ABテストとは?やり方やツールを紹介

ABテストとは?やり方やツールを紹介

ABテストは、アメリカ合衆国44代大統領のバラク・オバマ氏が、大統領選挙キャンペーン中におこなったことでも話題になりました。

オバマ氏は寄付やボランティアをWebサイトやメールで募集する際、サイト構成案やメールタイトル・文章案を複数用意しABテストを実施。 ABテストの結果、最も反応の良かったものを使用し、選挙戦を有利に進めました。

この記事では、ABテストについて解説します。ABテストの実施をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

ABテストとは

ABテストとは、AとBそれぞれの施策を試し、比較検討する手法のことです。 ABテストを活用することで、Webマーケティングの課題解決に役立ちます。

Webマーケティングについては「Webマーケティングとは? 未経験の方にもわかりやすく解説」をご覧ください。

ABテストを正しく実施すれば、定量的に効果を計測できます。 テスト結果をもとに担当者の勘や経験に頼らず、データによる改善が可能です。

ABテストはWebサイトやフォーム、広告などで用いられることが多く、テスト結果をもとに数値改善につなげられます。

ABテストの目的

ABテストはAとBを比較検討し、より良いものを採用して改善していきます。

なぜ改善するのかというと、アクセス数、CV数、直帰率などの数値を良くするためです。これらは最終的には、売上や認知拡大のためといえます。

ABテストによって、Webサイトのリニューアル費用の削減や広告費の削減といった、コスト削減効果も見込めます。

ABテストの対象

ABテストの対象になる代表的なものをお伝えします。ABテスト実施の際は効率性を考え、改善によるインパクトが大きい対象を選択してください。

Webサイト

Webサイト全般でABテストの実施が可能です。

特に目に入りやすいファーストビューの領域、メインビジュアルはABテストの対象となります。 その他にWebサイトでABテストの対象となり得る箇所を紹介します。

WebサイトにおけるABテストの対象箇所理由
ファーストビュー・メインビジュアルWebサイトに訪れたほとんどの人が目にし、ユーザーの行動に大きく影響するため。
CTAボタンやバナー資料ダウンロードやお問い合わせにつながるCTAはCVに大きく影響し、売上に直結するため。
ページタイトルタイトルによってクリック率が大きく改善する可能性があります。クリック率が改善すればアクセス数も増加し、ページ全体に好影響があるため。

  

フォーム

フォームはCVに直結するため、とても重要です。 ECサイトの場合、フォームは売上の生命線ともいえます。 フォームからの離脱率を改善し、入力完了率を高めることで、大きな成果をあげられます。

代表的なフォームの種類は次の通りです。

  • 注文フォーム
  • 資料ダウンロードフォーム
  • 問い合わせフォーム

フォームの必須入力項目の増減や、ステップの省略などをABテストで試してください。

広告

リスティング広告やディスプレイ広告、動画広告などにもABテストは有効です。

広告文の文言や画像など、クリエイティブの内容によってクリック率や直帰率が異なります。

クリック率が上がれば広告単価が安くなり、コスト削減にもつながります。

メールマガジン

メールマガジンは特にタイトルが重要です。タイトルによって開封率が大きく異なります。タイトルに迷った場合、ABテストの実施がおすすめです。

以前にシャノンでメールマガジンのABテストを実施した結果をお伝えします。

メールマガジンでは複数のトピックを扱うことも多いですが、その際にファーストビューに目次をつけると有効だと分かりました。

ファーストビューに目次がない場合に比べて、ファーストビューに目次があるとコンバージョン率は4倍、クリック率は1.6倍となりました。

メルマガのABテスト例

ABテストで確認するポイント

ABテストで確認するポイントは、大きく分けて3つあります。どれも改善できれば大きな効果があげられます。それぞれくわしく見ていきましょう。

クリック率

クリック率はCTRとも呼ばれ、表示回数のうちユーザーがクリックした回数の割合を表します。広告やWebページのバナー・ボタンなどの数値計測に活用できます。

クリック率の計算式は「クリック数÷インプレッション数(表示回数)✕100(%)」です。

広告のクリック数を確認する場合、100のインプレッション(表示回数)のうち1クリックされたら、クリック率は1%となります。

広告の場合、クリック率が上がればアクセス数が増え、広告単価が下がります。Webページのバナーやボタンのクリック率が上がれば、ユーザーへ届けたい情報を届けられる確率が高まるので重要です。

CVR(コンバージョンレート)

CVR(コンバージョンレート)はCV率とも呼ばれ、CVに至った割合を表します。 一般的にBtoBサイトなら資料ダウンロードやお問い合わせ、ECサイトなら購入完了の数がCVとなります。

CVRの計算式は「CV数÷サイトへの訪問数✕100(%)」です。 資料ダウンロードをCVに設定した場合、100の訪問数のうち1件資料ダウンロードがされたらCVRは1%となります。

CVRが上がれば、それだけCV数も増えるので改善すれば大きな成果があげられます。

離脱率

離脱率は、ページへの訪問者がどれくらい離脱したかの割合を表します。この「離脱」というのは、別のサイトに移動したりブラウザを閉じてしまったりすることです。

Webサイトやフォームの離脱率は低いほうが成果につながります。特にフォームは、離脱率を下げることでCV数の増加が見込めます。フォームの離脱率が高い場合の主な要因は次の通りです。

  • 必須入力項目が多い
  • 入力の仕方が分からない
  • 数値を半角で入力したところ、全角でないと進めなかった
  • スマートフォンに対応していない など

こうした項目をABテストによって検証・改善することで、離脱率が低下し、成果につながる可能性が高まります。

ABテストの進め方

目的の整理や仮説立てをおこなわずに、いきなりテストに進んでも失敗してしまう可能性が高いです。ABテストの進め方について、詳細をお伝えします。

目的の整理

まずはABテストを実施する目的を整理しましょう。

Webサイトのアクセス数を増やしたいのか、CV数を増やしたいのか、バナークリック率を上げたいのか、など目的はさまざまです。

何のためにABテストをおこなうのかが整理されていないと、やっても無駄になってしまいます。 ABテストのKPIを事前に決め、PDCAサイクルを回せるように準備してください。

KPIについては「マーケティングの成否を分ける「KPI」「KGI」の重要性とは。シャノンがKPI設定で失敗した実体験もご紹介!」でくわしく解説しています。

改善対象の選定

ABテストを実施する対象を決めていきます。

例えば「Webサイトを改善したい」と考えても、サイトのどの部分を改善すればよいかを調べる必要があります。 サイトを改善する目的を考えたうえでアクセス解析やヒートマップといったツールを活用し、改善対象を発見しましょう。

定性調査として、ユーザーインタビューをおこなう方法もあります。

改善対象には「改善によって得られる効果が大きい場所」を優先してください。

ABテストをおこない、改善を実行するには時間と労力がかかります。効果の大きい場所を優先することで、費用対効果が良くなります。

Webサイトの代表的な改善対象理由
Webサイトのトップページトップページはユーザーが最も訪れやすいため、改善できれば効果が大きいため。
主要な商品・サービスのランディングページ(LP)主要な商品やサービスのLPは売上に直結するので、改善できれば効果が大きいため。
フォームCVやCVRに大きく影響し、改善できれば効果が大きいため。

  

仮説を立てる

KPI達成のため、どのような改善をおこなえば良いのか仮説を立てます。チームで意見交換し、仮説を立ててみましょう。

勘や経験をもとに、思いついたままテストを実行してはいけません。改善対象の選定時にしっかりと調査をしたうえで、テストに進んでください。

テストの実行

Webサイトのデザインや広告文の内容など、いくつかのパターンをテストします。 テスト開始前には、動作環境の確認やアクセス解析ツールなどの外部ツールとの連携を忘れないようにご注意ください。

テスト結果の分析・改善

ABテストの実行後はテスト結果を確認します。 分析をおこない、結果の良かったものを採用し、本番環境に反映してください。

もし、ABテストの結果が良くなかった場合でも、次のテストに活かせます。繰り返しおこなうことで、ナレッジが蓄積されていきます。

ABテストツールの紹介

ABテストツールは無料・有料含めさまざまあります。代表的なツールを紹介します。

  • Google Optimize(グーグルオプティマイズ)
  • Optimizely(オプティマイズリー)
  • Adobe Target(アドビターゲット)
  • Kaizen Platform(カイゼンプラットフォーム)
  • Ptengine(ピーティーエンジン) など

この中でも無料で利用できて、Google Analyticsとの連携も可能な「Google Optimize」について紹介します。

Google Optimize(グーグルオプティマイズ)

ABテストツールの代表例がGoogle社の「Google Optimize」で、Google Analyticsと連携して無料で利用できます。

Google Optimizeを使用する流れは次の通りです。

  1. Google Optimizeの初期設定をする
  2. Google OptimizeのスニペットをWebサイトに設置する
  3. テストを作成する

Google Optimizeの初期設定

Google Optimizeを設定するためには、Google ChromeのウェブブラウザとGoogle Analyticsの事前インストールが必要です。

Google Optimizeのページにログインし、アカウントとコンテナの作成をします。その後、コンテナをGoogle Analyticsのプロパティへリンクしてください。

Google OptimizeのスニペットをWebサイトに設置する

ABテストを実施したいWebサイトに「スニペット」と呼ばれるコードを設置します。

設置方法はGoogleタグマネージャーを利用しているか、HTMLを簡単に編集できるかなど、Webサイトによって異なるので、公式サイトを確認してください。

Google Optimize ヘルプページ

テストを作成する

テストを開始するには、事前にテスト対象を用意する必要があります。

Google Optimizeのアカウントからコンテナを選択し「テスト作成」をクリックしてください。 テスト名を入力し、テストするWebページのURLを入力します。 「ABテスト」ボタンから「作成」をクリックすれば完了です。

ABテストの事例

シャノンでは毎週、大小さまざまなABテストを実施しています。実際にABテストを実施して成果をあげた事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。

事例1.LPのキービジュアル



シャノンの資料ダウンロードのLPには、もともと200文字程度のボディ文を入れていたのですが、ABテストでは資料の概要3点をまとめた「この資料で分かること」を追加しました。

その結果、概要ありのほうが440%申込率が高いという結果が出ました。

事例2.メールのタイトル



「展示会フォロー計画、絶対押さえておきたい10のポイント」というウェビナーの集客メールで実際に実施したタイトルのABテストが以下の2つです。

A:展示会を成功させる10のポイント
B:展示会を失敗させない10のポイント

クリック率は変わらなかったのですが、Bの「失敗しない」推しのタイトルのほうが180%申込率が高いという結果になりました。

シャノンで実施しているABテストについて詳しく知りたいかたウェビナーは、ウェビナー「シャノンが毎週実施しているA/Bテストの中から、厳選事例をご紹介」のアーカイブをご覧ください。

www.youtube.com

まとめ

この記事では、ABテストについて解説しました。ポイントは次の通りです。

  • ABテストは、アクセス数やCV数などの数値改善が目的
  • ABテストの対象は、改善によるインパクトが大きい対象を選択
  • ABテストで確認するポイントは、クリック率やCVR、離脱率など
  • ABテストの進め方は、目的の整理→改善対象の選定→仮説を立てる→テストの実行→テスト結果の分析・改善

ABテストを活用してサイト改善や広告改善を進めていきましょう。