刈り取り広告を2年間続けて気づいた、デジタルマーケティングの落とし穴

刈り取り広告を2年間続けて気づいた、デジタルマーケティングの落とし穴

リスティング広告をはじめとする刈り取り型の広告は、ブランド認知の有無を問わず、課題の顕在化した顧客を手っ取り早く獲得できる手法として知られています。

インターネット広告黎明期は、刈り取り型の広告を出し続けることである程度の効果を期待できました。

しかし出稿額が年々増加しているように、今や多くの企業にとって”当たり前の”施策に。刈り取り広告を出し続けるだけでは、競合他社との差別化はできません。

今回は、なぜ刈り取り型の広告だけでは効果が薄いのか、理由をまとめました。

マーケティング予算の大半を刈り取り広告に充てた

マーケティングオートメーションツールを提供するシャノンの事例を元にご紹介します。

2017年ごろ、シャノンのマーケティングチームは予算の大半をデジタル広告に充て、リードの獲得に注力していました。イベントへの出展やセミナー等のアナログ施策を大幅削減し、刈り取り広告やSEO対策のみに集中投資。その結果、KPIに設定していた資料請求数は1年で約2.5倍、2年で3倍以上に増加しました。

需要の顕在化したユーザーに対して刈り取り広告は効果的です。なぜなら比較・検討フェーズにあり、情報収集に積極的であるからです。

こうしてデジタル広告に特化したマーケティング施策は成功したかに見えました。しかし得たリードの大半は受注に結びつかず、結果として会社全体の売上は停滞気味に。なぜでしょうか。

シャノンが気づいた、デジタルとアナログ融合の重要性

デジタル広告への特化は、資料請求数を増やしましたが、受注に貢献しませんでした。この要因は単純で、ユーザーはデジタルとアナログにまたがって行動しているからです。

最終的な購買へのコンバージョンを上げるためには、デジタル施策よりもアナログ施策が効果的です。

実際、下記のようなデータがあります。

  • メールより面と向かって聞くほうが34倍効果的(※1)
  • イベント体験は購買に対して好影響を与えると74%の人が回答(※2)

かつてデジタルチャネルが普及していなかった頃は、デジタル施策そのものが差別化要素になりました。しかし今は、デジタルとアナログを組み合わせることで差別化を図ることが有効な手段だと実感されている企業が増えています。

シャノンでも2019年度までは、展示会やセミナーといったアナログの施策を復活させたことでリード獲得後の商談や受注を増加させることができていました。

※1:Harvard Business Reviewより
※2:2016EventTrackExecSummaryより

アナログの施策が制限されているいま、取り組める施策とは

ここまでは、刈り取り広告に特化したマーケティングの落とし穴やデジタルとアナログを組み合わせるマーケティングの重要性についてご紹介しました。しかし、コロナの影響で展示会出展やセミナー開催が制限されているいま、どのような施策に取り組んでいくべきなのでしょうか。

購買ピラミッドと注力する施策の整理

上の図の右側にあるのは「認知」「興味・関心」「比較・検討」「商談」の4つの購買フェーズからなる購買ピラミッドです。その左側に「集客」「獲得」「引き上げ」という、3つの施策目的のカテゴリーがあります。

施策目的の3つのカテゴリーと縦軸の4つの購買フェーズというこのフレームワークを活用して、各施策を整理してアプローチや具体的なアクションを設定します。

この記事では、これから取り組みやすい施策としてオレンジ色の四角で示している「隠れ検討層の獲得」と「関心引き上げウェビナー」について、具体的にご紹介します。

「隠れ検討層」の自発的なウェブアクセスをキャッチ

隠れ検討層とは、購買ピラミッドでは比較検討に近い段階まで情報収集が進んでいるにもかかわらず、資料請求などのアクションがされていないため企業側からは認知できていない集団を指します。

シャノンでは、この「隠れ検討層」のウェブサイト訪問時のフォローを興味・関心が再燃したタイミングと捉え、「再燃キャッチ」と呼んでいます。
過去に接点があった時点では具体的に検討をしていなくても、状況が変化してニーズが発生すると顧客はウェブサイトでの情報収集を再開します。

マーケティングオートメーションを活用することでこうしたウェブアクセスをキャッチすることが可能です。「再燃キャッチ」を行うことで営業やインサイドセールスからタイムリーにフォローできるようになり、商談が生まれやすくなります。

関心引き上げウェビナーで参加者に解決すべき課題を設定させる

つづいて顧客の興味・関心を引き上げる関心引き上げウェビナーについてご紹介します。ウェビナーは画面越しの視聴となりますが、対面のセミナーと同様に接触時間が長く高い説得効果を期待できるため、おすすめの施策です。

関心引き上げウェビナーのコンテンツは、相手に解決すべき課題を設定させる内容にします。

比較検討層に向けた製品紹介ウェビナーでは、聞き手が課題の解決方法に興味があるため、製品・サービスの説明が多くても問題ありません。しかし興味関心層向けのウェビナーでは、聞き手がまだどの課題を解決するべきかを決めていない状態です。そのため、たくさんある課題の中で「なぜ、自社の製品・サービスが解決する課題に優先的に取り組むべきなのか」を納得してもらうことが必要です。

関心引き上げウェビナーを通じて適切なコンテンツが顧客へ届けば、大きな効果を上げることが可能です。

シャノンの実例となりますが、2020年度受注した企業の8割以上が1年以内に関心引き上げウェビナーを視聴しています。

デジタルとアナログを組み合わせたマーケティングの成功事例

ここまでご紹介した「再燃キャッチ」や「関心引き上げウェビナー」はアナログの接点を持つことが難しいいまも実施できる施策でした。最後に、今後コロナの状況が落ち着き、アナログのマーケティング需要が戻ることも踏まえて、某大手IT企業の成功事例を紹介します。

これまでアナログ管理していた名刺をシャノンでデジタル化し、マーケティングオートメーション上で管理。担当営業のリード先訪問の有り無しだけで分けていたリードをさらに、課題の顕在・潜在で分類しました。課題の顕在・潜在は、ウェブトラッキング機能を使って製品サイトを訪問したかどうかで判別します。

営業が訪問済みで製品サイト訪問を訪問したリードに、導入事例のメールを送っても効果はありません。それよりも製品スペックに訴求したメールを送ったり、電話で詳細な製品情報を伝えたほうが効果があります。

各セグメントに適したフォローを行ったことで、従来の営業成績と比較して、温度感の高いリードへ転化数は3.3倍増、具体的な案件数は3.6倍増という成果が出ました。

まとめ

アナログ施策が制限されている状況でも刈り取り施策のみに頼らず、「隠れ検討層の獲得」や「関心引き上げウェビナー」を実施することで、ビジネスゴールの達成は近づきます。
シャノンのマーケティングオートメーションは、直近で必要とされているデジタルの施策だけではなく、将来的に需要が戻るであろうアナログの施策に取り組まれる方にもご利用いただけるツールです。

長期的な視点でのマーケティング体制構築をご検討されている方は、ぜひ資料をダウンロードください。

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