マーケティングにおいて重要なアクセス解析について、今回は前半で、
- uu(ユニークユーザー)
- セッション
- pv(ページビュー)
- ディメンション
などの基本概念をあらためて確認していきます。
後半では、シャノンが実践する、GAの目標設定機能を活用したCV計測の事例を解説し、最後にデータを一括管理するツールについても簡単にご紹介します。
- アクセス解析でユーザーを理解する。しくみの基本を再確認
- MAにGAを連携して活用する、シャノンのBtoBマーケティング実践例
- GAやMAのデータを集約し、まとめて管理するレポーティングは可能?
- まとめ
アクセス解析でユーザーを理解する。しくみの基本を再確認
アクセス解析ではWebサイトへ流入するユーザーについて詳細なデータを計測します。しくみや用語などの基本事項を確認します。
基本の指標、ユーザー・セッション・ページビューとは?
Webサイトを訪問する人を「ユーザー」といいます。
「uu」とはユニークユーザーの略で、一定期間内にWebサイトにアクセスした訪問者の数です。
ユーザーがサイトを1回訪問することを「セッション」といい、閲覧したサイトのページ数を「pv(ページビュー)」といいます。
uu、セッション、pvのカウント方法の具体例は以下の通りです。
1週目 | サイトの訪問者はA、B、Cの3名 A・・・サイトを2回訪問、見たページ数は5 B・・・サイトを1回訪問、見たページ数は1 C・・・サイトを4回訪問、見たページ数は10 |
uu:3 セッション:7 pv:16 |
2週間の合計 uu:5 セッション:14 pv:31 |
2週目 | サイトの訪問者はA、B、D、Eの4名 A・・・サイトを1回訪問、見たページ数は3 B・・・サイトを2回訪問、見たページ数は4 D・・・サイトを3回訪問、見たページ数は7 E・・・サイトを1回訪問、見たページ数は1 |
uu:4 セッション:7 pv:15 |
uuはどこまで正確に計測できるのか
上記の表では、サイトを訪問した匿名のユーザーにA、B、C・・・と記号をつけています。
これらは、「Aさん、Bさん、Cさんによる訪問」というようにほぼ解釈できますが、厳密には、ユーザー一人ひとりの訪問を反映していません。
例えばGoogleアナリティクス(GA)の場合、ユーザーをcookieにより識別しています。cookieとは訪問したWebサイトがユーザーに対して発行するファイルです。
※cookieについて詳しくはマーケティングに欠かせないGoogleアナリティクス。その目的、MAとの違い・使い方はを参照してください。
cookieは、IPアドレスやホストの情報をもとにユーザーが見ている端末を特定しています。さらにGAでは、ブラウザのログイン情報があればパソコンやスマートフォンなど端末が違っていてもuuを識別できます。
しかし以下のような場合は、実際に見た人が正確にカウントされません。
- 一台のパソコンから複数の人が閲覧した場合
- 一人の人がパソコンやスマートフォン、タブレットなど複数の端末でログイン情報なしに閲覧した場合
- 訪問者がcookieを無効に設定した場合
このようなアクセス解析のしくみを理解し、uuなどのカウントは全体像を理解するための目安として認識しましょう。
分析の基準となるディメンション・指標とは?
GAではユーザーアクセスの集計結果を一定の条件のもとで表示させることができます。
たとえば、年齢別のアクセス状況を見たい場合、「ユーザー属性>年齢」を選択して表示させます。
このとき縦軸に表示される「年齢」という分類項目を「ディメンション」といいます。
これを「プライマリディメンジョン」として、さらに細かく「セカンダリディメンジョン」まで設定することができます。一方、横軸に表示される「集客」「行動」「コンバージョン」などの項目を指標(メトリクス)といいます。
GAではディメンションと指標を細かく設定して、ユーザーの動向を詳細に分析することができます。
マーケティング業務に欠かせない「リファラー」とは?
リファラーとは、参照元のことです。あるWebサイトを訪れる直前にどこのページを見ていたかを示します。GAで「集客>概要>すべてのトラフィック>参照元/メディア」を選択すると、参照元のデータが表示されます。
ここから訪問者の流入経路がわかります。
たとえば以下のような項目があります。
- google/organic ・・・Googleよりキーワード検索して流入
- google/cpc ・・・Googleのリスティング広告
- google/display ・・・Googleのディスプレイ広告
項目にfacebookやtwitterなどの表示があればSNS経由、ほかにyoutube経由などもわかります。
また、ユーザーが検索入力したキーワードについても知ることができます。GAの「集客>キャンペーン>オーガニック検索キーワード」を選択で情報が得られるほか、そこに表示されないデータはGAと併用できる「Google Search Console」で調べることが可能です。
このようにして得られるリファラーの情報は、マーケティング施策の効果測定や広告出稿のために欠かせません。
シャノンでも活用していますが、その具体例について、このあとご紹介します。
MAにGAを連携して活用する、シャノンのBtoBマーケティング実践例
シャノンでも、上で述べたGAの「参照元」をみる機能を活用しています。 MA上のキャンペーンカテゴリ単位でのCV(コンバージョン)をGAに目標として設定することで、 画面単位での詳細なCVを計測する方法をご紹介します。
見込み客のアクションを、GAであらかじめ目標に設定
シャノンでは、GAの「目標設定」機能にMAの個々のキャンペーン単位でのCV目標を設定し、計測しています。
設定するキャンペーンには「問い合わせ」「資料請求」「ウェビナー申込」などがあります。
ここでは、リードに配信する定期的なメルマガから資料請求にいたる行動の計測を例にとります。
「資料請求」の場合、ユーザーは入力画面・確認画面・完了画面を経てアクションが完了しますが、この3つの画面のURLは変わりません。しかし、GAとMAとの両方に各画面を識別できる変数を指定しておくことで、詳細なCVを計測できます。
GAの「管理」メニューより目標を設定します。
以下の画面「カスタム」において、詳細な目標を設定し、入力画面、確認画面、完了画面を指定します。
さらに、MA(ここではシャノンマーケティングプラットフォーム)内でもキャンペーンのLPに上記と対応する変数を指定します。
計測のための変数指定は、GTM(Google Tag Manager)で行っています。
GA「参照元/メディア」メニューでCVやCVRを確認
このように詳細な設定をしておくことで、個々のキャンペーンの効果測定ができます。
メルマガであれば、配信日ごとにそれぞれのCVが以下のように一覧できます。
以上のように、GAの「目標設定」機能を活用することで、MAで知りたい情報を取得できます。
GAやMAのデータを集約し、まとめて管理するレポーティングは可能?
多くのデータソースをチェックする担当者なら、「すべてのデータを見やすく、効率よく一元管理したい」と考えることがあるでしょう。マーケティングに関連するデータをまとめて管理する方法をご紹介します。
GAで活用したい「レポート機能」とは
GAでは常時確認したいデータについて、レポートを作成できます。
カスタム>カスタムレポート を選択して設定画面を開き、まずグラフをメインとする「エクスプローラ」や数字で見る「フラットテーブル」などからレポートの種類を選択し、次にディメンションと指標の組み合わせを指定します。
レポートにはエクセルやPDFへのエクスポート、他の人と共有などの機能があり、データ活用の幅を広げることができます。
「Google データポータル」「MotionBoard Cloud」などでデータをまとめて把握
「Googleデータポータル」への連携も可能です。 Google データポータルは、各種のデータを取り込み、まとめてグラフや一覧表に表示できる無料のツールです。
GAとGoogle データポータルを連携させ、そこへMAツールのデータを接続し、全体を把握するレポートを作成することも可能です。
また、シャノンと連携できるBIツールとして「MotionBoard Cloud」があります。こうしたBIツールとの連携により、データの可視化・分析の可能性が広がります。
www.shanon.co.jp
まとめ
本稿のポイントは以下の4点です。
1. アクセス解析ではuu、セッション、ページビューなどのデータを計測します。
2. GAではディメンションと指標を設定して様々な角度からアクセスデータを分析することができます。
3. シャノンではMAで管理するキャンペーンのCVを詳しく計測するために、GAの目標設定を活用しています。
4. Google データポータル、BIツールなどにより、データをまとめて可視化・分析することが可能です。