人数は変わらず商談を8倍に。
3社目のMAツールで
大きな成果が出たカギは、
自動化と多彩な連携ソリューション

株式会社アイアットOEC

会社名:株式会社アイアットOEC
業種:IT
業態:BtoB
導入製品:SHANON MARKETING PLATFORM
導入時期:2019年2月
URL:https://www.iii-oec.co.jp/

取材ご協力企業

株式会社アイアットOEC
クラウドサービスを提供する岡山のIT企業です。
株式会社岡山情報処理センター(OEC)より分社設立後、誰でも簡単に使えるクラウドサービス「WaWaシリーズ」や「@pocket」を中心としたBtoBのクラウドソリューションを幅広く展開しています。

取材ご協力いただいたかた
営業本部クラウドサービスグループ 営業第六チーム担当課長/マーケティング責任者 濱田 様
同グループ 主任/インサイドセールスリーダー 守安 様

製品導入の目的

  • 少人数でマーケティング施策を無理・無駄なく多く実施し、成果を上げたい
  • 全体的に増員が難しい中、マーケティング・営業・インサイドセールスが揃って成果を出せる体制作り

製品導入時の課題

  • 少人数でマーケティングとインサイドセールスを行うため、やったほうがいいとわかっていても、手の込んだ施策に掛かることができない
  • 運用していた他社MAツールが少人数で様々なマーケティング施策を実施するには機能が足りず、煩雑な作業と確認が必要

製品導入の効果

  • 商談数が以前のMAツール利用時と比べて8倍に増加
  • 余剰時間を創出することで、新規コンテンツの企画~実施が倍増

課題解決に寄与した機能

  • 自動化を実現する柔軟なメール機能と豊富なテンプレート機能
  • 煩雑なタグ管理作業から解放する「履歴自動付与」機能
  • アンノウンマーケティングを実現する「ポップアップバナー」機能

マーケティング人材は不足。それでも、様々な施策が必要な理由

濱田氏は同社の唯一のマーケティング担当として、多岐にわたる取り組みを行っています。セミナー企画から実施、オウンドメディア制作、メルマガや付帯するホワイトペーパー制作など、オンライン・オフライン問わず担当しています。何故、これだけの施策が必要なのでしょうか。

濱田氏: 簡単に申し上げると、顧客の購買変化に合わせざるを得ないからです。営業担当者と接触する前に6~8割購買を決定づける情報にリーチしていると言われています。軽く概略を知りたいかたもいれば、しっかり比較を行い、自社製品サービス導入後の活用まで考えたいかたもいます。そもそものニーズに加えて、それぞれに触れたい情報には人それぞれ嗜好がありますので、媒体を準備する必要があるのです。

濱田氏のマーケティング活動を「車の両輪」として支えるのが、インサイドセールスリーダーの守安香菜氏。営業経験を積んだのち、転向した「営業の気持ちがわかる」インサイドセールスです。

守安氏: 濱田の言う通り、インサイドセールス目線でも同一コンテンツでも媒体が異なると、反応する層も異なるため、コンテンツの量・質と同じぐらい媒体の種類は重要な観点になってきます。また、地方企業あるあるですが、増員計画は難しく、よく言えば地に足ついた計画と活動が求められるわけです。二人でマーケティングを行う上で重要なのは「何をやらないか」を定義しつつも、一少しでも施策数を増やすためにどうすればいいか、自動化のような効率化や省力化が生命線になってくるのは間違いありません。

2つのMAツール導入を通じて理解したこと

濱田氏: シャノンのMAにたどり着くまで、2つのMAツールを導入しました。MAツールで何ができるのかを学べたという意味では決して無駄ではありませんでしたが、同じ苦労をおすすめはしません。(笑)

比較的早い段階からMAツールの導入に着手していますが、どのような経緯を経てシャノンのMAツールに乗り換えたのでしょうか。

濱田氏: 1つめのMAツールでは自社Webへの問い合わせや、製品比較サイトを通じて得られたリストを手作業で、MAツールに入力していました。アクセスしてきた企業の把握や、収集データのCSVの取り込み、定期的なメール配信を行い、関心度の高い企業をリスト化するといったシンプルな運用を行っていました。

展示会の出展やWeb施策が功を奏し、獲得リードの数も数倍に増えてきた段階で課題に当たります。リードの数が増えても、対応する営業メンバーの人数は変わりません。つまり「見込みの高いリード」を絞り込んでパスする必要が生じますが、課題はそれだけではないです。

守安氏: 濱田が企画から講師まで担当するウェビナーは人気ですが、購買検討中の見込み客もいれば、情報収集中や個人的な興味レベルまで幅広いステータスのかたが参加します。
様々な施策から獲得したリードに対して、営業に見込みの高いリードをコンスタントにパスしようとしても、潤沢にパスできる月、足りない月といったバラつきがどうしても生じます。単純に見込み度の高さで絞るだけではなく、随時営業の手持ち無沙汰にならないようにするには、幅広いステータスのリードに対して興味関心度を引き上げるコンテンツを配信していく必要がありました。

濱田氏: いわゆるカスタマージャーニーを設計し、計画立ててナーチャリング施策を行うベースの考えはあっても、まずその通りには進みません。一段階飛ばしで関心度が引きあがるリードもいれば、関心の醸成に時間がかかり、停滞するリードもいます。同じ内容のコンテンツを、同じタイミングでただ配信するだけでは関心度は引き上がりません。
顧客の今の状況に応じたメール配信を行おうと思うと、以前のツールでは非常に煩雑な手作業が発生していました。ミスなくダブルチェックを徹底すれば今度はタイミングのズレが生じてしまうストレスが日に日に強くなってきました。顧客行動の1次データ可視化され、頭の中には「やった方がいい」施策は思いつくのに、手がかかることはできないモヤモヤがずっと残っていました。

二人の体制でインサイドセールスとマーケティングの業務を抱えながら、それまでのMAを運用していくということが非常に難しくなってきました。MAツールを導入することで関心度の可視化ができると、「関心度が上がっていない」ことも同時にわかってしまいます。BtoBマーケティングを獲得して終わりではない真摯に取り組むが故の悩みに直面することになります。努力の結果増えたリードに有効なコンテンツを届けようにも、ツールの機能不足がボトルネックになり、実現できない日々が続いています。

守安氏: メール配信だけでも、もっと効率的に運用できるツールはないかと濱田に相談し、2つめのMAツールに乗り換えを決断しました。スペック通りにメール送信などの機能は向上しましたが、マーケティングそのものの自動化は難しかったです。

濱田氏: 全くの盲点でした。コンテンツが増え、施策を頑張れば頑張るほど履歴を紐づける「手作業」が増えてしまいます。メール配信前やコンテンツ設置前に抜け漏れやミスが起きないよう細心の注意が必要で、これもストレスがたまります。複雑なメール配信を機能として実現できたとしても、このままではすぐに頭打ちになると気づきました。

こうした背景から3つ目のMAツールであるシャノンマーケティングプラットフォーム(シャノンMA)へ乗り換えに踏み切りました。決め手は「タグ管理からの脱却」「自動化」、そして「多彩な連携機能」でした。

濱田氏: 限られた人数で生産性を上げるための自動化や、将来的な拡張のためのAPI連携という2点は重要で、シャノンMAなら実現できると思いました。ツールの乗り換えはもちろん工数もかかりますし、社内説明も必要になります。
単純に「面倒な作業が増える」から乗り換えるという発想であれば、増員でしのぐ選択肢もあるのかもしれません。ただし、元々増員の計画はなくマーケティングの責任者としてはシビアに利益も見ています。成果と利益を出すために自動化による工数削減が必要であることを経営に理解してもらい、シャノンMAへの乗り換えを実現しました。

複数商材を扱う上で効果的だった「ステップメールの自動化」

シャノンMAの導入については、シャノンの営業が乗り換え業務を熟知しているため、以前に利用していたMAツールからデータ移行もスムーズに行なわれました。
3回目のMA導入の目的として、最も重視したのは「自動化」とくに、ステップメールの自動化でした。

守安氏: シャノンMAはオートリプライやステップメール、一斉送信、個別送信など状況に応じて適切なメールを配信できます。 中でもキャンペーンへの申し込みを起点として自動でメールを配信するステップメールの機能は、以前利用していたMAよりもずっと充実していましたね。

アイアットOECのBtoB向けの製品・サービスの提供のプロセスは、「一定期間(14日間など)の無料トライアル」からはじまります。
このトライアル期間中に、合計4回程度のメールが見込み顧客に送信されます。 このメールを送るためのセグメントとシナリオの設計が、商談や案件化につながる生命線です。
はじめにステップを起動するため守安氏がフォームに登録した15分後に初回のメールが送られます。 その後、3〜4日を経て数回のメールが送られます。
1つ目の案内の文書は無料トライアルの案内メール、2つ目と3つ目は製品に関する詳しい情報やサイトの案内。最後は、トライアル期間が終了の告知と延長や、オンラインでの商品説明を案内するメールという流れです。

守安氏: 製品・サービスが多いのでそれぞれのターゲットや条件別に文面を変えています。この作業をシャノンMAで自動化できたことが大きな成果でした。

以前のMAツールでは、ステップメールの出し分けは煩雑な作業が必須でした。
一時期は、48種類の文面がありましたが、運用が煩雑になったため、泣く泣く絞り込みました。数多くのシナリオに即したメールの文面は、雛形を元にコピーして作りますが、それでも複雑になり、どの用途のものかがわからなくなります。より高い成果を上げようと文面を工夫し精度を上げようとすると運用負荷が上がる悪循環が、以前のMAツールでは起きていました。
また、以前のMAツールでは、例えば署名の住所が変わったときなどの細かな変更でも、すべての文面を修正しなければなりません。
一方、シャノンMAでは、そもそも多種にわたるテンプレートがプリセットされており、修正も差し込み用の項目を編集すれば、その項目を使っているすべての文面に反映。こうした修正・更新作業が大幅に軽減されます。

濱田氏: ステップメールでは最初と最後のメールが重要です。最後にリモートでの説明を希望しますとお客さんに言ってもらえれば、そこからは営業に渡すことができます。
きめ細かなシナリオによって送られるため自動送信と意識されず、丁寧な対応への感謝を述べられることもあるほどです。

守安氏: シャノンMAは定期的に「試してみたい」機能追加もされるのも助かります。例えば、アンノウンマーケティングで使われる「ポップアップバナー」機能の実装により、未コンバージョンの見込み客には資料請求へ誘導し、既にコンバージョン済みの見込み客には濱田のウェビナーに誘導するといった、バナーによるユーザー行動の振り分けを行うことができます。新規の取りこぼしを減らしつつ、再来訪者の離脱を防ぐのに役立っています。BtoBマーケティングは受注までに時間がかかりますので、アンノウン(匿名)リードの獲得だけで終わらないのがいいですね。

人数を増やさず、商談数が驚異の8倍に

守安氏: シャノンMA単体でも顧客行動の履歴は見やすいです。日々、見込み客フォローを行うインサイドセールスの視点でお伝えすると、どこでどのような接点を持ったのかが一目瞭然です。以前のMAツールでは顧客接点の羅列から探さないといけないため、フォロー件数も伸び悩んでいました。また、シャノンコネクト(API)を使うことで自社のSFA・CRMと繋ぐことができたので、より一層営業との情報共有の速度が高まったのが大きいと思います。

濱田氏: ROIとしての具体的な数字は非公開ですが、商談数は8倍に増えています。それでいて、マーケ・インサイド・営業の体制の人数が変わっていないことが何よりも成果の証明です。この3つの役割が機能できたのもMAと営業が見るDBがうまく連携して生産性を高めたからだと思います。何か1つだけの施策を実施したから商談数が増えたというわけではなく、まずは自動化、省エネ化により時間と手作業によるストレスから解放されたのが大きかったですね。生産性を高めない限り、考える時間もコンテンツをつくる時間も生まれませんから。

自動化による商談数増加に成功したアイアットOECの今後の展開はどのようにお考えでしょうか。

濱田氏: 現在、アイアットOECの製品は複数商材であり、1つ1つの製品が多機能なため、どうしても理解を促すには多くの説明が必要になります。動画による理解促進はかなり有効なツールと考えています。シャノンMAは、現在YouTube Live、Vimeo、ブイキューブなどの動画プラットフォームとの連携機能があるので、そうした機能を今後は実装していきたいですね。自社製品である「@pocket」連携によるシステムの拡張、さらには動画ツール連携を実現し、いずれは「営業・マーケティングのDXともいえる完全自動化」を目指したいと考えています。

岡山というローカルに拠点を置きつつ、全国展開の高品質BtoBクラウドサービスを展開していくアイアットOEC。自社で蓄積した技術やノウハウを活かした製品が今後も投入されていくでしょう。