果を示した。

今後の取り組みについて、チームのメンバーはそれぞれの思いを語る。

「既存のマーケティング施策を振り返り、分析することで、より効果的な戦略への改善を図りたいと思います。休眠中の顧客向けの『再燃施策』にも取り組んでいきたいです」(島根さん)

「SMPのポップアップ機能をさらに活用し、Webのパーソナライズを進めて、顧客ごとにカスタマイズされた体験を提供することを考えています」(長谷川さん)

「社内ルールを整えた上で生成AIをマーケティングに導入し、さらなる効率化を図りたいです」(小川さん)

こうした取り組みにより、ロジスティードのマーケティング活動は進化を遂げ、同社が掲げる「協創」に基づく事業をさらに成長させていくことが期待される。