BtoBこそコンテンツマーケティングが有効!成果を出せる施策の進め方



マーケティング業界で急速に広まり定着したコンテンツマーケティング。

顧客にとって価値があるコンテンツを提供することが集客に効果的だということは認識されていても、まだ本格的に始めていない企業も多いようです。

今回は、コンテンツマーケティングの基本の手順や企業の成功事例を紹介するとともに、後半ではBtoBビジネスでコンテンツマーケティングを有効活用すべき理由についても述べていきます。

コンテンツマーケティングとは? なぜ急速に広まったか

コンテンツマーケティングとは何か、この10年ほどで急拡大した背景などを解説します。

コンテンツマーケティングとは、顧客に「見つけてもらう」マーケティング

「コンテンツマーケティング」というと、ブログやコラムの形式で多くの記事を掲載することをイメージする人が多いでしょう。 ここで重要なのは「コンテンツ」、つまりどんな内容を届けるかということです。

コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値のあるコンテンツを提供することにより、中長期的に自社の商品やサービスのファンを増やし、購入などの成果へとつなげるマーケティングの方法です。

コンテンツマーケティングは未来の顧客の側から「見つけてもらう」ことをめざすとともに、既存顧客に対しては満足度を上げるコミュニケーションを継続することでリピート需要を促します。

コンテンツマーケティングが広まった背景は「顧客行動の変化」

コンテンツマーケティングという考え方自体はインターネットの普及前からありました。アメリカの農機具メーカーが19世紀に発行した農家向け情報誌『The Furrow』がその一例です。 インターネットがない時代、顧客とのコミュニケーションをはかる手段としては情報誌やリアルイベントなどがありましたが、これらもコンテンツマーケティングの一種といえます。

www.deere.com

その後インターネットが普及すると、コンテンツマーケティングが急速に一般化しました。

まず企業側にとって、「オウンドメディア」「Web広告」「メールマガジン」など、顧客に商品やサービスの情報、そのほか顧客にとって価値のある情報を届ける手段が格段に増えました。

一方で、顧客の側も変化します。購買行動を起こす前に「検索」して簡単に情報収集することが可能になりました。 レビューサイトやSNSにより企業以外からも商品・サービスの情報を得られます。 モバイルデバイスの普及によりさらに顧客行動の変化は加速しています。

ネットとモバイルデバイスの普及により、消費行動は「顧客主導」へと変化しました。 顧客の側に主導権がうつった今、顧客の消費行動の役に立つコンテンツを届けて、結果として「見つけてもらう」コンテンツマーケティングが有効です。

コンテンツマーケティングのメリットとデメリット

コンテンツマーケティングのメリットとデメリットは以下です。

《コンテンツマーケティングのメリット》



1 低コストで成果を上げられる
一番のメリットは費用対効果の高さです。オウンドメディア、メルマガ、SNSなどの手段を活用すれば、中小企業や個人店舗でも顧客に情報を届けることができ、自社の商品・サービスのブランド強化も可能です。

2 潜在顧客にリーチできる
特定のユーザーにとって価値がある情報を届けることにより、そのユーザーの潜在ニーズを将来顕在化させることが可能です。 たとえば生命保険や住宅などを購入しようというとき、すでになじみのあるブランドになっていれば大きな強みになります。

3 自社商品のファンを増やせる
商品を1回購入するだけでなく、2回3回とリピート購入してくれる、さらには、他の人にも商品のよさを伝えてくれるような「ファン」を増やすことができます。

4 企業ブランディングに役立つ
コンテンツを提供し続けてサイト訪問者が増え、評価が定着すれば、企業ブランディングにも大いに効果があります。

《コンテンツマーケティングのデメリット》

1 成果が出るまでに時間がかかる
顧客にとって価値があるコンテンツが購入に直結しないコンテンツであることも多いため、施策を始めてから成果が出るまでに少なくとも数か月ほどかかります。

2 定期的な更新が必要
顧客あるいはユーザーの満足度を維持するために、常に新しい情報を追加し、古い情報をメンテナンスする必要があります。 手間と時間がかかるため、思うように成果を上げられる前に発信を止めてしまう事例も少なくありません。

コンテンツマーケティングの進め方 

コンテンツマーケティングの具体的な手順と施策のポイントについて解説します。

コンテンツマーケティングの手順

コンテンツマーケティングを進める具体的なプロセスは企業や商品によっても変わってきますが、その一例は以下の通りです。

1 目標の設定

コンテンツマーケティングのゴールを設定します。

たとえば「Webからの新規顧客獲得を月10件」「既存顧客のリピート率を15%アップ」などの数値目標を決め、さらにそこから「1年後までにWebサイトの月間訪問者数1万人」など、作成するコンテンツが狙うKPIを設定します。

2 ペルソナの設定

ターゲットとなるペルソナを明確にします。ペルソナは、既存顧客のなかでボリュームゾーンとなっているユーザーのプロフィールを参考に作成します。

ペルソナについてはこちらの記事「BtoBマーケティングにおけるペルソナの作り方と活用方法を解説。シャノンが実践する一工夫もご紹介!」をご覧ください。

3 コンセプトの設定

顧客にとって価値がある情報として何を届けるのか、テーマ、企画タイトルなどを決めます。 企業自身のブランディングにも通じる部分です。

4 手段とコンバージョンの設定

「オウンドメディア」「SNS」「メールマガジン」「アプリ」などからコンテンツを提供する方法を決め、合わせて、BtoCなら「商品購入」、BtoBなら「商談」などジネスのゴールにつなげるしくみも策定します。検索順位を上げる「SEO」が必要となる場合もあります。

5 コンテンツの制作

コンテンツの制作では「キーワード」が重要です。ペルソナが検索するであろうキーワードを選び、その検索意図に応えるコンテンツを作成します。

6 実施・効果測定

施策開始後は、定期的に効果を計測し、PDCAを回します。

「キーワードの選定」がコンテンツマーケティング成功のカギ

コンテンツの提供によりWebサイトに多くのアクセスを集めることができたにもかかわらず、商品の購入などの成果に結びつかない場合、キーワードの選定がうまくいっていない可能性があります。 確実に集客するためには、キーワード選びが重要です。

「Googleアナリティクス」により検索キーワードごとのユーザーの直帰率、滞在時間、CVRなどを確認してみると、CVに結びつかないキーワードが明らかになるかもしれません。

Googleアナリティクスについてはこちらの記事「マーケティングに欠かせないアクセス解析。Googleアナリティクスの目的、MAとの違い・使い方は?」をご参考ください。

キーワード選定はSEOでも最初に行う重要なプロセスです。作業は似ていますが、目的が違います。

SEOでは、キーワード検索をした人の検索意図に対して応える内容のページを一定量作成し、それらによりサイトの表示順位を上げることが目的です。 一方、コンテンツマーケティングでも同じようにユーザーの検索意図に応えるコンテンツを提供しますが、目的は未来の顧客を引き付けることです。

目的は違いますが、「ユーザーの検索意図に応えるコンテンツを提供する」ことは、コンテンツマーケティングでもSEOでも重要です。

キーワードの選定方法についてはSEO対策の記事「シャノンも実践中。BtoBマーケティングでSEOをどう進める?」で紹介しているので、参照してください。

ライティングでは顧客視点に立って「共感」を重視

ユーザーが2回目、3回目とサイトを再訪してくれればコンテンツマーケティングは成功に近づきます。

逆に、一度きりで再訪がないなら、閲覧したページの内容に満足できなかった可能性があります。リピーターを増やすためには、コンテンツの質が重要です。

コンテンツマーケティングで提供するコンテンツでは、困りごとを解決する方法を提案したり、ユーザーが知りたい情報を届けたりします。

あるページを訪問したら、その他にもタップ(クリック)したくなるようなページが複数あるような見せ方も欠かせません。 「顧客が興味を引かれる情報が豊富に載っている雑誌」のようなイメージです。

顧客側の視点に立って、共感を重視したライティングに徹することが大切です。

BtoCのコンテンツマーケティング事例

BtoCの事例を3つご紹介します。

トヨタイムズ (トヨタ)
業界1位の企業が新たにスタートさせた攻めのコンテンツです。WebメディアにTVCMや新聞広告連動させて認知度を上げ、注目を集めています。

toyotatimes.jp

mercan(メルカリ )
メルカリの「人」を伝える、とサブタイトルがつけられ、主に中の人が紹介されていて、人材採用が目的のようです。

過去の顧客と社員による「みんなのメルカリ文化祭2019」を開催したという記事では、オンラインの企業があえてオフラインコミュニケーションを図る試みが紹介されていますが、これもコンテンツマーケティングの一例といえます。

mercan.mercari.com

mercan.mercari.com

北欧、暮らしの道具店 (クラシコム)
ネットショップがコンテンツマーケティングで成功した有名な事例です。

最新ニュース にはポッドキャスト再生回数がステイホームで4倍増、2021年内に総再生回数1000万回突破予定とあり、依然として支持率の高いページだとわかります。

hokuohkurashi.com

kurashicom.jp

BtoBマーケティングこそコンテンツマーケティングが有効。なぜか?

BtoBビジネスでコンテンツマーケティングが有効である理由と、成功事例をご紹介します。

BtoBにコンテンツマーケティングが適している理由

BtoBのマーケティングにコンテンツマーケティングが適している理由は以下です。

1) 限定されたターゲット層に対して、価値のあるコンテンツを効率よく届けることができる

BtoBの顧客は業種や企業規模などの属性が限定されていることも多いですが、こうした顧客層に特化して価値ある情報を届けられるコンテンツマーケティングが有効です。

限定された顧客層が検索するキーワードは検索ボリュームが少ないので、SEO対策で順位を上げる難易度が比較的低いというメリットもあります。

2) 購入決定までの検討期間が長いBtoBではコンテンツマーケティングが効果的

購入決定まで数か月~1年以上かかることもあるBtoBの場合、顧客が検討する期間に情報を提供し続けられるコンテンツマーケティングが適しています。

企業担当者のメールアドレスを取得できれば、メールマガジン送付、展示会やウェビナーの案内など、「見込み客」の興味・関心の程度に合わせた施策も可能です。

冒頭で「主導権は顧客にうつった」ことを解説しましたが、それはBtoBにもいえることです。



現在はウィズコロナの下、営業担当者による直接のアプローチの機会はさらに減少し、顧客が自分で調べて意思決定までいたる傾向が増しています。 「自分で調べる期間」に役立つ情報を届けるコンテンツマーケティングの重要度は増しているといえるでしょう。

BtoBのコンテンツマーケティング事例

BtoBの事例をご紹介します。

LISKUL  (SO Technologies)
月間リード獲得数200件以上の実績が ある、Webマーケティング情報のサイト。企業のマーケティング担当者から信頼されているメディアです。

liskul.com

www.shanon.co.jp



サイボウズ式 (サイボウズ)
2012年にスタートしたメディアで、BtoBのコンテンツマーケティング成功事例として有名です。 ビジネスパーソンが知りたい情報を幅広くとり上げ、読んで楽しめるメディアになっています。

cybozushiki.cybozu.co.jp



LIG(LIG )
BtoBですが、一般の人が見ても面白い記事が多く提供され、同時にビジネスに役立つ記事も掲載。 「この会社に依頼したらアクセス数がアップしそう」と感じられます。

liginc.co.jp



データのじかん (ウイングアーク1st)
データ活用とDX推進に関連するコンテンツを、多様な見せ方でわかりやすく紹介しています。 data.wingarc.com

先に紹介したBtoCの事例も含め、コンテンツマーケティングの事例をいくつか見てきました。

多くのリソースを投下して作成された大企業のメディアがある一方で、限られたリソースでコンテンツマーケティングを実施した中小企業もやり方次第で大きな成果が得られることがわかります。 多くの企業にとって、コンテンツマーケティングがますます欠かせないものとなっていきそうです。

まとめ

本稿のポイントは以下の3点です。

1. コンテンツマーケティングは顧客に「見つけてもらう」マーケティングの方法です。

2. コンテンツマーケティングではキーワードを選定し、検索意図に応えるコンテンツを用意します。この作業はSEOと共通していますが、目的が違います。

3. BtoBビジネスには「顧客の属性が限定されている」「検討期間が長い」という特徴があるため、コンテンツマーケティングが適しています。