ミサワリフォーム株式会社

地域に密着したイベントは年間約300回。
オンラインコンテンツと組み合わせた
商談までのアプローチとは

ミサワホームグループの一員として、住宅をはじめ医院・クリニックや商業施設などを対象に、増改築、設備・インテリア、各種サービス事業を展開しているミサワリフォーム。

約40年間にわたって培ってきた技術と経験を生かして、高品質・高性能なリフォームにより建築物の価値を高めています。

地域に密着したニーズに応えるために、デジタルを活用したマーケティングを展開しています。

Point

  • イベント集客を効率化しセミナーや相談会を年間300回以上実施
  • 顧客のフラグ管理とシナリオ機能を活用して、細分化されたコンテンツ提供を実施
  • SMPに蓄積された流入経路の情報をもとに、後藤ブランドで運用している広告で最適な予算配分を実現

商談を増やすためのデジタル施策を推進

営業推進本部 営業推進部 e-ビジネス推進課 課長
高橋裕 氏

高橋氏が所属するe-ビジネス推進課は6名。現場見学会・ショールームツアー・リフォームセミナーなどのイベントの集客や、Webのコンテンツ制作、リード顧客の管理を行っている。

高橋氏の仕事は、新しいテーマが生まれた時に、チームのなかで最初に取り組み、メンバーに引き継ぐことだと言う。

住宅やリフォーム業界といえば、今ではデジタルのマーケティングが進んでいるイメージがあるが、少し前まではアナログの業界だった。

「今の課の前身のプロジェクトチームが立ち上がったタイミングで、デジタルのマーケティングに集中することにしました。 お客様はミサワホームにお住まいの方が多いのですが、50%ぐらいはそれ以外の戸建てやマンション住まいの方々です。会社の伸びしろとしてはそちらの方が大きい。 新たなお客様を開拓するためのデジタルの取り組みが、会社の方針になったのです」(高橋氏)

まず資料ダウンロードとセミナー集客のWebからはじめた。資料ダウンロードによるリード数、イベント集客数をKPIに置きつつ、KGIとしては「商談を増やすこと」を目標に据えたと言う。

とはいえ、高橋氏をはじめメンバーにとって、デジタルマーケティングは未知の分野。 ミサワホームグループには広告代理店もあり、一括して支援を依頼することできたが、高橋氏には内製化へのこだわりがあった。

「外部への丸投げはしない。DIYの精神で、自分たちで経験を積んでいくことが第一。そのために、一緒に作っていくパートナーが必要」

このように考えていた高橋氏は、以前から付き合いがあり、現在はシャノンの子会社でもある後藤ブランドに協力を依頼した。 同社とのミーティングを定期的に重ね、サイトの作り方、イベントの立て方やリード獲得の手法を積み上げていった。

「広告はもともと実施していたのですが、獲得できるのは比較検討層で、興味関心層以下の人をどのように獲得するか、イベントで獲得した人をどのように商談に引き上げていくかに課題を感じていました。 そのために、以下の点を重視してMA(マーケティングオートメーション)ツールを検討することにしました」(高橋氏)

  • イベントページの作成、メールの集客、参加者登録が行え、CRMとの連携も優れている
  • 自分たちで使いこなし、カスタマイズができる
  • 導入に際してのきめ細かなサポート体制

「高価な海外のMAツールなども検討しましたが、機能がオーバースペックだったり、カタカナの用語が多く、チームとして使うには馴染みにくい問題がありました。 私自身、建築の現場を多く見てきたのですが、現場にとって日々使う道具が手に馴染むかどうかは非常に重要だと考えています」(高橋氏)

地域・世代・ニーズ別セミナーで見込み客を増やす

SMPの導入によって得られた最大の効果は、イベントの実施回数が増え、参加者が増えたことだと高橋氏は言う。

「イベントの実施回数は、年間300回にも及ぶイベントを管理しています。参加者数は肌感覚ですが、以前の倍ぐらいになっていると思います」(高橋氏)

もう1つの大きな効果は、各拠点と本部の連携によるセミナーの開催がスムーズになったことだ。

本部で方向性を出し、各拠点がそれぞれの地域の生活者に密着した企画を立てていく。 以前は、各拠点が集客まで行っていたが、集客の施策はe-ビジネス推進課がSMPを使い一括で行うことで、拠点と本部との一体化した体制が築けた。

SMPでは、イベントなどのオフラインの接点と、Webコンテンツのオンラインの接点を合わせて管理分析できる。コンテンツマーケティングの面でも成果があったという。

「その地域の生活者に刺さるテーマがあれば、セミナーや個別相談会、見学会を企画します。たとえ少数であってもそこから商談につながるケースもあるからです」(高橋氏)

テーマは「相続」「空き家」「定年後」「戸建て」「実家の処分」「2世帯」「空き家」など様々だ。各地域の拠点が、その地域のニーズに即した企画を立てる。

例えば、高齢者の方が多い地域では生前相続セミナーや空き家の対策、若い層の方が多い地域には中古マンションの購入やリフォームの方法など、地域とターゲットによって、細分化されたテーマのイベント、動画、記事コンテンツを実施する。

コンテンツは、1テーマで複数回にわけて作り、それぞれ閲覧者がどのページを見たかを把握し、フラグを立て、SMPのシナリオによってアプローチを行う。

こうした絞り込んでマッチしたお客様がコンバージョンすると、その後案件としてCRMでフォローし、商談に結びつける。

顧客のフラグ管理、シナリオの使い方としてはかなり高度だ。

「最初はかなり苦労しましたが、後藤ブランドやシャノンの協力もあり、ノウハウを蓄積することができました」(高橋氏)

流入経路の情報を活用することで広告の精度を向上

シャノンには広告事業である「アドクラウド」のサービスとして、ダイナミックリターゲティングがある。

このサービスではクッキーに依存せずに、再訪を促進させることが可能だ。こうしたWeb広告との連携でもSMPは効果を発揮している。

後藤ブランドがシャノンの子会社でもあることから、広告の流入経路の情報は、SMPと共有され、相乗効果が高まる。

ダイナミックリターゲティングもすぐには効果がでなかったが、後藤ブランドのアドバイスで、最適な予算配分を実現できるようになった と高橋氏。 SMPを多方面で活用することで広告の精度があがり、相乗効果が生まれている。

今後は、お客様の掘り起こしに注力

今後は、さらに新しい手法を試し、「埋もれたお客様を掘り起こしたい」と高橋氏は言う。

シャノンに蓄積したリードの属性を活用と分析を進め、さらにマーケティングを向上させていくという。 LINEによるプロモーションはすでに進めているが、SMPを活用したLINE配信やはがきDM、ポップアップ広告も考えているとのことだ。

「以前のリストで手つかずになっていて、埋もれているお客様がまだ多い。Web広告領域を使ってなどを使って既存のお客様にアプローチしたいと考えています。 MAツールの中のリードとのマッチングで、さらに効果が出せるのではないかと思います」

シャノンで得た反応で得た分析を後藤ブランドと共有してマーケティングに活かし、さらに潜在顧客を掘り起こしていきたいと、高橋氏は今後に意欲を示した。