株式会社アドバンテッジリスクマネジメント

「シャノンは、コミュニケーションツール」。
立ち上げから3年で15名まで拡大した
マーケティング部門を支える情報共有基盤とは


左:マーケティング本部 マーケティング部 MMプロモーション課 高坂憲彰氏
右:マーケティング本部 マーケティング部 MMプロモーション課 長谷川智也氏

アドバンテッジリスクマネジメント(以下ARM)は、企業の従業員の「ウェルビーイング(肉体的にも、精神的にもそして社会的にもすべてが満たされた状態)」を実現する、メンタルヘルスのためのマネジメントや健康経営支援など幅広い人事領域のサービスを提供している。

同社は2015年からSHANON MARKETING PLATFORM(以下 シャノン)を採用してきたが、近年、本格的なマーケティング体制の構築と共にその活用度を高めてきた。 現在では、ウェビナー管理や営業へのリード提供をはじめ、部門を横断して施策の状況を共有するために不可欠なツールになっている。


Point

  • 組織拡大が進むなかで、チーム間のコミュニケーションツールとしてシャノンを活用
  • セミナーをウェビナーに切り替えてから申し込みが約3倍に増加
  • インサイドセールスチームに、案件の発生の経緯やセミナーの集客状況をリアルタイムで共有

分散したマーケティング機能をひとつの部門に集約

ARMの強みと特長は、人事領域の幅広い問題に対するソリューションだ。

社員のウェルビーイングを実現する独自のソリューションを数多く持ち、年間で数十種類のセミナーを展開している。 そうしたセミナーの企画立案から集客、ウェブ制作やホワイトペーパーなどのコンテンツ制作など、数多くの施策を推進しているのがマーケティング本部だ。

今回は同本部の高坂氏、長谷川氏の2名に話を伺った。

マーケティング部門が本格的に立ち上がったのは2018年。

それまでの営業部に分散していたセミナーを集約し、本格的なリード獲得を目的にするマーケティングの体制がトップの指示のもと、築かれた。 当初は3名だったメンバーも、広報機能を兼ねる企画課と施策を実行するプロモーション課、制作物や問い合わせリストを整備するメンバーを加えながら徐々に増員され、現在は15名の体制となっている。

「セミナーをはじめとした各施策の企画から、インサイドセールスへのトス、ひいては成約につながるリードを増やすことまでが私たちのミッションです」と語るのは高坂氏。

ARMの提供サービスを紹介するセミナーの実施を、高坂氏、長谷川氏が担い、同じマーケティング部内の企画課では広報的な役割やマーケティングのためのデータのマネジメントを担当している。 セミナー以外にホワイトペーパーやリード獲得のためのリスティング広告などの業務もある。

高坂氏と長谷川氏は、年間100本近い数のセミナーをこなす現在のチームには企画力やスピード感といった強みがある一方、課題もあると言う。

「課のメンバー5人がそれぞれの領域における専門性を追求しているだけでは、縦割りになりがちです。組織・チーム間のコミュニケーションを高め、施策の相乗効果を目指す必要があると感じています」(高坂氏)

セミナー増加にともない、インサイドセールスへの連携が課題に

マーケティング部門が発足したタイミングで、インサイドセールス立ち上げなど営業体制の改革も進み、ナーチャリング施策をより重視するようになった。

従来は大規模セミナーや小規模の当社サービス体験会など月1本程度実施していたが、テーマごとのセミナーを数多く実施するようになった。

「コロナを機にオンラインにスムーズにシフトできたのも、セミナー運営基盤が整っていたことが大きいと思います。」(高坂氏)

そこで得られた参加者のリードをインサイドセールスのチームに提供することが、重要なミッションとなる。 ウェビナーにシフトしてからは、東京からの一律発信で効率よくリード獲得できた。 しかし、リードをトスするだけではインサイドセールスチームには活用してもらえない。

高坂氏は営業出身だけに、営業の立場からのリードに対する要望はよく分かるという。 「マーケティング施策の全体像を、インサイドセールスや営業の部隊にまず理解してもらう必要がありました」と高坂氏は言う。

そのため、インサイドセールスチームの定例のミーティングに高坂氏、長谷川氏が出席し、施策やリードに対する要望や意見を聞く。 その場で洗い出された課題は、表にまとめられ、解決策を記入していく。 またメール配信などの予定も各メンバーが、スケジュールに記入し枠を確保する。

マーケティング部門が立ち上がったばかりの頃は、施策全体のスケジュール表やセミナーの集客状況を壁に貼り出していた時期もあった。 「アナログですが、当時は効果的な方法でした」と長谷川氏。

しかしそれだけではない。 マーケティング・オートメーション(MA)としてシャノンを活用することで、チーム間の情報共有基盤としている。

シャノンはチーム間のコミュニケーションツール

「私たちにとって、シャノンはコミュニケーションツールです。シャノンがなければ業務は回せません」と高坂氏は言う。

マーケティングチームとインサイドセールスチームのメンバーがアカウントを持ち、案件の発生の経緯、セミナーの集客状況などをリアルタイムに共有している。

シャノンの導入のメリットとしては、顧客データの「絞り込み」と「分析」だという。

長谷川氏は「収集されたデータを絞り込むことで案件の確度の高いデータが渡せます。 さらに、複数のプロダクトの施策の比較や、売れ筋のサービスの傾向、リードの獲得状況を分析して、今後の戦略に活かしていきたいですね」と語る。

今後のテーマは、データマネジメントとシナリオ活用

現在、マーケティング本部の企画課がメインで取り組んでいるのは、シャノンに蓄積されたデータの整理・統合だ。

「長年使っているがゆえの問題ですが、担当者それぞれがテンプレート作って管理していると、テンプレートごとに取得する項目の不一致が生じてしまいます。」と長谷川氏。

そのために複数のデータを連携してBIツールで活用しようとすると、入力の形式が違っていたり、カラムのズレが生じたりしてしまう。

データの統合に関してもう一つテーマとして挙がっているのは、マーケティング部と営業のデータとの連携だ。 営業部ではSFAを利用しているが、このSFAのデータとシャノンのデータの連携を図りたいと言う。

「この2つがつながれば非常に価値のあるデータの分析が可能です」と高坂氏は期待する。

そのためには、営業側のSFAのルールとのすり合わせも必要になる。 こうしたデータマネジメントやフォームの整備、システム連携への取り組みが目下の課題であり、これから腰を据えて取り組むとのことだ。

さらに長谷川氏は、今後もセミナーの集客や歩留まりの向上を図るために、シナリオ機能を活用していきたいと言う。 これまでは案件の掘り起こしのため、インサイドセールスのチームが担当の顧客にメールを打っていた。 営業のリソースも限られているのでプロモーション側でも行いたいという。

「これまでプロダクト単位のセミナーはいろんなバリエーションがあるため、メールの通知などある程度手動でやってきた面があります。今後さらにセミナーを充実させていくためにシナリオ機能を使った自動化により効率化を図っていきたいと考えています」(長谷川氏)

アフターコロナ、ウィズコロナの時代を見据えて健康経営のニーズの高まりと共に、ARMの人材領域の提供サービスはますます拡大していくことが今後期待されていく。

イベントやセミナーマーケティング施策もより多様化されていく中で、顧客データの分析や蓄積が今後もますます重要になっていくに違いない。

「たくさんのサービス・ソリューションがあると言う事は競争力にもつながりますが、それぞれの担当者が自身の担当領域にとどまらず、ほかの担当者の施策とコラボレーションしながら相乗効果を生めたらと考えています。ARMは、提案をすればどんどん新しいことにチャレンジさせてくれる風土があります。今後も新しい施策を企画し取り組んでいきたいと思います」(高坂氏)