マーケティングオートメーション概要 スライド

スライド概要 (一部抜粋)

マーケティングオートメーションとはなにか

マーケティングオートメーションとは何かについて、世の中ではいろいろな解釈がなされていますが、シャノンでは次のように定義しています。

「顧客をセールス活動のパイプラインに乗せる前に実施する、オンライン/オフラインのマーケティング活動全般を自動化する取り組み」

注意したいのは、ここで指す「顧客」とは新規顧客のみならず、既存顧客も対象になるということです。多くの企業にとって収益の柱である既存顧客からのアップセル・クロスセルについてもマーケティング活動は必要になるためです。

オフラインもマーケティングオートメーションの対象となる

マーケティングオートメーションというと、「デジタルマーケティングにおける諸活動の自動化」という定義もあります。

しかし、マーケティングオートメーションの対象は、デジタルだけではなく、オフライン領域も含むあらゆるマーケティング活動と捉える方が自然です。 企業のマーケティング活動では、オフライン領域が存在するのは当然のことです。このような状況で、マーケティングオートメーションの対象をデジタル/オンラインに限定することは不自然です。

特に最近は技術の進展で、オンライン・オフラインそれぞれのマーケティング活動のデータを統合できるようになっています。 マーケティングで成果をあげるためには、オンライン・オフラインを統合して管理する必要があるため、マーケティングオートメーションでも、オンライン・オフライン両方が対象となります。

広義のマーケティングオートメーションは、該当する活動全般を指す

マーケティングオートメーションの定義として、あくまでツールを指す狭義の定義と、自動化を含むマーケティング活動全般を指す広義の定義があります。

そもそもマーケティングオートメーションという言葉は、アメリカのソフトウェアベンダーが使い始めたものです。このため、当初は狭義のものとして用いられていました。

それが、時とともに概念が広がり、現在においては広義のものとして定着しつつあります。

これは、CRMというものがソフトウェアの種類から、顧客管理活動全般を指す言葉に変わった事と同様の流れにあります。


マーケティングオートメーションが注目される理由

先行するアメリカではMAが既に浸透している

ITやマーケティングのトレンドの大半は、アメリカが発祥です。これはマーケティングオートメーションでも同様です。

アメリカでは、2000年代からマーケティングオートメーションの時代がスタートしています。

2015年現在、すでに“フォーチュン500”の50%以上の企業がマーケティングオートメーションを導入済で、検討している企業を含めると70%以上にまで広まっているという状況にあります。

盛り上がりは、ベンダーが牽引している側面もある

日本で盛り上がる要因

日本でも、2015年が「マーケティングオートメーション元年」としてスポットライトが当たるようになりました。

これには、次のような要因が考えられます。

まず、マーケティング手段の多様化が進み、オートメーションツールがなければ業務に支障を来すようになったというマーケットニーズが挙げられます。

つぎに、企業が株主から収益性を求められるプレッシャーが強くなり、それが現場にも及ぶようになっている事も要因のひとつです。収益性を重視する多くの企業では、マーケティング施策の費用対効果、いわゆる「マーケティングROI」の見える化と改善の必要性がより強く意識されるようになっています。

 

ベンダーが牽引する一面も

近年、CRMやSFAなどのツールがほぼ一巡し、システム開発業界とメディアが次のムーブメントを求めている状況が続きました。

ここに、2014年から2015年にかけて、多くの外資マーケティングオートメーションベンダーが日本へ上陸したのです。

この流れをメディアも察知して集中的に取り上げるため、実態以上の盛り上がりをみせている可能性も否定できません。


IT投資の歴史でみるマーケティングオートメーション

企業のIT投資は変革/成長を重視するフェーズになってきている

企業のITツール導入の投資は、大まかにいえばERPからCRM/SFA、そしてマーケティングオートメーションという流れを辿っています。このことは、「管理・効率化から収益拡大へのシフト」といえます。

ERPは、運営管理するために導入するものであり、直接的に顧客を獲得するためのものではありません。基幹系と呼ばれるシステムは、こうした「管理」のためのシステムでした。

管理のためのIT投資が一巡すると、次はCRM/SFAに代表される「効率化」がITの投資対象となります。この頃の企業は、ITツール導入による効率化により、競争優位を高めました。

しかし、効率化だけでは競争優位に立つことが出来ず、「変革」や「成長」が必要な時代が到来し、ITツールもより顧客に近いマーケティング領域を対象にする必要がでてきました。この代表格がマーケティングオートメーションなのです。


マーケティングオートメーションで費用対効果を高める

マーケティングオートメーションで費用対効果を高める

マーケティングオートメーションの成功とは

マーケティングオートメーションを導入し、どういった状態となれば成功といえるでしょうか。それは、既存の業務の効率化だけでなく、マーケティングオートメーションがなければ出来なかった価値を顧客に届けることによって、マーケティング費用対効果が高まることです。

  • 今までスルーしていた顧客をフォローする事ができて、受注につながった
  • 知らない間に競合に持って行かれていた商談をコンペに持ち込めた

このように今まで出来ていなかった事ができるようになり、企業の収益が向上すると、マーケティングオートメーションの導入が成功だったと言え、マーケティング費用対効果を高めることができます。

 

既存顧客にもマーケティングオートメーション

新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客へもマーケティングオートメーションは効果を発揮します。

以前はルートセールス的に営業担当者が顧客のもとに通って情報を提供することが価値を持っていましたが、現在では検索すればより多くの情報を瞬時に得ることが可能です。

また、営業担当者に訪ねて来られることが疎まれる風潮になったり、セールス側にとっても人海戦術における非効率を避ける思惑もあって、ルートセールスは下火になっています。その半面、販売実績が中・下位の既存顧客へのアプローチが希薄化し、競合にリプレイスされる隙間が生じがちともなります。

特に、中堅から大企業ではこの課題を解決するために、マーケティングオートメーションを活用するケースが増えています。


マーケティングオートメーションツールに必要な機能

マーケティングオートメーションツールには多種多様な機能が必要

マーケティングオートメーションツールには、右に上げるように多種多様な機能が必要となります。

冒頭で述べたとおり、マーケティングオートメーションの対象はオンライン・オフラインにまたがります。

特に日本企業の多くは、展示会やセミナーなどのイベントを活発に利用しています。そこで獲得した名刺の管理や来場者管理、名寄せ、収集したアンケートの管理などが重要な業務となります。また、CTIと連携した電話対応の情報や、営業担当者が接触した際の情報なども貴重なデータです。

顧客に対するマーケティング戦略は、こうしたなるべく多様な情報に基づいて組み立てるべきであるといえるでしょう。したがって、これらに対応する機能もマーケティングオートメーションツールには必要です。

マーケティングオートメーションツールに必要な機能

・メール配信(メールマーケティング)
・顧客(リード)管理
・キャンペーン管理
・ランディングページ管理
・登録フォーム管理
・Webトラッキング
・スコアリング
・レポート・分析・BI機能
・CRM、SFA、SNSなど周辺ツールとの連携
・名刺などでのオフライン情報のデジタル化
・APIによるプログラマブルサポート

マーケティングオートメーションとセキュリティ

マーケティングオートメーションにはセキュリティチェックが必須

マーケティングオートメーションの導入に際し、忘れてはならないのがセキュリティです。

個人情報を含む、企業の根幹にかかわる大事なデータを預けるマーケティングオートメーションには、自社のセキュリティポリシーに準拠することを要求するのは当然のことです。

ちなみにシャノンは、Pマークはもちろん、金融庁が金融機関に求める最高度のセキュリティレベル「FISC安全対策基準」に対応しており、国内の金融機関への提供においてトップシェアを有しております。

データセンターの所在地にも注意が必要です。

非常事態の際に、海外にデータセンターがあると、その所在国の法律に従っての対処が強いられます。

例えば、アメリカにはテロなどの際に当局が通信内容を傍受することが認められる「パトリオット法」があるなど、日本とは異なる環境であることに留意すべきです。万一の時に捜査当局などの協力がスムーズに得られるかどうかも重要なポイントでしょう。

個人情報保護法など日本国内の法律やPマークなどにもきちんと対処しているかどうかも確認が必要でしょう。


マーケティングオートメーションを活用する組織づくり

マーケティングオートメーションに担当者は必要不可欠

マーケティングオートメーションを活用するには、担当者を決めて運営することが必要です。

日本企業では、マーケティング専任者がいないケースも珍しくありませんが、複雑多岐にわたるマーケティングチャネルに対応し、より的確なマーケティング戦略を遂行するためには、専門性をもった担当者が求められます。

「専門性の必要性は理解できるものの、なかなか対応できない」という企業の場合は、アウトソーシングやコンサルティングサービスを検討する事も選択肢にはいります。

マーケティングオートメーションの利用は営業部門との協調が必要

マーケティング部門と他部門との連携は、マーケティングオートメーションを活用するうえで最重要ポイントです。

まず確認すべきは営業部門。収益を上げ企業のROIを高めるためには、マーケティング部門と営業部門が連携する事が必要不可欠です。

この点で、日本企業には「営業企画部」「営業推進部」などの、マーケティング業務も兼ねつつ第一線の営業担当者を後方支援する戦略立案・推進組織を設けている場合が多くあります。同じ営業部門の当該組織がマーケティングオートメーションを用いて見込み顧客を営業に供給する場合、連携は比較的取りやすいでしょう。

外資系企業や大企業など、営業部門とマーケティング部門が完全に分かれている場合、両社間に“溝”が生じているケースが少なくありません。

マーケティング部門が良かれと思ってMAを導入し、それによる見込み顧客を渡しても、受け取る側の営業にしてみれば外見的にはナーチャリングされていない素の名刺をいきなり渡されるのとさして変わりはありません。

実際に営業が見込み顧客にアプローチすれば、商談化率が高いと感じて理解は促進されるでしょうが、当初から両部門間でMA導入の狙いや意義をよく話し合っておけば、よりスムーズに運ぶことができるはずです。

情報システム部門・経営層と連携して成功に導く必要がある

情報システム部門との連携も重要です。マーケティングオートメーションの導入そのものは営業やマーケティング部門が主導するにしても、セキュリティやデータセンター、システム運用体制、システム投資管理などITの専門領域からのバックアップが必要不可欠だからです。また、基幹系や業務系などの管理システムへの投資が一巡するして、収益拡大のためのシステム投資にIT予算が振り向けられる度合いが強まっていることもあり、マーケティングオートメーション導入に関して情報システム部門が前面に出てくるケースが増える傾向にあります。

経営層との連携も忘れてはなりません。リードパイプラインの獲得・構築状況が共有しやすくなるなど、マーケティングの“見える化”が進展しよりタイムリーかつ的確に経営判断が下せる環境を整えることができるからです。マーケティングオートメーション導入のROIを高めるためにも、経営層との連携は緊密にすべきといえます。


マーケティングオートメーションの今後

機械学習・IoTを巻き込みマーケティングオートメーションは成長する

マーケティングオートメーションの進展には、「機械学習」「IoT」が関係してきます。

最近、あらゆる組織データを収集・蓄積・分析し経営の意思決定に役立たせる流れが広がり始めています。マーケティングにおいても、顧客のデータを集めて分析する重要性が浸透し、管理対象となるデータが、顧客の属性情報だけでなく履歴情報や顧客が利用している機器のセンサーデータなどに広がる傾向があります。

それに対し、顧客に対してどういったアプローチが適合するのかといったことが次第に人の手では追いつかなくなり、機械学習の手をかりた自動的が行われるようになると考えられます。

2020年頃には、人の手に負えないほど複雑化しているコミュニケーションの最適化の一部を、マーケティングオートメーションが代行しているかもしれません。

最後まで機械化されずに残るのが、クリエイティブ領域でしょう。A/Bテストのように、「用意されたクリエイティブ」を比較検討し、自動的に最適化することはできても、クリエイティブそのものを考え出すのは、まだまだ先になりそうです。


マーケティングオートメーションとシャノン

シャノンは、「Marketing is Science」というステートメントを掲げています。

最先端のテクノロジーを活用しつつ、マーケティング活動におけるあらゆる事象を言語化・抽出し、その法則性を導き出すことが国内最大のユーザー数を擁するシャノンの最重要のミッションであると自負しています。この点において、マーケティングオートメーションは方法論としての一つに過ぎません。

シャノンは、あくまでもマーケティング全体を対象領域に捉え、マーケティングを行う企業がその課題を捉えて解決することを迷わずスピーディーに実現できる社会の実現を目指しています。マーケティングオートメーションは、そのための最も有効なツールとして、これからも磨き続けてまいります。

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