高橋氏が所属するe-ビジネス推進課は6名。現場見学会・ショールームツアー・リフォームセミナーなどのイベントの集客や、Webのコンテンツ制作、リード顧客の管理を行っている。
高橋氏の仕事は、新しいテーマが生まれた時に、チームのなかで最初に取り組み、メンバーに引き継ぐことだと言う。
住宅やリフォーム業界といえば、今ではデジタルのマーケティングが進んでいるイメージがあるが、少し前まではアナログの業界だった。
「今の課の前身のプロジェクトチームが立ち上がったタイミングで、デジタルのマーケティングに集中することにしました。 お客様はミサワホームにお住まいの方が多いのですが、50%ぐらいはそれ以外の戸建てやマンション住まいの方々です。会社の伸びしろとしてはそちらの方が大きい。 新たなお客様を開拓するためのデジタルの取り組みが、会社の方針になったのです」(高橋氏)
まず資料ダウンロードとセミナー集客のWebからはじめた。資料ダウンロードによるリード数、イベント集客数をKPIに置きつつ、KGIとしては「商談を増やすこと」を目標に据えたと言う。
とはいえ、高橋氏をはじめメンバーにとって、デジタルマーケティングは未知の分野。 ミサワホームグループには広告代理店もあり、一括して支援を依頼することできたが、高橋氏には内製化へのこだわりがあった。
「外部への丸投げはしない。DIYの精神で、自分たちで経験を積んでいくことが第一。そのために、一緒に作っていくパートナーが必要」
このように考えていた高橋氏は、以前から付き合いがあり、現在はシャノンの子会社でもある後藤ブランドに協力を依頼した。 同社とのミーティングを定期的に重ね、サイトの作り方、イベントの立て方やリード獲得の手法を積み上げていった。
「広告はもともと実施していたのですが、獲得できるのは比較検討層で、興味関心層以下の人をどのように獲得するか、イベントで獲得した人をどのように商談に引き上げていくかに課題を感じていました。 そのために、以下の点を重視してMA(マーケティングオートメーション)ツールを検討することにしました」(高橋氏)
- イベントページの作成、メールの集客、参加者登録が行え、CRMとの連携も優れている
- 自分たちで使いこなし、カスタマイズができる
- 導入に際してのきめ細かなサポート体制
「高価な海外のMAツールなども検討しましたが、機能がオーバースペックだったり、カタカナの用語が多く、チームとして使うには馴染みにくい問題がありました。 私自身、建築の現場を多く見てきたのですが、現場にとって日々使う道具が手に馴染むかどうかは非常に重要だと考えています」(高橋氏)