展示会はアフターフォローが重要!具体的な方法や成果を出すコツを解説

現在国内では年間約700回の展示会が開催 されていて、出展企業は1回あたり平均300件ほどのリードを獲得できると言われています。一方で、展示会でリードは獲得できたものの、売上に繋がらず悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。

展示会の効果を高めるには、アフターフォローが重要になってきます。展示会での対応時間はかぎられていますので、当日の商談のみで売上アップを目指そうとしても限界があるためです。

今回は、展示会のアフターフォローの重要性や、効果的なフォロー方法について、シャノンの事例を交えながら紹介します。

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展示会でアフターフォローをおこなう重要性

展示会の目的は、商談に繋がるリードを獲得することです。
しかし、展示会には他にも数十社〜数百社が出展しているため、顧客が1社あたりに割ける時間は限られています。

当日の商談だけでは、展示会の出展費用に見合った契約件数を達成することは難しいのが現状です。
そのため、展示会後にあらためて製品の魅力を伝えたり、顧客の課題をヒアリングしたりする「アフターフォロー」が重要になってきます。

ただし、アフターフォローを実施すれば簡単に商談に繋がるわけではありません。
シャノンで1周目〜3周目のアフターフォローと商談発生数を比較したところ、2周目は1周目よりも75%減、3周目は85%減という結果になっています。

こうした難しい状況の中で展示会の費用対効果を改善していくためには、複数のアフターフォロー手法を組み合わせながら、年単位でナーチャリングしていくことが重要になってきます。

中長期にわたるコンテンツナーチャリングの重要性

展示会のアフターフォロー方法

展示会のアフターフォロー手法でおすすめなのは、次の4つです。

  • メール
  • 電話
  • DM
  • SNS

シャノンの事例を交えながら、具体的な方法を解説していきます。

メールでたくさんの顧客と接点を持つ

メールは一度に膨大な数の顧客へ手軽にアプローチできるため、たくさんの顧客と接点が持てる展示会でもよく用いられるフォロー方法です。
メールを使った展示会のアフターフォローには、主に3つの手法があります。

サンクスメール
展示会でブースにご来場いただいたお礼を伝えるメールです。シャノンでは展示会の翌営業日にサンクスメールを配信していて、本文には次の3つの要素を含めています。

(1)お礼の文言
(2)製品やお役立ち情報の資料(請求フォーム・PDFのリンクを挿入)
(3)セミナーへの誘導

サンクスメールを開封したか、リンクをクリックしたかによって顧客のフェーズを振り分けています。

個別メール(セグメントメール)
顧客の業界や、興味関心、担当者の役職などのセグメントに合った内容を送るのが個別メールです。シャノンでは商談に繋がるように、展示会後の個別メールでお客様の業界に近い事例を紹介しています。
関連記事:セグメントとは?意味や目的、分類方法、シャノンの事例「セグメントメール」も解説!

メルマガ
定期的にメルマガを配信することで、中長期的なコンテンツナーチャリングを行えます。シャノンではメルマガに掲載したURLをクリックした顧客に対して、ウェビナーの案内メールを送付しています。

電話でのアプローチ

営業やインサイドセールスによる電話でのアプローチも、効果的なフォロー手法です。
展示会ではたくさんのブースを回るため話せる時間が限定されています。
後日電話でじっくりと顧客の悩みをヒアリングすることで、顧客のニーズを把握することが可能です。

ただし、展示会でブースを訪れた顧客全員が商談に前向きだとは限りません。
また、展示会で1社が受け取る名刺の数は300枚ほどが相場ですので、全員に電話を掛けるとなるとかなりの時間が必要になります。

そのため、電話でのフォローを行うのは、他社と比較検討中の顧客や、強い興味関心を持っている顧客などに絞り込むことが大切です。

顧客属性に合わせたDMや事例DM

DMは特別感があり、開封率が75.4%(※)と非常に高いことから、展示会のアフターフォローにも用いられています(※出典:「DMメディア実態調査2022」調査報告書要約版、一般社団法人日本ダイレクトメール協会)。

シャノンでは展示会の1ヶ月後に製品カタログを郵送しています。
郵送後に電話でのフォローを実施したところ、応答率は33.3%、アポ率は15.0%を達成しました。

また、個別メールと同様に顧客の業界に近い事例をDMで送ることもあります。
事例DMの場合は、アポ率が9%に上っています。

アポ率は電話のみでの案内では1〜3%が相場ですので、DMと電話の組み合わせによって高い成果を得られていることが分かります。

関連記事:ダイレクトメール(DM)の取り組み方や効果を高める方法は?成功事例も紹介

SNSを活用したフォロー

展示会では、SNSを活用したフォローも効果的です。

展示会には「特定の業界に興味を持っていて、情報収集したい」という人が集まっています。
そのため、ブースでX(旧 Twitter)やFacebookのフォローキャンペーンを実施した場合、その後のフォロー解除率が低い傾向にあります。

SNSを一度フォローしてもらえれば、まだ購買の見込みが低い顧客にも定期的にアプローチすることが可能です。
SNSを通して魅力的なコンテンツやキャンペーンの情報を発信することで、自社に関心を持ってもらうきっかけづくりができるでしょう。

関連記事:SNSマーケティングとは?5つの施策ポイントや成功事例、BtoBで有効な事例も紹介

展示会のアフターフォローで成果を出すコツ

ここからは展示会のアフターフォローで成果を出すコツについて3つご紹介します。

フォローすることを考えて展示会の内容を決める

展示会に訪れた顧客は、1日にたくさんのブースに足を運んでいます。
「どのブースのことか全然思い出せない」と忘れられないように、他社と差別化したうえで、興味を持ってもらうための施策が必要になってきます。

シャノンでは顧客の記憶に残るブースにできるよう、ユニークな取り組みを行っています。
お菓子のつかみ取りを行ったこともあれば、光るおもちゃを渡したこともありました。
メールや電話でのフォロー時も、最初にこうしたユニークな取り組みに触れることで、「あのブースか!」とすぐに思い出してもらえています。

フォローすることを考えて展示会のブースを考えた例

フェーズの再判定を行う

展示会当日は、バックヤードで名刺をスキャンする際にリードのフェーズを振り分けている企業は多いでしょう。

しかし、限られた時間でのヒアリングではフェーズを十分に判断できず、コールドリードの中に「隠れホット」が紛れ込んでいる可能性も考えられます。

シャノンのマーケティング部門では、そうした隠れホットリードを営業部門に引き渡せるよう、フェーズの再判定を実施しています。

フェーズの再判定とは

シャノンがフェーズの再判定に活用しているのが、サンクスメールです。
サンクスメールにフェーズの判断材料となる要素を入れることで、営業部門とマーケティング部門のどちらが対応すべきか振り分けています。

フェーズ再判定用のメール文面

デジタルとアナログの手法を組み合わせる

デジタルマーケティングは非常に便利ですが、商談フェーズには繋げづらいのが現状です。
かつてシャノンでもデジタル手法に特化して、マーケティングを行っていたことがありました。その結果、リードや資料DLの数は増えたものの、売上にはあまり反映されませんでした。

展示会も来場者のほとんどは、業界への関心は高いものの、自社の製品には興味がない人たちです。
次のフェーズに進んでもらうためには、メールだけでなく、電話やDM、さらにセミナーを取り入れることで非常に高い効果を期待できます。

シャノンでは展示会のフォローアップセミナーとして、関心セミナーと製品セミナーという2段階のセミナーを用意し、フェーズの引き上げを図っています。

シャノンではMAを活用して展示会来場者を中長期にわたってフォローし、1人ひとりにとって適切なタイミングでセミナーを案内しています。

フォローアップセミナーは2種類用意

展示会アフターフォローの事前準備の流れ

ここからは展示会のアフターフォローに関する事前準備の流れについて解説します。

フェーズごとのフォロー手法や担当部署を選定

まずは展示会来場者をいくつのフェーズで区分し、それぞれでどのようなフォロー手法を取り入れるかを決定します。

シャノンの場合、展示会の来場者を「ホット」「ウォーム」「コールド」「既存」の4つに割り振っています。

フェーズごとのフォロー例

フェーズごとに対応ルールや目標、担当部署、フォロー内容を決めたうえで、フォローコンテンツの作成に移ります。

フォローコンテンツを作成

フォロー手法や分担が決まったら、フォローコンテンツを作成していきます。
同時に、シャノンが実施している「お菓子のつかみ取り」や「光るおもちゃ」のように、来場者にブースの印象を強く残せる集客ツールも用意するのがおすすめです。

フォローコンテンツの中でもとくにセミナーは、商談に向けてフェーズを引き上げるために重要な立ち位置を占めます。
来場者の興味を惹く調査結果や、独自のノウハウを含んだ、高品質なコンテンツづくりを心がけましょう。

会期中は名刺スキャンと来場者のヒアリングを実施

展示会当日は、来場者と名刺交換を行い、パンフレットを見てもらいながらお悩みをヒアリングします。

当日のヒアリング内容をフォロー担当者に引き継げるよう、ヒアリングシートを用意しましょう。
シャノンのヒアリングシートは、チェックのみで必要な情報を記載できるようにしたり、来場者の名刺とヒアリングシートを紐付けられるようにしたりといった工夫を行っています。

ヒアリングシートの活用例

また、来場者の名刺はバックヤードでスキャンすることで、アフターフォローを素早く実施できます。
名刺をスキャンしてMAにデータ化することでと、事前に設計したシナリオにしたがって自動でサンクスメールや個別メールを送信できるので、効率よくアフターフォローを実施できるでしょう。

まとめ

本稿のポイントは以下の3点です。

1. 展示会の来場者を商談に繋げるには、複数のアフターフォロー手法を組み合わせながら、年単位でナーチャリングしていくことが重要です。

2. 展示会の限られた時間のヒアリングでは「ホット」「ウォーム」などのフェーズを誤って判断している可能性があります。サンクスメールを活用してフェーズを再判定することで、適切なフォローを実践可能です。

3. アフターフォローは中長期的に取り組むことが重要なので、MAを活用して効率化を図るのがおすすめです。

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