オンラインへ急転換。数万名の視聴情報を集約した富士通のイベント基盤とは
- 業種
- IT・通信
- 規模
- 1001人〜
- 課題
- 顧客情報の集約・管理 セミナー管理 システム連携
取材ご協力企業
富士通株式会社
富士通は、2020年10月中旬から12月中旬までの間、2ヶ月間にわたって、全社規模でのグローバルイベント「Fujitsu ActivateNow」を実施した。
例年、年次イベントとしておこなってきた自社最大のイベント「富士通フォーラム」に替わり、富士通にとってはじめてのグローバル規模でのオンラインイベントとなった。
その背景にはどんな苦労があったのか。イベントを成功に導いた取組みの内容と、プラットフォームとして導入したシャノンの活用について、プロジェクトを推進した古川氏、宮島氏に話を聞いた。
取材ご協力いただいたかた

グローバルマーケティング本部 ジャパンマーケティング統括部 デマンドジェネレーション部
シニアマネージャー 古川氏(左)、宮島氏(右)
製品導入のPOINT
- コロナ禍で年次の大規模イベントをオンラインに移行。グローバルで同日開催
- 実施確定からの緊急スケジュールで、セミライブ+オンデマンドのセッション収録
- 数万名がアクセスするイベントのユーザー管理基盤をシャノンで構築
- 参加者情報を、社内の営業管理システムに連携
フラッグシップイベントのデジタルへの転換、決定から急ピッチの準備
富士通の年次イベント「富士通フォーラム」といえば、毎年5月に開催され、東京国際フォーラムで数万名規模を動員する日本のICTソリューションのイベントの草分け的な存在だ。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年の初めにはすでに準備期間に入っていたが、3月にその開催見送りが決定し、オンラインイベントとして実施することが発表された。新たなコンセプト、実施内容、方法が検討され秋の開催が決定したのは緊急事態宣言の後だったという。
中でも重要な変更は、これまでの日本単独開催ではなく、グローバルでの同日開催というもの。日本単独の判断だけではなく、世界各地のリージョンでの調整が必要となり、意思決定には時間がかかった。
そうした状況のなか、コンテンツの制作と、実施のためのシステムの構築が始まった。オンラインイベント実施のためのシステム検討がおこなわれ、申込者情報管理のためのプラットフォームとして、シャノンが採用された。
これまでの富士通フォーラムでも、シャノンを採用してきた実績があったものの、今回の採用では、動画配信基盤との連携、グローバル共通イベントとしてのLook&Feelの統一という点から、他社を推す声もあったという。
「他のシステムも検討しましたが、登録したお客様情報の管理や、社内の営業管理システム との連携を考えて、日本は、やはりシャノンを採用したいと社内に説明をしました」(宮島氏)
多様なセッションで構成された「Fujitsu ActivateNow」
そして「Fujitsu ActivateNow」という名のもと、「お客様と共に信頼できる未来を創造していき、ニューノーマルにおけるビジネスのあり方を再構想していくこと="Reimagine"で、より良い社会を創っていくことを提案する」という方向性からテーマは“Trust”(信頼)に決定した。
10月14日から開催され、6つの地区の現地時間同日時刻での配信となった。
セッションの構成としては、富士通のメッセージをグローバルに発信するグローバルコンテンツ、日本のお客様に向けたスペシャルセッション、オンデマンド配信専用のブレイクアウトセッションなど80以上のセッションとなり、日本では2万名の集客を目指した。
不安だったのは集客と複数のシステム連携
運営チームにとって、今回のイベントはチャレンジであると同時に不安要素も大きかった。
一番の不安要素は、集客。コロナ禍をきっかけに、各社がオンラインイベントを実施しているが、世の中のオンラインイベントの開催が増えるにつれて、参加者にとっては食傷感も出てきた。
秋はイベントが多く、「Fujitsu ActivateNow」の集客においても不安が続いた。最終的に、2019年度の富士通フォーラム以上の申込があったが、集客には苦労したという。
イベントの参加者情報を、富士通の社内システムに連携するための仕組みの構築も課題だった。これを実現するためには、シャノンのイベント管理システムと当日配信、オンデマンド配信の2種類の動画配信プラットフォームとの情報連携の仕組みを短い期間でおこなう必要があった。
申し込みやアンケート管理のプラットフォームはシャノンの「SHANON MARKETING PLATFORM」、セミライブの配信基盤は「On24」、オンデマンドの配信は「J-Stream」で、それぞれのシステムを連携させる開発がおこなわれた。
「イベントに参加されたお客様の視聴のデータを、社内のシステムにつなげるための開発に十分な時間が取れないことが心配でした」と古川氏。シャノンの協力もあり、クリアできたという。
さらに何よりも大きな課題は、「お客様とのリアルな接点がなくなること」だった。「リアルのイベントであれば、営業がご案内したり、展示説明員が紹介する中で、お客様の反応が得られます。オンラインではそういう接点がなくなるため、いったん見に来てくれたお客様が離脱しないような工夫が必要でした」(宮島氏)
「お客様とのつながり」をどう作るか
リアルな雰囲気を演出し参加者の離脱をふせぐための工夫のひとつとして、休憩時間に司会者とスピーカーのトークセッションをおこなった。
またアンケートの回答率を高めるために、参加者のマイページを作り込むというアイデアがあった。マイページにセッションの参加履歴を集約して、そこからいつでもアンケート画面に遷移できるようにした。
「セッションの数も多いので、お客様がどのセッションに参加したのかが一目でわかるよう参加セッションの履歴を表示して備忘録のように活用してもらい、後でもアンケートに答えられるようにしました」(古川氏)
さらに、Fujitsu ActivateNowが終了した12月から参加者が視聴したセッションテーマごとに、より具体的な内容をご紹介しながら、参加者と双方向にやりとりができるフォローアップセミナーを開催している。
「オンラインとはいえ、大人数が参加するセッションで質問することは気が引けます。もっと具体的に話が聞きたいという方々に向けて、その場でQ&Aもできる少人数形式のフォローアップセミナーも実施しています」(宮島氏)
数万名の視聴を支えるための体制
イベント開催当日の最初の数日間は緊張の連続だった。
数万名規模の参加者が視聴するオンラインイベントは初めて。配信側の技術的なトラブルに備えるだけではなく、ブラウザやOSなど参加者の環境によって視聴ができないケースも発生するため、事務局のメンバーが待機した。
「事前ではなく、当日申し込んですぐに視聴するお客様も多かったので、登録システムと配信システムの連携が重要でしたね。当日はかなり緊張しました」(古川氏)
こうした様々な課題を乗り越えてイベントは無事終えることができた。
とくにシャノンと配信基盤を連携させ、参加者の視聴データを管理してダッシュボードに集約できたこと。さらに営業管理システムへの連携をおこなえたことには、シャノンのサポートやカスタマイズへの対応力が大きかったという。
「様々なシステムを連携させるためのカスタマイズをシャノンを活用することで実現できました。マイページの作り込みや、ダッシュボードへの集約といった面では、営業の人をはじめ、シャノンのスタッフの方々に親身に相談にのっていただきました」という。
全社的なDXイベントとしての進化をめざす
富士通は、2019年の時田社長の就任以来、「全社DX」を宣言している。
今回のグローバルなオンラインイベントは、全社が一体となり、世界中の拠点や部門との共創プロジェクトとなった。
「グローバルなオンラインイベントが実現できたことの成果は大きかったと思います。しかし、まだまだ課題もありますので、シャノンさんには今後も情報提供やアドバイスをいただけるとありがたいです」(宮島氏)
今回の「Fujitsu ActivateNow」の実施をきっかけに、イベントは富士通のDXを象徴するものとして進化していくものと思われる。その進化と発展に向けて、シャノンへの期待も大きいという
