こんにちは。シャノンマーケティング部の前田です。
企業のSNS運用において、「毎日の投稿ネタを考えるのが大変…」「複数のコンテンツ情報を整理して投稿するのが手間…」といったお悩みは、多くの担当者様が抱えているのではないでしょうか。
実は、先月からSNS運用を任された私も、まさにその大変さを実感する毎日でした。日々の情報発信の重要性は理解しつつも、限られた時間の中で質の高い投稿を継続することの難しさを痛感していました。
しかし、そんな試行錯誤の中で、AIアシスタント「Gemini」に具体的な指示を出すことで、この作業を大幅に効率化できる可能性に気づきました。
そこで今回は、私が実際にGeminiに「こんな風にSNS投稿を作ってほしい!」とお願いするために、試行錯誤しながら作成したプロンプト(AIへの指示文)の全体像と、その活用ポイントを詳しく解説します。
これからSNS運用を始める方や、すでに取り組んでいるものの効率化を図りたいと考えている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
▼参考動画
背景:こんな課題を解決したかった!
このプロンプトを作成した背景には、いくつか課題感がありました。
- 多様なコンテンツの効率的な情報発信:
当社では、動画、ブログ記事、セミナー案内など、複数の形式で情報を発信しています。これらの多様なコンテンツを効率よくSNSで告知したいという思いがありました。
- 投稿の継続性と効率化:
SNS運用はご存知の通り、継続が非常に重要です。しかし、日々の業務の中で投稿文面作成に十分な時間を割くのは現実的に難しいものです。できる限り手間を省きつつ、定期的な情報発信を実現したいと強く感じていました。
- 魅力的な投稿文面の作成:
単なる情報の羅列ではなく、フォロワーが「見てみたい」「読んでみたい」と感じるような、エンゲージメント(いいねやコメント、シェアなどの反応)を高める投稿を作成したいという目標がありました。
これらの課題を解決するために、Geminiの力を借りることにしました。
SNS投稿文作成依頼:基本のテンプレート
まずは、依頼の際にベースとなる基本テンプレートです。以下の項目を埋めることで、作成者に意図が伝わりやすくなります。
基本のテンプレート
## SNS投稿文作成指示プロンプト ##
# 依頼の概要 # 投稿の目的 # ターゲット読者 # 投稿に含める主要な情報 # 文章のトーン # ハッシュタグ # その他要望 #投稿コンテンツリスト |
さらに効果を高める!具体的な指示のポイントと文例
上記の基本テンプレートに加えて、より具体的な指示を出すことで、投稿文のクオリティをさらに高めることができます。
以下は、週に複数回のSNS投稿(例:動画、ブログ記事、セミナー情報)をGeminiに依頼する場合の指示ポイントと文例です。
投稿スケジュールと頻度
いつ、どのくらいの頻度で投稿してほしいかを明確に伝えましょう。
【指示のポイント】
- 明確な曜日・回数を指定: 例えば、「平日の毎日」や「週3回(月・水・金)」のように具体的に指定します。
- コンテンツごとの指定::動画、ブログ、セミナーなど、コンテンツの種類ごとに頻度を分ける場合も明確に指示します。
指示例:
- 「動画」と「ブログ」に関する投稿:平日の毎日(週5回×各1回)で作成をお願いします。
- 「セミナー」に関する投稿:週3回(月曜日、水曜日、金曜日)で作成をお願いします。
投稿文の基本構成
投稿文のフォーマットや必須要素を指定することで、統一感のある発信ができます。
【指示のポイント】
- 文字数制限の明示::SNSプラットフォームごとの特性に合わせて文字数を指定します。
- 必須要素の指定:URL、特定のハッシュタグ、絵文字の使用可否など、必ず含めてほしい要素を指示します。
指示例:
- 各投稿は140文字以内(またはご希望の文字数)で作成してください。
- 投稿文の一番下には、必ず該当コンテンツのURLを記載してください。
文章のテイストと表現
どのような雰囲気の文章を求めているか、具体的なイメージを伝えましょう。
【指示のポイント】
- 読者が興味を引く表現の要望: 「見てみたい」「読んでみたい」と思わせるような、具体的な感情に訴えかける表現を求めます。
- SNSの特性を考慮した指示: 句読点での改行など、SNSで読みやすい表現の要望も有効です。
- ビジネスアカウントとしての注意点: ポップな表現を許可しつつも、コンプライアンス上の問題がない範囲で依頼します。
指示例:
- 句読点(、。)で自然に改行し、読みやすい文章にしてください。HTMLの改行タグ(<br>など)は不要です。
- 単純な紹介文ではなく、読者が「見てみたい!」「読んでみたい!」と感じるような、魅力的な文章をお願いします。多少ポップな表現も歓迎ですが、ビジネス用SNSアカウントでの発信のため、コンプライアンス上問題のない範囲でお願いします。
投稿文面イメージの共有(テンプレート案の提示)
具体的な投稿文のイメージを伝えるために、以下のようなテンプレート案を提示するのも非常に有効です。
【指示のポイント】
- コンテンツタイプ別の具体例: 動画、ブログ記事、セミナーなど、コンテンツの種類ごとにテンプレートを用意することで、Geminiがより的確な投稿文を作成できます。
- プレースホルダーの活用: [動画の訴求ポイントを入力] のように、具体的な情報を後で埋められるプレースホルダーを使うと便利です。
動画用 投稿文面案:
【[動画の訴求ポイントを入力][関連する絵文字を入力]】 [ここに動画の簡単な説明を入力(例:〇〇について分かりやすく解説しています!)] #[関連ハッシュタグ1] #[関連ハッシュタグ2] #動画 [ここに動画のURLを入力] |
ブログ用 投稿文面案:
【[ブログ記事の訴求ポイントを入力][関連する絵文字を入力]】 [ここにブログの簡単な説明を入力(例:〇〇のポイントやコツを紹介します!)] #[関連ハッシュタグA] #[関連ハッシュタグB] #[関連ハッシュタグC] [ここにブログのURLを入力] |
セミナー用 投稿文面案:
【[セミナーの訴求ポイントを入力][関連する絵文字を入力]】 [ここにセミナーの簡単な説明を入力(例:〇〇のポイントやコツを紹介します!)] #[関連ハッシュタグX] #[関連ハッシュタグY] #[関連ハッシュタグZ] [ここにセミナーのURLを入力] |
希望納品形式
作成された投稿文をどのような形式で受け取りたいか伝えましょう。
【指示のポイント】
- 具体的なファイル形式の指定: Excelファイル、Googleドキュメント、テキストファイルなど、希望する納品形式を明確に伝えます。
- 整理方法の指定: 「投稿日ごとにまとめて」「コンテンツごとにシートを分けて」など、整理方法も指定すると、その後の作業がスムーズです。
指示例:
- 「Excelファイルで、投稿日ごとにまとめて納品してください。」
- 「Googleドキュメントで共有してください。」
投稿するコンテンツの詳細情報
実際に投稿してほしいコンテンツの情報をリストで提供すると、Geminiは内容を深く理解し、より的確な投稿文を作成できます。
【指示のポイント】
- 必要な情報を網羅的に提供: タイトル、URL、簡単な概要、特にアピールしたい点など、Geminiが投稿文を作成する上で必要となる情報を漏れなく伝えます。
- コンテンツタイプごとの情報整理: ブログ記事、動画、セミナーなど、コンテンツの種類ごとに必要な情報を整理して提供すると、より分かりやすくなります。
伝えるべき情報例:
- ブログ記事の場合:
- タイトル: 展示会のお礼メールの書き方と例文│配信方法や商談を増やす具体的な方法も紹介!
- URL: https://www.shanon.co.jp/blog/entry/exhibition_thanksmail/
- 簡単な概要: 展示会後のお礼メールの重要性、書き方のポイント、具体的な例文、配信方法、さらには商談を増やすためのコツまでを網羅的に解説。
- 特にアピールしたい点: 具体的な例文が豊富で、すぐに実践できる点。商談を増やすためのノウハウも学べる。
- 動画の場合:
- タイトル: クリックされたメルマガタイトルの特徴分析してみた
- URL:https://www.youtube.com/watch?v=rNOns6YhFX8
- 簡単な概要: 多くのメルマガの中から、特にクリックされやすいタイトルの特徴を分析し、その傾向を解説。
- 特にアピールしたい点: 具体的なデータや事例に基づいており、すぐにメルマガ改善に活かせる。
- セミナーの場合:
- タイトル: 30分でわかる! MAツールのキホンのキ(2025.6.5)
- URL: https://smp.shanon.co.jp/public/seminar/view/55126
- 簡単な概要: マーケティングオートメーション(MA)ツールの基本的な機能やメリット、導入のポイントなどを30分で分かりやすく解説する入門セミナー。
- 特にアピールしたい点: 初心者でもMAツールの全体像が短時間で理解できる。開催日が近いのですぐに申し込める。
上記をふまえると以下のようなプロンプトテンプレートになります。
【プロンプトテンプレート】
## SNS投稿文作成指示プロンプト ##
# 依頼の概要 # 投稿の目的 # ターゲット読者 # 投稿に含める主要な情報 # 文章のトーン # ハッシュタグ # その他要望 # 投稿スケジュールと頻度(任意) # 投稿文の基本構成(任意) # 文章のテイストと表現(任意) # 投稿文面イメージの共有(テンプレート案の提示)(任意) ブログ用 投稿文面案: セミナー用 投稿文面案: # 希望納品形式(任意) # 投稿コンテンツリスト ・ブログ記事タイトル:企業ブログでCVRを上げる5つの施策 |
これが私のGemini用プロンプトです!
私が実際にGeminiに入力しているプロンプトと出力結果をご紹介します。
【SNS投稿文作成プロンプトテンプレート】
## SNS投稿文作成指示プロンプト ##
/依頼の概要: /投稿スケジュールと頻度: /投稿文面の基本ルール: /投稿文面フォーマットの指定: — — — /投稿コンテンツリスト: ■ブログ記事: ■動画コンテンツ: ■セミナーコンテンツ: /納品形式: |
上記プロンプトを入力したところ、Geminiは以下のように回答してくれました。
出力内容をみてみると、1週間のSNS投稿スケジュール案をスプレッドシートにエクスポートできるよう出力してくれています。とても便利ですね。
また、来週のスケジュールの投稿コンテンツの中に、来週だと開催済になってしまうセミナー(「30分でわかる! MAツールのキホンのキ(2025.6.5)」など、開催日が近いまたは過ぎているコンテンツを含んでいたため、そのコンテンツは除外すべきであると、忠告してくれました。AIが単に指示をこなすだけでなく、内容の整合性までチェックしてくれるのは、業務の効率化だけでなくミスの防止にもつながり、非常に心強いですね。
実際の投稿文面はそのままコピーペーストできるよう、文章を出力してくれました。
他にも、markdown形式のテーブルでの出力を依頼すると、エクセルでエクスポートできるかつ視覚的にもわかりやすく出力してくれます。このように、Geminiは柔軟な形式での出力に対応してくれるため、ご自身の業務フローに合わせて活用方法を工夫できるのが大きなメリットです。
GeminiをSNS投稿作成に活用する際の注意点
非常に便利なGeminiですが、利用する上でいくつか注意しておきたい点があります。これらのポイントを押さえることで、Geminiをより安全かつ効果的に活用できます。
AIの生成物はあくまで「下書き」と捉える
Geminiは強力なアシスタントですが、万能ではありません。生成された内容はあくまでも「下書き」として捉えましょう。内容を鵜呑みにせず、必ず人間の目で確認・編集する手間を惜しまないようにしてください。特に、ファクトチェック(情報の正確性の検証)は必須です。
企業ブランドやイメージに合致しているか確認する
生成された文章が、自社のブランドイメージや、ターゲットに伝えたいメッセージと一致しているかを確認することは非常に重要です。AIは多様な表現を生成できますが、常に企業のトーン&マナーに沿っているとは限りません。自社のSNSガイドラインがある場合は、それに照らし合わせて確認しましょう。
炎上リスクを考慮し、不適切な表現がないかチェックする
意図せず誤解を招く表現や、特定の個人・集団を傷つける可能性のある表現が含まれていないか、多角的な視点からチェックすることが重要です。AIは倫理的な判断を行うわけではないため、社会的な規範やデリケートな話題に対する配慮が不足している場合があります。投稿後の炎上リスクを避けるためにも、細心の注意を払いましょう。
最終的な判断と責任は人間が持つ
AIはあくまでツールであり、最終的な投稿内容の判断と、それによって生じる結果に対する責任は、運用する人間(企業)が負うことを忘れてはいけません。Geminiを賢く活用しつつも、最終的な品質保証は人間の役割であることを強く意識してください。
まとめ
シャノンが実際にSNS運用で活用しているGeminiのプロンプト、いかがでしたでしょうか?
この記事を読んで、「うちのSNS運用も効率化したい!」「ChatGPTでコンテンツ作成をもっとスムーズにしたい!」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
「ChatGPTでコンテンツをどう作れば良いか分からない」といったお悩みを持つ皆様へ
シャノンでは、今回ご紹介したGeminiだけでなく、ChatGPTの活用ノウハウも豊富に持っています。特に「ChatGPTでコンテンツをどう作れば良いか分からない」といったお悩みを持つ方のために、シャノンが実際に活用しているChatGPTのプロンプトテンプレートを無料でプレゼントしています。
このテンプレートを使えば、コンテンツ作成のアイデア出しから構成、文章作成まで、ChatGPTをより効果的に使いこなせるようになります。
ぜひご活用ください!
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シャノンのSNS
今回ご紹介したように、シャノンではGeminiやChatGPTといったAIツールを活用して、SNS運用を効率的に行っています。弊社のノウハウが詰まったコンテンツを日々発信していますので、ぜひフォローして最新情報をキャッチください!
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