株式会社内田洋行ITソリューションズ

内田洋行ITソリューションズが
シャノンとkintoneを連携し活用、
商談数の増加に加えて得られた成果とは

内田洋行のグループ企業として、法人企業向けERP・業務システムや業種向けのソリューションを提供するのが内田洋行ITソリューションズだ。

もともと複数の会社の再編・合併により設立され成長してきた同社だが、その原動力となるのは、全国21拠点にある強固な営業体制と、年間100回を超えるセミナーやWeb、メール配信などのマーケティング施策だ。

現在は、SHANON MARKETING PLATFORM(シャノンマーケティングプラットフォーム 以下SMP)を導入し、セミナーやWebなどのマーケティングのプラットフォームとして活用し、さらに営業チームが利用するサイボウズ社のkintoneをベースにしたSFAを連携させ顧客管理をおこなっている。

その仕組みづくりを率先してきた同社管理本部 企画部の人見貴行氏に話を聞いた。

Point

  • 全国21拠点の特性を活かしたマーケティング施策を推進
  • セミナー、Webコンテンツなどの集客リードから、kintoneと自動連携するシステムを社内構築
  • マーケティング、インサイドセールスと営業との関係を強化し、商談、受注を増加
  • オンラインセミナーやインサイドセールスなどの新たな取り組み

内田洋行ITソリューションズは、法人企業向けERP・業務システムや、建設業をはじめとする業界特化ソリューション、福祉施設向けの業務システムなどのソフトウェアを提供する。 親会社である内田洋行の製品の販売だけではなく、ソリューションの提案、コンサルティングをおこなう。

もともと京都出身だった人見氏が5年間の東京での着任を終え、京都にUターン赴任したのは2020年の夏。 「そろそろ京都で家族と暮らしたかったのでコロナ禍によるリモートワークは怪我の功名でした。しかし忙しさは変わりません(笑)」と打ち明ける。 その背景には、この5年間、東京で培った業務の成果を、東西で根付かせるというミッションもあるようだ。

人見氏の仕事は、2015年に設置されたマーケティング推進本部で、デジタルマーケティングを本格的に取り組むところから始まった。 当初3名からスタートした部署の人員も強化され、現在は、各事業部門を横串で支援する企画部という名称になった。企画といっても、その業務範囲は広い。

現在ではWebサイトのコンテンツの制作からシステム構築、セミナーの企画・運営、インサイドセールスも担当別におこなっている。 ここまでチームと業務が拡大したのは、「まずは自分たちでやってみる」という人見氏のスタンスの表れだという。

Webやセミナーのマーケティング管理はSMPで、kintoneのSFAとも連携。

同社が、SMPを導入したのは2016年のことだ。「潜在的な顧客を含んだホットなリードを営業に渡すための仕組みが必要だった」と人見氏は、経緯を説明する。 具体的には、セミナー申込み、資料請求、メルマガ配信など、Webを起点にした顧客管理をSMPでおこない、営業部が使うkintoneのSFAにAPIで連携させるというものだ。

営業部のフィールド営業が「地上戦」であるとしたら、企画部のこうした業務は「空中戦」だと人見氏は言う。

Web、セミナーのリード管理のためにシャノンを導入

シャノンを選んだ理由について、人見氏は、以下の4つの理由を挙げる。


費用がリーズナブルであったこと

まずは自分たちで作るというスタンスなので、最初から巨額な投資は出来なかった。


メルマガ、セミナーなど元々やっていた業務を網羅できること

年間100以上実施するセミナーは同社の強みであり、イベント管理に強いSMPは、同社のマーケティングに適している。


ユーザーインタフェース(画面が日本語)

メンバーがシステムを理解し、運用するためには、外資系ベンダーのツールではなく日本語でしっかり理解できることが重要。


きめ細かなサポートと提案力

単体の製品やサービスでは実現が難しいことも、一緒に考えて代替案を提案し、さらに導入に際しても初歩的な事柄からサポートしてくれること。
「当社のお客様でも、導入の決め手になるのは営業の人柄や提案力であることが多いので重視したポイントです」と人見氏は言う。

拠点ごとの特性を活かしたセミナー

人見氏は、同社のSMPの活用の特色を「拠点ごとの特性を活かす」ことと「企画部のSMPと営業部のkintoneの連携」だと話す。

複数の会社が合併して出来た同社は、地域ごとに販売商品に特性がある。 全国21の拠点で施策を展開しているのは、拠点ごとに欲しいリードが異なるからだ。 基幹業務系パッケージ「スーパーカクテル」などの全国的な商材はあるものの、拠点によって得意とする業種や商材は異なる。 SMPをツールとして活用し、地域別、セグメント別にメール配信することで、高い反応率を実現できた。

また企画部のSMPと営業チームのkintoneの関係はこうだ。 リードが発生するとSMPに蓄積され、企画部が電話やメールでフォローをする。 同時にSMPで登録された顧客の情報は、API連携で営業部門のSFAに自動的にデータが送られる。


SMPとkintoneの接続は、基本はAPI連携だが、企画部と営業の様々なニーズに柔軟に反映するため人見氏が、PHPやJavaScriptを駆使してカスタマイズしている。

SMPとkintoneの連携の効果は大きい。 マーケティングの上流での顧客の履歴が、営業の活動管理のシステムに即座に反映できるからだ。 自分の顧客が、セミナーを受講したかどうか、終了後にExcelのリストで確認するのと、リアルタイムにチェックできるのでは、大きな違いがある。 常に顧客の情報が一つの場所にあることによって、顧客への提案時の選択肢が増えた。

オンラインセミナーへの移行もスムーズに

SMPを使った大きなメリットはもうひとつある。コロナ禍をきっかけにした、オンラインセミナーへの転換だ。 以前のオフラインセミナーだけの時期は、SMPは登録管理と参加登録メールの配信が主目的だった。

「オフラインセミナーに注力してきたため、オンラインセミナーへの対応は遅れており、オンラインで申し込んだ人だけが、動画を視聴できるという仕組みがありませんでした。 SMPのマイページ機能を使って、当社が実現したい形でオンラインセミナーにスムーズに移行できました」(人見氏)

本来、マイページ機能は申込者がログインによって、申込内容の確認、キャンセル処理、当日の受講票の表示などができるものだが、今回は「マイページに視聴用URLを貼る」というシンプルな方法によって申込者が視聴URLを常に確認することが可能になった。

「以前は、Webやセミナーにお客様が反応している様子はなかなか営業には伝わりませんでした。 この仕組みによって、自分のお客様がセミナーに参加した後に、営業からサンキューメールや電話ですぐに対応することができる他、過去にどのようなアプローチをしていたかを知ることで、話題づくりや提案の内容も深まります。」

今ではSMPのWebアクセス履歴にもとづいたリード化するまでのページアクセス情報を企画部が営業に送るメールで確認することが可能になり、さらに企画部の方から提供したリードの訪問や案件化の状況をkintoneでチェックするなど、顧客情報の活用をより進めることができたという。

インサイドセールスの実施

SMPを導入したことで、セグメント別配信でメール反応率が向上、高い反応率によるWeb送客でPV数、反響数も倍増、自動化、効率化でセミナーの来場率がUPし、リード数、商談数は前年比で倍増した。

さらなる成果としては、企画部の人数が増えたことで、インサイドセールスという新たなチャレンジを実施できるようになったことだ。 これにより、商談化率の高いリードのみ営業へ提供できるようになった。

「当初は、企画部の提供するリードに対して関心が薄い営業もいましたが、徐々に期待値が上がり、マーケティングとの協力関係もより深まりました。 これまでより多くのWebマーケティング関連データの提供を望む声も増えました」(人見氏)

今後、内田洋行ITソリューションズは、この仕組みをどのように成長させていくのか。

リード量が増加、インサイドセールスの開始で営業へ渡す案件の質も向上した。今後はさらにリードの段階で質の良い(=商談化率が高い)案件を増やしたい。

コロナ禍の先はなかなか見通せないが、最近では、リアルなセミナーを求める顧客も徐々に増えてきた。 以前のようなリアルな営業やセミナーに完全回帰するわけではないが、ウイズコロナの時代を見据えて、リアルなコミュニケーションもデジタルの施策と併せておこなっていくという。

「デジタルとアナログを組み合わせたチャレンジは続けつつ、時間をかけずに的確な対処ができるよう、システマチックな仕組みづくりを実現し、さらにインサイドセールスも強化することで、案件化の成果を高めていきたい」(人見氏)